#025:闊達だな!(あるいは、トリプレ×シーズ×偉ぇチコ)
異世界の中に、さらなる異次元が展開しようとしている……
だがその滅裂展開をさくりとまとめると、この場にいる「三人娘」を倒さないとならねえ、倒せば
揃いも揃って、「黒一色」の装束。今回の少女っぽい雰囲気を醸し出してきている「三人娘」は、皆ワイシャツ・ブレザー・ミニスカート・ハイソックス・ローファーというような、女子高生っぽい出で立ちを何故か身に纏っている。ただそれら全ての色が艶の無い「黒」であることが、強烈な違和感をこちらに抱かせてくるわけで。
うん、何となくの背徳感もあるなこりゃ……とか、思っている場合でも無かった。
「紫」のサナサ=エクゥガが先陣切って
この時点でえらい不利ではあるが、これに俺の問答無用能力まで
はっきり負け戦だ。というか自分でも
「……」
気を取り直してみるものの、窮地は窮地。だがなあ……肚はくくれてんだ。どこからバイアスかかろうとも、俺はそれをもねじ伏せるだけだぜ……(ケレンミー♪)
「『カードニック=スペース』ッ!! 『
と、唐突に「戦闘」が。サ=エの放つ言葉が、終わるか終わらないかの内に、体感三度目となる「黒立方体空間」がバヒュと展開してくる。
また「汚水」が満ち満ちてきたりとかだったら勘弁だぜぇ……とか思ってたら、遥か上空から真四角の白い物体がいくつも落ちてきやがった。地べたにずんずんと落ちる衝撃からして、かなりの重量を持ってるぜやばい……慌てて後ずさってその落下地点からは身を離す。
「……!!」
見た目材質「石」っぽい。くすんだ白色の厚みのあるタイル状のそれらは、無造作に落下してきたようでその実、おそろしく正確に隙間なくぴっちりと揃い並んでいく……!!
将棋の盤のような、そんな四角く区切られた「足場」的なものが、次の瞬間、足元に組み上がっていたわけで。30cmくらいの「正方形タイル」で形作られた、目測25m四方くらいの「足場」……趣きは「シンプルな闘技場」って感じだが、用途もおそらくそれ何だろう。三人娘は不必要と思われるほどの高い跳躍を一斉にカマすと、その「足場」にすたと降り立ったのだが。
「銀閣さんっ、恐れずにカンやるだけですっ」
ふわりと俺の左肩に飛び乗って来た
「……私も共に戦いましょう、我々が組めばあんなメスガキ共○○○○ってなもんです」
ことクズミィ神絡みのことになると強力なイキれ
「『ケレン味』を発した瞬間、その『ケレンミ力』の多寡に比例して半径幾メートルかの範囲で、『法則』にがんじがらめられた『空間』は瞬時、吹き飛ぶのです……すぐにまた修復してしまうのですが、その刹那2セカンドの間隙を縫い、私の『
よくは分からねえが、俺がケレン味で露払いをして、とどめを猫砲に委ねると。そういうことだろうか。
「『無効化』してくるっつってたが」
「ああー、それはそれを上回る手数で圧倒すればいいだけの話ですにゃん♪ 銀閣さんほどの逸材であれば楽勝楽勝っ」
「向こうは三人いるんだが」
「ええーっと、通常のケレン味の三倍の速度で迫ればいけますよぉ、銀閣さんほどの使い手であれば楽勝らくしょウグッ」
「ッ馬ッ鹿野郎ぉぅっ!! そんな矢継ぎ早に出るもんでもねんだよぁぅッ!! 焦って噛んだり異様な早口になっちまったりしたらケレン味どころじゃあんめえがッ!! どぉしてお前はそんなにも見通しが甘えんだよッ!? だからあのクソ女神にいいようにやられてんだ、懲りもせずによぉぉっ!! ……ってそれは言い過ぎか、悪かった……」
調子くれていた猫首を思わずまた締め上げようと思ったが、途中で猫ベソ顔でうぶぶぶ泣き始めたのでトーンダウンしてしまった。しょうがねえな……
「……何か、手があるなら、頼まぁ」
「『
急激に立ち直りを見せたネコルの、ああ言えばこう言うの御都合感には目を瞑るとして、割と間違った方向には見通しが立っているじゃあねいか……どんな事態を想定してたかは置いといて。
「『合身』によって『ケレン味』を放てる『砲台』は二つにッ!! 『3倍』は無理でも『1.5倍』ならッ!! 何とかやってくれると、私は信じていますのにゃん♪」
任せろ、お前のサポートがありゃあ、何とかなんだろ。改めての気を張りつつ、俺は「黒四角空間」の中で、三人娘たちと相対するのだが。突如また虚空に高笑いする
<ファファファファファ、今回の『
リアルタイマンってことか、ま、その方が俺にとっちゃあ座りがいい。幸いカードも
「そんじゃま行きますよぉぉぉぉッ!! 超絶ッ!! 『合身』だァァァアアッ!!」
ネコルが俺の肩からバク宙をキメつつ、そう叫ぶ。と同時にその猫姿がぐにゃり歪んだかに見えた瞬間、頭部以外はスライム状に
「い、イッギィィィィィイイイイイイイぁぁァァアアアアアアッ!?」
途端に神経末端を根こそぎ引っこ抜かれるかのような激痛が、全身を走る。経験は無いが、無重力真空空間に生身で放り出されたような……耐えがたい痛みに思わず絶叫が迸り出でるが。何でいちいち苦痛を伴わなきゃならん……?
<
そんな俺を無視して、またしても
「行きましょうッ!! 銀閣さん!! 手数で押して押して、一瞬でも隙を作れれば、私たちの勝ちですからッ!!」
俺の額の辺りに、「生える」ようにして猫顔が現出してるよ怖えよ……とかひるんでる場合じゃあねえ。
「……」
「出」を待っていてくれたように静観していた三人娘たちも、左右正面と、各々バラけて迫ってくる。ここは協力一発、やるしかねえんだ……ッ!!
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