♮273:繚乱ですけど(あるいは、呼べど応えぬ腐りじし)
……長きに、本当に永きに渡っての、敵味方合わせてのお出まし的なものがようやく終わりを告げたかに思えた。体感二か月近くはあったよなこりゃ……など、詮無いにもほどがある思考に、海馬辺りをこねくり回されるようにしながら、いよいよ始まる大人の騎馬戦に向けて、僕は気合いを入れ直そうとするものの。
「ムロトさんっ」
背後から鈴の転がるような可憐な声が。ええと……まだいるんだったっけそうだよ、アヤさんの「騎馬役」がまだだったねってことはまだお出ましの時間は続くのであったか……
流石に食傷気味の僕ではあったものの、振り返ってみて驚きにより硬直する。振り向き先にあったのは、これまた懐かしい、というか記憶の中以上に美しい女性へと変貌を遂げたあの、超絶のダメ萌え少女、
「……」
貫通していないか確かめるのも怖いほどの痛撃が、僕の左足の甲に持続的に与えられてきとるぅぅぅぅぅ……ッ、僕はあれなの、サエさん以外の女性を、美的なモノを眺め愛でることすら出来んというのですかぁぁっぁぁ……つんとそっぽを向いたまま、踵から伸びるヒールの先をねじ込み続ける紫の女性に、今更ながら恐怖を植え付けられつつある僕がいる……
「やっ、こんな時と場合だけど、また会えて嬉しいなっ、ムロトくんっ」
「……」
そしてさらに、軽く声を投げかけてくれた、ボリューム感のある金髪を無造作に後ろでまとめたバタくさい欧米美女に、無言で妖艶な微笑を浮かべる黒髪ストレートの大陸的美女がいて。
ほんっと、こんなTPOじゃあなければなあ……ッ!! という魂の慟哭が出かかる自分を渾身の自制心で押し留めるのにかなりのエネルギーを要してしまわざるを得ない……ッ!!
ごりき、みたいな鈍い音が足の甲あたりから全身に衝撃を伝導させてくる。いかんいかんすぅッ!! 戦いが始まる前からぬぐえ切れないダメージがはぁ……ッ!!
あうあう、とままならない言葉をままならない口から漏れ出させながらも、ここにようやく、我らが「正義の七騎」が出揃ったのを確信するのであった……ッ!!
壱の騎馬:(上)初摩アヤ(前)瑞舞コニー
(右)瑞舞ミロ(左)瑞舞ルイ
弐の騎馬:(上)葉風院ミコト(前)ミリア=ファ・桜田
(右)有留セイナ(左)猫田ニアン
参の騎馬:(上)島=ワシントン大佐(前)メゴ=マコ
(右)リポッ=ニ(左)チマチ=カオ
肆の騎馬:(上)仙天山(前)忠村寺タツマ
(右)桂馬スミフセイ(左)レーゼ・炎道・ゴッドリーフ
伍の騎馬:(上)水窪ワカクサ(前)河南ジュン
(右)逢流タツヒコ(左)逢流(旧姓:覇武)ユズラン
陸の騎馬:(上)室戸ミサキ(前)藤堂ヨシヒデ(丸男)
(右)宗谷ツバサ(左)永佐久サエ
漆の騎馬:(上)アロナ=コ・ハカセ=タローネット(偽名)
(前)ガンフ・トゥーカンⅡ世(豆巻マルオ)
(右)ジョシュア・ジローネット(本名)
(左)ギナオア・シヨリヨォ(アオナギ)
うぅぅん、改めて並べられると、なしそげんとつけもなか……
……いや、ともかく、これで本当に出揃ったんだよぉッ!! そして遂に……戦いの幕が上がろうとしているのであった……(おそらく
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