お嬢は僕を困らせる。

愉快な餡子

完結


僕は貴族のご令嬢にあたる方の執事兼側近をしている


お嬢がいるマンションに着くとマンションの中から知った顔が出てきた。赤色のロングの髪、フクロウの様に大きく見開いた二重の目、元気な色をしたピンク色の唇、鼻筋は細長くその鼻には黒縁の眼鏡をかけている、眉毛は形が整っている、身長は平均的で肌は初雪の様に白い確か、祖母がロシア人だった気がする。そして服装はうちの職場は私服でもいい筈なのに何故かメイド服、良くは知らないがかなり人気のコスプレイヤーらしい、仕事はお嬢の午前担当のメイド兼側近だ、見つけたのに声をかけないんだと怒られるのも嫌だこちらに気がついたのか声をかけて来た

「先輩、早くお嬢の所行ってあげて下さい。」

「なんで?」

まだ出社時間まで30分以上もある筈だ、逆に言えば真水こそ退社するには早い時間だ

「なんでって、お嬢いつもと同じで寝ちゃってるんですよ‼️」

「大体そうだろうと予想はついていたけど、真水はなんで早めに退社してるの?」

そう言えば紹介が遅れだがこの子は

《海滝川真水(うみたきがわ・まみず)》やたらと名前に水の要素が含まれている名前の所持者だ。

「えっ〜とですねぇ〜」

下を向いて目を右にフラフラ左にフラフラさせている。言い訳を考えているのだろう

そして僕の顔を伺うように言った。

「私の好きな声優さんが歌うライブが二駅先であるんです。12時半から始まるので30分位早く退社させてもらう許可を得たんです」

まぁお嬢に許可も貰っているようだし、一応心配はしているようなので怒る気にはならないがこの子は社会人としてどうなんだろう、

「まぁいいや、今度からはこう言ったことがあるなら僕にも言えよ、そしたら時間早めに来てやるから」

「はぁ〜い」と嬉しいそうな声で返事をした、

真水と別れマンションの中に入る。マンションに入ると真正面にエレベーターがあり、お嬢の部屋がある45階まで行く。お嬢の部屋は098号室で45階まで上がりエレベーターから降りると右手の方にある、098号室の前まで行きお嬢に貰った鍵を使い上と下にある鍵穴に差し込み開けるそしてもう一つの鍵である静脈認証をするため、親指を認証する場所に押し当てる。「ガチャ」っとドアが開く音がする、ドアを押し部屋の中に入るとお嬢はいつものように膝の上に本を置き、背中をピンっと張り頭だけを前に後ろにと前後させ、時折勢いよく前や後ろに倒れていき元あった位置に戻る。そしてまた前に後ろにと前後させおている。

