(4) 9月18日
朝10時。自衛隊の方が設置してくれた仮説風呂に行った。少し離れた公園の中にあったが、物珍しさという興味が半分以上あった。一生に一度、経験できるかどうかの貴重な体験だとも思っていた。
その風呂は丁度、足場に使う鉄パイプを枠に、厚めのブルーシートを張った様な作りで、2mx5m位のプールのようだった。それが2つ。入浴剤が入っていて、アヒル隊長が1匹ずつ泳いでいた。それを見たとき、何かしらホッとした。
シャワーも、ボディソープも、リンスインシャンプーも用意されていた。女性隊員の方が ”いかがですか?” と、爽やかな笑顔を見せてくれる。
一番風呂に手足を伸ばしたら、チョー気持ち良い。天国!天国! 本当にありがたい。市役所に行けば、たくさんの善意のもの、東電さんも、水道局も、自衛隊さんも、本当にありがとう。
4~5日前の事を思い出した。さすがに私も助けていただいた方が良いような気がして、119番に電話してみた。
「 今、元気ですか?」
「 はい。元気です!」と、私。
「今どこに避難していますか?」と、119番の彼。
「 はい、自宅の二階にいます。」
「 わかりました。元気で、避難できる場所のある方は、後回しになります。で
も、絶対に助けに行きますので、気もちを強く持ってもう少しお待ちください」
「はい.....」
結局、犬2匹は連れていけないと思い、ヘリの救助はお断りした。
モスグリーンの自衛隊のヘリは、とても力強く、近くに来ると、家の中のものがすべて飛ばされる。屋根やシャッターを飛ばされた方もいた。
我が家は、小さいヨーキーが窓枠に前足をかけ、外をうかがっていたら突然のヘリの風にあおられて飛ばされ、1回転して1メートルもとんだ。
ホバリングしながら、住民を引き上げて救助活動する姿は間近で見ると,かっこいい!と言ってしまう。
朝5時から夕方5時まで、常時3機位のヘリが家の周りを飛び回っている。耳が変になるかと思う程の音に、本当に申し訳ありませんが、大変だった。
人間って、わがままで自分勝手だと感じた出来事だった。
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