(5) 9月20日

 世間はお彼岸。

 昨日久々に、近所のスーパーに行ったら、花束がたくさん売られていた。花屋さんのお姉さんも、

 「お彼岸どころではないわよね。」と、言っている。

 相変わらずの私は、昨日は”あすなろの里”で、お風呂の幸せをいただいた。スッキリして出てくると、ゴルフ仲間で同級生のNさんが電話をくれた。どこかで待ち合わせをして渡したいものがあると言う。新米出来るころなので、お米でもいただけるのかなと、少々期待をして行ってみた。

 お見舞いだと言って、封筒を私に手渡し、彼は帰っていった。この気持ちは、嬉しかったし、何より暖かかった。


 今朝もまた、2時に起きてしまった。

カセットコンロで、市役所でいただいた水をわかしコーヒーを淹れる。私の日課。こういう非常時に必要なものは、実際に体験してみるとよくわかる。

 カセットコンロと鍋、そして簡易トイレ。これさえあれば、当初はどうにかなる。すぐに行政が動いてくれる。日本国のすばらしさが再納得出来る。

 ゆっくりと、紙コップでコーヒーを飲んで、3時になったら着替えて、7時になったら又自転車で市役所に行こう。そして、毎日何回いうのだろう”ありがとう”の言葉。他人の笑顔や言葉が、どれほど暖かいのか、嬉しいのか、難民にならないと理解しがたいことがあることを、しみじみと感じられる。


 約40年前に父が建てたこの家。いろいろなことが当然あった。それは私の心の中に入れておけばいい。

 後何日かで私も去っていく。そして、ゆくゆくは取り壊す事になる。大丈夫だよね、ご先祖様たち。今の私があるのは仏様のおかげ。

父、母、兄、祖父母、そして、よく知らないその他8人の仏様達。一緒にどこにでも連れて行くよ。ありがとう。  合掌。

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