僕が出社する時間はお嬢にとって朝から読んでいた本が丁度読み終わり、お昼ご飯を食べ終えた直後だ

つまり睡魔が襲ってくる時間帯、お嬢は睡魔に襲われるがまま、抗おうともせずに寝てしまったのだ。

なので僕の仕事はいつもお嬢を起こすことから始まる。お嬢の容姿に触れておこう

黒髪のボブに猫を想像させるように大きく丸い二重の目と細長い眉、唇は真っ赤に染まっている。肌の色は病気かと心配するほど青白い。

身長はモデルに負けず劣らずの背で今日身に纏っている服はロング丈の長い黒のワンピースと上から白い上着を羽織っている。

「お嬢、起きて下さい、お嬢、お昼ですよー、」

「う〜、あ、?、んっ、あ〜っと5分たのむ」と言いながらまた寝てしまった。しょうがないので肩に手を当て耳元で囁きながら体も左右に揺らしてみる

「起きて下さい、お嬢」

「う〜んっ真水ぅもっと寝かせてぇくれたまえっ」

もう完全に寝てる、涎まで垂れ始めてる

「僕は真水じゃありませんよ、起きて下さい。」

「ん〜〜んっ!ん?真水じゃない雅〜かぁ」

寝ぼけてまだ頭が働いていないのか顔が惚けている。

「雅‼️、うわぁわー」

と言う叫び声とともに椅子が後ろに倒れて行った

咄嗟に体が動きギリギリのとこでお嬢の手を捕まえる。そして自分の体の方にお嬢を引き寄せる

「大丈夫ですか?」

お嬢の顔が目と鼻の先まで来た

「あ、ありがとう」

余程恥ずかしかったのか顔が真っ赤に染まっている

そう言えば僕の名前を2233字目まで来ても明かしてないのはどうだと思うので名乗っておこう

《神宮寺雅(じんぐうじ・みやび)》そして紹介するのを忘れてしまう前に紹介しておくが僕の主人である

お嬢こと《風月華夜(ふうづき・かや)》

「離してもらってもいいかな?」

「あ、すいません」

と言いながら椅子を直しお嬢様を立たせた後にお嬢に問う、いつもそうなのだが午前と午後でうまく情報の共有が出来出来ていない

「今日は午前中なにしてたんですか?」

「今日はな真水と少し季節外れだが夏祭りに行こうと言う話をしたんだ、あんまり外は好きじゃないんだがどうしても花火が見たくてな」

と口角を上げ嬉しそうにしている。真水とお嬢は19歳と同い年なので、度々仕事以外で遊びに行ったりしているのだ。しかし引っかかることがある、その今日一緒に行く筈の真水は確か、ライブに行っていたような気がする、しかも今日は雨が降る予定なので夏祭りに行う花火は中止になった気がする、まぁそう伝えるはのは酷なので、ポケットからスマホを取り出し周辺で行われる花火大会を探す。ここから少しばかり遠いいがかなり人気の花火大会らしいので、そこに決めお嬢に少しばかり提案をする。とその前に一応、今日近所で行われる花火大会のことと真水のことを話して置かないと

「今日、花火打ち上がりませんよ、」

「へっ?」と間抜けな声を出す

「なんでだ?」

本気でなんでと思っているのか若干顔が暗くなっている。

「今日はですね降水確率が80%と高いので花火が上げられないんですよ」

「じゃあ真水に行けなくなったと伝えなければ」

「あ、そのことなんですけど、多分ですが真水、今日ライブ行ってるので行けないと思いますよ。」

あの子は本当に早めに出社する、許可を貰ったのかどうかは気になるがまぁまずお嬢のことを考えなくては、

「そこで提案です、僕と一緒に違う祭り行きませんか?」

急に色々なことを言われたので、少し頭の整理が追いついていないのか混乱している様子だが

情報整理が追いついたのか「じゃぁそうしようと」即答してくれた。

「じゃあ、雅、浴衣を着せてくれ」

「へっ?」思わずおかしな声が漏れてしまった。

「今なんて申しました?」

自分の聞き間違いかと思い、もう一度伺ってみる…がさっきと同じく

「浴衣を着せてくれと言ったんだ」と返されるだけだった。お嬢は今19歳、とても美しく可愛い年頃の女の子だ。(※雅と作者の主観です)そんな子が23歳の男に浴衣の着替えを手伝えって、どう考えても可笑しな話だ、なので一応確認をしてみる。

「僕、男ですよ?」

「う?、知っているがそれがどうした?」

お嬢は僕が言いたい意味がつかめていないのか、少し不思議そうな顔で返事をした

「どうしたと言うと、何かされるとかの心配はないんですか?」

「無いぞ、信頼しているからな。まぁあとはそんな度胸もないのも知ってるからだな」

信頼されてるのは嬉しいけど、男として見られてないのはちょっと傷つく

まぁそんなことを思いながらもしょうがないと言う気持ちで着せるのを手伝うことを決意する

「じゃあお嬢、どの浴衣着ていくんですか?」

「これダァ」と言って見せてきた浴衣は

黒よりもどす黒いが赤色の蝶々と彼岸花の刺繍が描かれている。蝶々は大きく羽ばたき彼岸花の上を舞っている、彼岸花は蝶々をきにぜず、大きく花弁を咲かせている、とても美しい、彼岸花と黒は死を表し、蝶々はそこにいざなうかのように舞う、その刺繍にとても視線が向いた。まぁそんなことを思っているとお嬢が脱ぎ始めたワンピースなのですぐに脱ぎ終わり「早く着せてくれ」と言ってきたので浴衣を着せた、浴衣を着せ終えるといつも美しいお嬢がより美しく見えた。僕も浴衣を見に纏い祭りに向かった。

祭に向かうのは良かったのだが、ネットに書いてあった通りかなりの人気らしく、その祭りに向かうと思われる、浴衣をきた若い人やその人達の連れと思われ乗客でホームが溢れて返っていた、まぁお嬢に行くと言ってしまったので引き返せはしないのだが出来れば乗りたく無かった。まぁホームに並んでると以外と早いものですぐに電車には乗れた。しかし問題はここからで電車内での混み具合が半端ない程多く、車内では冷房が効いているのにもかかわらず、汗を拭っても拭っても体のあちらこちらから汗が垂れてくる、それだけならまだ良いが、人がとにかくギュウギュウに詰まっているため、身動きが取れない。かく言う僕とお嬢もお嬢を扉に押し付けてて上から覆い被さっているような状態、言いたくはないが少し、お嬢の浴衣がはだけててエロい

