第28話 ヤギのまつ毛
でも、まあ、そんな事より。
「とりあえず、ヤギ見に行くか。」
と、ふれあい動物園に行った。子供達もたくさんいて、
「ヤギもうさぎもポロポロうんこ。」
と、歌っていて、
「確かにそうだね。」
日色実が笑いながら感心していた。
ヤギは優しげな目付きとフサフサまつ毛で、ひたすら草を食べていた。これだけもりもり食べてくれたら除草なんか必要ないだろうな。
日色実はヤギと兎と触れ合い、俺は日色実がヤギや兎と楽しそうに触れ合う所を楽しみましたよ。
日色実は最後に、
「まつ毛、まつ毛〜。」
と、ヤギの写真を撮っていた。どんだけ好きなんだ、まつ毛。
次にかかし展示に向かう途中でチュロスを見つけ、
「どの味にする ? 」
と聞くと、シナモンとプレーンとチョコ味で悩み出したので3つ買って、
「おそなえ。」
と言いながら手渡すと、何故か売り子の女の子達に大ウケした。
俺用にプレーンを1つ買う。隣のラムネも2本買い、花壇のテストピースに座って休憩することにした。
「今日は天気で良かったね。」
「そうだよな。台風が近いみたいだし。」
2人でのどかーに、まったりしていると、先程チュロスを売ってくれた子が、
「おそなえ。」
と言って自販機アイスを2つ手渡してくれた。
お礼を言って受け取る俺たちを見て、満足気に戻って行く。
賽銭置かれたり、赤いよだれかけ付けられても困るので、アイスを食べ終わると先程の子にお辞儀をして、案山子を見に行った。
正司のクラスのかかしはシマウマの着ぐるみを着た女の子のかかしで『俺の彼女』という題名が付いている。
正司が音頭をとって作ったのか ?
しかも隣のクラスのかかしが、昨年流行ったホラー映画の髪の長い女性のかかしで、コントラストが凄い。
「雀より、人間の方が怖がりそうだよね。」
「ああ。夜は近寄れないな。」
そこでも何枚か写真を撮り、『俺の彼女』の隣で俺の彼女(日色実)も撮った。
「正司君も絶対ここで写真撮ってるよね。後で比べてみよう。」
といって、『俺の彼女』の隣で俺の写真も撮られた。
あれだけ色々写真撮ったのに、日色実の携帯の待ち受け画面がヤギのまつ毛だった。
今度俺のまつ毛も撮りたいと言ってるけど、どうしたものか。
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