♮236:破題ですけど(あるいは、ジャジメンタ/位相/コンチェット)
<ルールを説明いたします……>
僕らの逡巡やら何やらはいつも通り無視される運びで、対局者4名は有無を言わさずその「法廷」めいた「場」の左右それぞれの「壇」に分かれて座らされるわけで。
裁判官席に向かって、右側がワカクサさんサイノさん、左側が僕らということになる。黒檀の良い壇だけど、こういうとこにだけカネを使うよね……運営。
<『
実況少女の声はあれ? どこかで聞いたことがあるような……いや、そこは今は流しておこう。それよりもその内容説明が毎度毎度のことながら全っ然頭に入ってこないのだ↑が→。
<形式は『五番勝負』ッ!! 先に三勝を上げた側の勝利となります。そこは問題ないと思いますが>
そんな状況の中でも説明はつらつらと続く。諸々こういった「仕掛け」めいたことがうまいこと利用された記憶があまり無いのだけれど、ルールは大事だ。隙を見せたらすぐ絡め取ろうとしてくる輩たちでもあるし、と、僕は何か言いたげな左横に着席した翼を手で軽く制してその説明に耳を傾けるに徹する。
<全くのこちらの裁量で既に決めさせていただきましたが、『トゥルーチーム』を『ムロト&ソウヤ』ペアに、『フォースチーム』を『ミズクボ&サイノ』ペアに割り振らせていただきました……各チームにはそれぞれ『6枚』の『TFカード』が配られています……>
落ち着いてはいるが、その実、こちらに有無を言わさせないような口調。この
表をささっと確認していく僕。こういう戦いは情報をいかに整理して熟知していくかに限る。隣で呆けたような顔をしている翼に若干のイラつきを感じながらも、僕はその札を表にして、壇上にきちんと並べていく。そこには、
【T】【T】【T】【T☆】【F】【F★】
とのアルファベットと記号の飾り文字が。言うまでもないけど【T】はトゥルー、【F】はフォースだとして、【☆】【★】は何だ?
<『トゥルーチーム』は『真実のDEP』を放つことを前提としています。『フォースチーム』は反対に『虚偽のDEP』を。今回に限り、嘘発見器は発動しませんので、どうぞご存分に『虚偽DEP』を撃ち放ちください……>
うううん、ほんとに「DNC」の存在意義をも揺さぶるような前提なのだけれど、大丈夫なのだろうか……? 自分が心配することではまったくないものの、それだけに嫌な予感がぐぐぐと喉元までせり上がってくるような感覚がある。
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