お嬢は顔を真っ赤にして俯いている。そして、顔と顔がものすごく近いためお互いの息が当たる、そして、僕の鼻にほのかにお嬢から出ている甘い匂いが差し込んできた、こんなこと考えてると変態としか思われないかもしれないが、事実なのだからしょうがない、とまぁこんなことを考えていると次の駅に着いた、向かい扉から見えたホームには沢山の人だかりがある、さっき乗った駅よりも人が多く扉が開くと人が入ってきた、今でもギュウギュウなのにも関わらず沢山の人が入ってきたためお嬢とハグをしているような状態になってしまった。お嬢の顔は見れないがとても全身が熱でもあるのかと言うほど熱く心臓の音も口から外にもう飛び出てると思える程に早く動いていた、本当に熱でもあるのではないか心配なので一応聞いてみる

「お嬢、大丈夫ですか、心臓が物凄く早く波打っていますが」

「特に問題ない、ひいて言うなら臭くないか?私」

顔は見れないが最後の方の言葉は震えていた

「大丈夫なら良いんですがあと全然臭くないですよ逆にとてもいい匂いです」

「それ、セクハラで訴えられるぞ」と少し怖いことを言いながらも、また心拍数が上がり始めた

今日花火大会が行われる予定の場所にどんどん進んでいるがあと5駅全ての駅でこんなにも人が乗ってきたらたまったもんではないないと思っていたが意外にも人が入らず現状状態で進んで行った、そして、花火大会が行われる駅に着くと物凄い数の人が降りた。幸い逆側の扉だった為、混雑に巻き込まれることは無かったがホームに置かれているベンチにお嬢を座らせるとお嬢は今日のメインイベントである花火大会に行く前にへばってしまったらしい足裏が痛いや足が棒になれば痛みなんてわからないのにと泣き喚いている

「お嬢、帰りますか?」

今から帰ればあまり混まずに帰れるだろう

「嫌だ」と即答、まぁそれもそうだろう

折角立ってここまで来たのに行かないという手はないだろう

「お嬢、お言葉ですが私以外に一緒に行くお友達はいなかったのですか?、大学のサークル仲間とか」

言っていなかったがお嬢はしっかり大学にも通っている、

「あいつらは私と真水意外で地元の夏祭りに行った」

ととても小声で答えてきた、苦笑してしまった

「本当に失礼なことを言いますが、イジメられてるんですか」

「本当に失礼なこと聞くな、イジメられてるんじゃない、私の才能に嫉妬してるんだ」まぁ確かにお嬢は昔から計算が好きだった、そのおかげで経理学部の中で1番2番を争う学校にも入れた。

「はいはいそうですね」とあんまり褒めたりおだてたりするとダメなので軽く流しとく

「おい!」と言う言葉を無視しながら

お嬢の座るベンチの前でお嬢に背を向けてしゃがみ

「お嬢、おんぶするので乗ってください」と言った

お嬢は少し戸惑いながらも上に乗っかってきてくれた、背中にお嬢の温もりを感じる、信頼してくれているのか体を硬ばらせる様子もなく力を抜いて身をしっかりと任せてくれている

「重くないか?」

と心配そうに聞いてくるが一応僕も男なので、体重45キロ位のお嬢に乗られてもなんとも思わない

「全然軽いですよ、じゃあそろそろ行きますか」

と言い僕たちは祭りの開催場所に向かって歩いた

祭り会場に着くと、沢山の人で賑わっていた。祭り会場には着いた頃にはお嬢の足の疲れも大分治ったようでお嬢を背中から下ろし二人で歩く感じになった。 そうしているとお嬢が屋台を回ると言い出した

