「ラーメン」ー幸せの対価ー

ペペロン太郎

第1話

「とびっきりに美味しいラーメンが食べたい」


 と私はふと思った。


 なので、家を飛び出し近所のラーメン屋さんに入ることにした。


 最悪なことに店内は満席。その上に行列もできている。


 なので仕方がなく、スマホの電源を入れてネットサーフィンをしながら時間を潰す。


「あの芸人炎上したのか」


 そんなネットのごくありふれたニュースを見ながらボーとしていると、ついに席が空いた。


「ようやく美味しいラーメンにありつける」


 まずはメニュー表を確認。


 この店はまぜそばの専門店であるので相変わらずまぜそばしか置いていない。


 店主のまぜそば好きに呆れつつ、そんな店を訪れる私の味覚にも呆れてしまう。


「まぜそばを食べることは確定したのだが、トッピングはどうしようか?」


 今の私は、とびっきりにお腹が減っている。


 なので厚切りチャーシューをトッピングにすることに決めた。


 オーダーの後も列待ちの時間つぶしと同じように、スマホを見ながら時間を潰す。先ほどの芸人の炎上が気になっていたので、検索をかけて調べていた。


 そうすると、ようやくラーメンが登場した。


 まずはその器のデカさと麺の量に一瞬おののいてしまう。


「この量、私の器のデカさと同じぐらいだ」


 そして割り箸を破り、おそるおそるラーメンをかき混ぜる。


 その時に香る醤油と油の香りが食欲をそそる一方で、こんな体に悪いものを食べてしまう自分に罪悪感を覚える。


「いただきます」


この麺は太麺ということもあり、噛んだ時の満足感がとても高い。


そして醤油ベースの美味しい感覚が舌の上を流れてとても美味しい。


そんなことを考えながら箸を進めていると、いつの間にか器の中身が空っぽになっていた。


「ごちそうさまでした」


「そして、二度と来ねーからな!」


2500キロカロリー、それが幸せを得た後に私が支払う対価だった。

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「ラーメン」ー幸せの対価ー ペペロン太郎 @peperon-peperon

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