輪投げに金魚すくい、射的、型抜き、チョコバナナや綿菓子、リンゴ飴、かき氷と祭りの定番とも言える屋台がズラりと並んでいた。

その中で一番最初にお嬢が選んだ物は綿菓子だった

買うとすぐに人がいない方に行きその場に立ち止まり食べ始めた。

「美味しいですか?」

「嗚呼」と満面の笑みを浮かべる

食べ終わったのかまた歩き始めようとするが口と手がベトベトになっている、砂糖が溶けたのだろう

巾着からウエットティシュを取り出し、お嬢に手渡す、口はふいてあげたら

「子供扱いするなぁー」と顔を真っ赤に染めながら殴られた、結構痛い

「痛いですってお嬢」

「雅がそんなに貧弱だとは思わなかった」

とスネを蹴られた。本気で今のは痛かった。

そして次にお嬢が向かった屋台はチョコバナナその次はかき氷、リンゴ飴、焼き鳥、唐揚げ、ポテトなど最後の方は祭に全くと言ってもいい程関係ないが

まぁ美味しく食べていた、その後はゲーム系等の屋台を回った、射的では緑色の、ビンの形をしている容器の中にラムネが入っているお菓子を落としていた、輪投げでは焼酎に引っかかり、お嬢は未成年の為飲む事が出来ないので、僕にくれた。でも実際の所僕も飲めない。今振り返って考えてみると、今日の祭りは食べ物関連のことしかしていない。

「そう言えば、雅お前祭り来てから何も食べてないよな?」

「はい、それがどうかしました?お嬢」

お嬢が人のことを気にかけたのはこの日が最初で最後だった…にならなければいいけど

「あそこに焼きそばがあるだろ、一緒に食べよう。」

あ、これお嬢が食べたかったパターンですね、最初で最後どころか最初すら無い気がした

「お嬢、食べすぎじゃないですか?」

「そうか?、ちなみに私は焼きそば食べないぞー」

「え、じゃぁ2個前の一緒に食べようって言葉はなんですか?」

「2個前の言葉とは?」

このまましらをきるつもりだろう。

「じゃあ御言葉に甘えて買わせて頂きます」と言葉を残して屋台に並んでくる。

焼きそばを買い終わりお嬢の所に戻る、そして、その場に立ってお嬢の隣で食べているとお嬢がこっちをジッーーーと見つめている、こっちと言うより焼きそばを、

「お嬢一口いります?」

「食べる」とさっき言っていた言葉を忘れたのか欲に負けたのか、わからないが目をキラキラさせている。まぁなんの利益も無しにあげるのは尺なので

「アーン」と口をあげる動作をしながらお嬢の口の前に持っていく予想通り頬を赤らめながら口を開いた。その直後追い討ちをかけるかの如く

「間接キスですね」と言い放つ

そうするとお嬢は噎せた、そして僕の顔面にパンチが飛んできた

「なんて事を言うのだ雅はぁーー」

やっぱり可愛い、いつもは病気のように青白い肌が今日はバラのように赤く染まっている。ちなみにさっきの顔面パンチは、少し掠った程度の所でよけたがお嬢に焼きそばを取られた、焼きそばは今やお嬢のお腹の中に入っている。少し、勝った気もしたがお嬢にも花を持してあげたいので、僕はお嬢にある勝負を仕掛けた。

「お嬢、型抜きで勝負しませんか」

「嗚呼、いいぞ」さっきまでの事を忘れたのかはっきりとした返事だったが、顔を見るとまだまだ顔は赤い

「しかし、条件付きでな」

顔を真っ赤に染めながら、不敵な笑みを浮かべている、これからのお嬢が心配になった、まぁ此方から仕掛けた勝負なのでどんなに条件付きでも文句は言えない

「お嬢その条件とはなんですか?」

「最初に二戦した方が勝ち、後攻先攻はジャンケンで決めること、そして、私が勝ったら雅は私の事を名前で呼ぶこと、これから一生」

「いいですが、負けたら私の事これからも雇っ てくださいね、まぁでも負けたら一生お嬢のことを名前で呼ぶってことは一生関わるってことなんで、心配いらないっぽいですが」

お嬢はその言葉を聞き、まだ赤い顔を頸から首筋まで真っ赤に染め直した

そして、勝負の火蓋は幕を開けた

でも、型抜き勝負の前にまずはじゃんけんと言う

お嬢の条件に組み込まれていた勝負があった。

「最初はグー」

「じゃんけんっ」

「ぽい」

僕の目の前に「グー」と丸めた拳を突き出してきたが、僕は「パー」と大きく広げた手を出した、じゃんけんでも僕の勝ち

「先攻と後攻だっちにするんだ?」

「じゃあ僕は後攻で」

ちなみに、条件にはなかったが型は先攻が選ぶということになっていた。お嬢は型を選び始めた。

お嬢は少ししてから「これにする」と僕の目に向けて、おにぎり型の型を見せてきだ。角張っている所は三箇所あり、丸っこくなっている部分は一つもない。

「わかりました、それにしても、型抜きでもワザワザ食べ物えらびます?」

「一番簡単だって店主が言ってだんだっ」

と慌てている、それにしても、店主が言ったことを真に受けすぎな気がする、これは将来絶対に壷などを買わされるタイプの人間だ。まあそんな事を考えているとお嬢はさっそく、型を半分に割ったらしい

よくみてみると、一発目で真っ二つに割れたようだ。次は僕の番だ、店主が言っていた通り、すごく、簡単だった。まずは三箇所の角に優しく刺す、そのあと3辺をゆっくりと刺して抜いていくそうすると、お手本用に作られてる型よりも綺麗に抜くことが出来た。よって一回戦目の勝者は僕と言うことになった。お嬢に華を持たせる筈が自分が持ってしまった。

二回戦目では、一回戦目に後攻だった僕が先攻と言うことになった。僕はヘビの型を選んだ、ヘビの型はクネクネと曲がっている箇所が沢山あり一つも角や直線がない。見る限りこの型抜きの屋台の中で一番難しいのではないだろうか、それを選んだ所、お嬢は、「ねぇ、私一番簡単なのでもいい」と強敵にあって、負けたくないのだけど負けを認めざるおえず、逃げる猫のようにビクビク震えながら聞いてきた、そのような愛おしい姿を見せられたため、耳が後ろ向きになっている猫耳を生やしたケモ耳娘に変わったお嬢を想像をしてしまった。(※変態です)そんなことよりも型抜き勝負に戻るが僕はヘビの型を後少しの所でミスってしまった、最初のうちは曲がっている場所に合わせてゆっくりと早く刺していったが最後の尻尾の先端だけ急な曲がり方をしていた為、ゆっくり刺したが尻尾の部分が割れてしまった。

後攻のお嬢は僕のやり方を見て覚えたのか、同じやり方でやっていたが、結局チマチマした事に耐えられず、机を叩いた反動で型が割れてしまっていた。

結果は1対0で僕の勝ちと言う事になった。お嬢はとても悔しいそうな顔をしていたが、最後の所は自分が悪いのを理解しているのか何も言わないでいた。

「また来年も勝負しましょうね、華夜嬢」

とせっかくなので名前で呼ぶととても嬉しそうな顔をしてくれた。そのためなのか無意識にお嬢の呼び方を華夜嬢にえと変えていたのだった

「華夜嬢、この後どうします?」

花火が打ち上がるまで、残り30分、祭りに参加してから、初めてゆっくりした、数分前までは、屋台巡りや華夜嬢との勝負など時間を余すことなく、充実していた。ゆっくりして初めて気づいたが、僕の体に疲れが備蓄している。そういったことに気づいた途端心身ともに気怠さや倦怠が襲ってきた。足は重く棒のようにまっすぐになる、これこそ足が棒になると言う事だろう。体は硬くなり・瞼は重くなる、背骨もう両腕の膝と膝を後ろで触れる程度まで近づけるとバキバキと嫌な悲鳴をあげた。この後の花火大会がめんどくさくなってきた、まぁそういった所で華夜嬢は行くと言うだろうけど一応言ってみたと

「華夜嬢、帰りましょう」

「まだ、花火上がってはおらんぞ?、何の為に帰るのだ?」

「花火終わってから、帰ると行きの時よりも電車内混むと思うんですがぁ、」華夜嬢は頑固なので、そう単純な理由じゃ引かないと思うが、我慢嫌いでもあるので、一応効果はあると思ったが‥

「そんなの、我慢すればいいだけだろ」

「我慢嫌いなのにですか?」少し、煽ってみると

「まぁ最悪の場合、雅に担いでって貰えばいい話だ」

「まぁ確かに、最悪の場合はタクシーか朝帰りでもいいですからね」

まぁ本当に最悪の場合だ、朝帰りだと真水が心配するだろうし、華夜嬢の大学での講習が朝から入っていた気がする。タクシーの場合、単純計算すると余裕で4、5万消える程の距離はある。

「朝帰りだとっ、無理に決まってるだろ‼︎、第一に私、大学の講習会があるんだぞ!」と慌てふためきながら何かを伝えようとしたくる。まぁ伝えたいことはわかったが、この反応を見るのは楽しいので、まるで、わかっていないかの様にしらを切る

「どうしたんですか?、朝帰りですよ?、まぁ確かにタクシーはお金かかるので無理ですよね」

とまずはタクシーが無理だと、現実問題を突きつける。

「いや、タクシーは大丈夫だぞ」

と財布を手にぶら下げていた巾着から取り出し中身を見せてきた。数えてみると

五万二千百五十二(52152)円入っていた、何でうちの華夜嬢はこんなにお金持っているんだろうか?

まぁ今はそんな事はどうでもよい、そして確かにタクシーで家に帰ることも出来るだろう。そして、今思ったけど、論点がヅレてる気がする。

「あのぉ、論点がヅレてる気がするんですが?」

「確かに、と」

目を大きくしこっちを向いてきた

「まぁ、最初の論点は花火見ずに帰るか見て帰るかですね」

「見て帰る、これが答えだ」と、僕の顔の前に指を突きつけてきた、身長が高いのにそんなことをするので、鼻にあったった。

「まぁ、帰れるってこともわかりましたしね」

「嗚呼」っと勝ち誇ったかの様に腕を組んだ

多分、僕はまけたのだろう、まぁ最初っから、華夜嬢に従おうとは思っていたが、なんとなく悔しいのでちよつとした仕返し

「華夜嬢は朝帰りやだったんですか?」

「なぁっ」と顔を赤くし始めた、勝ったと確信した

「別にやじゃないけど、心の準備が」

とゴニョゴニョ声で言う

聞こえなかったが、まぁ何が言いたいのか大体わかる。

「まぁタクシーでも、2時間程、運転手合わせて三人ですが、狭い所に一緒に入れたんですけどね、」

とまた不意打ち、

「ぬぉっ」と変な寄生をあげる、普通に可愛い

「まあ、いいんだ…お前の気持ちなんて」

と僕の視界から顔を外してきた、話を逸らそうとしているのだろう。

「酷いですね、華夜嬢」

「そう言えば、もうそろそろ花火の時間ですね、あと10分程度でしょうか」

「あの、それは、分かったが雅、ちょっと助けてくれないか」とこっちに蒔き直した

浴衣がはだけてきてる、うんちょっとエロい、

さっき顔を逸らしたのは、話を逸らそうとしたのも理由の一つだろうが、一番の理由ははだけ始めた浴衣を直す為に逸らしたのだろう、でもやっぱり自分では出来ず、僕に頼ってきたってことなんだろうと僕なりの解釈し浴衣を直してあげた、

花火が上がり始めると、華夜嬢は、ずっと上を見ていた。花火は、最初は小さいのが4〜5発程上がった、黄色と赤色が混ざった、花火だった、上がってから数秒するとすぐに、夜空に消えてしまった。次の花火は、細い線が15発ほど、両端から数秒遅れで打ち上がっていった、この花火は、単色で、黄色、赤色、緑が交互に並んでいた、両端から同じ色の花火が上がり、真ん中の一発だけが、同じ細い線だったはずなのに、赤と黄色と緑が合わさった、綺麗な大きな花火が上がった。そして、次の花火ともなると、やはり、3回目の為、大きな青や、紫、緑、黄色、赤、オレンジなどの、混ざった物や単色のもの、が数えきれない程、上がった、沢山の色を適当に打ち上げてるのかと思いきや、見やすい様に、工夫されていた。花火は良いのだが、華夜嬢の顔学校気になったので、横を向くと、華夜嬢と目が合ってしまった。

「どうしました?、あんまり、面白くなかったですか、」

華夜嬢は、何かを隠そうとしているのか、気まずそうな顔のどちらかをしている。

「いやぁ、綺麗なのは、綺麗なのだが、雅がどんな顔をしているのか、気になってな」


そんなことを言われると、嬉しい

「まぁ、そんな事より、花火見ましょう、花火大会は、打ち上げやまでは、長いのですが、打ち上がってからは、数十分で終わってしまうので、」

「そうだな」

と上を向いた頃には、花火は最後の一発となっていた。大きく、咲いた花火は、単色の赤色で、僕が人生の中で見た、花火の中でもっとも大きな、花を咲かせ、凛々しく、美しく、何も望まない形で、で枯れていった。

僕は華夜嬢の方に向き直り、

「終わってしまいましたね、じゃあ帰りましょうか」

「ああ、そうしよう」

と言い帰る事にした。


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お嬢は僕を困らせる。 愉快な餡子 @yukainaanko

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