♮235:燦然ですけど(あるいは、勝利だ!ジュマナイザーぁ↑3ィッ!!)
唐突に組み直され仕切り直された「新決勝」、その第一試合に配置された僕と翼……
仲間内での一騎討ち(タッグマッチだけど)が、今、まさに始まろうとしているのであった……ッ
会場設営とのことでいったんは控室まで引っ込められた僕らであったが、そこへ戻る途中に、ワカクサさんの方からも釘を刺されていたわけで。
―手加減、とか、勝ちを譲る、だのは絶対にナシの方向で。ここまで来たんなら、やるなら全力で、ね? 前戦で、体中の膿を全・毛穴から染み出させたような私だけど、どっこい、まだ吐き出せてない重い「玉」もあったりして、だからこっちからも全力で行く。姫様のこととか、主任のなんちゃらとか、
僕の左肩に、その華奢な指を置いたまま、多大なナニかを吹っ切ったかに見えるワカクサさんは、そんな引き込まれるような
言っている意味は……ちょうど50%しか分からなかったけど、僕だってもう肚は決めているんだ。「深淵」を……対局の場に立つ4人で掘り進む。勝ち負けはその結果の付随物に過ぎないとまで……僕は思っているわけであり。
20分ほどの休憩後、設営完了と、第一試合開始準備の旨がアナウンスされる。
「行くぜえ、兄弟」
リアル兄である人物からそのような声を掛けられるとは思ってなかった僕が、決意の一歩をずり滑ろうとするところをすんでで踏ん張るのを尻目に、やはり前より数段逞しくなった背中を晒しながら、翼がずいずいと通路を進んでいく。
機は熟した。あと僕に出来ることは、「格闘」絡みの云々に試合形式がならないことだけだよね……通路の終わりは四角い光で切り取られていて。
「……!!」
そこからグラウンドに一歩踏み出した僕らを、わざとらしいスポットライトと、観客の歓声が包み込む。そこには、
……法廷?
一見そんな感じを抱かせてくる「対局場」が、突貫で設置されていたわけで。テレビでよく見る「法廷」に似ているが、裁判官が座る中央席には巨大なモニターが鎮座しているだけだ。その両脇にはでも、検察側、弁護側がそれぞれ座るような壇と椅子が設けられている。椅子は各々二つ。
ということは……両チームの2名が分かれて座り、DEPを撃ち合うというような、割とオーソドックスな形式なのではと思われる。よかった……格闘とかその辺の要素が入り込む隙は無さそう……それだけで御の字……ッ!! 圧倒的御の字……ッ!!
戦う前から少し安堵してしまった僕だが、次の瞬間、その中央のモニターに映し出された文字……おそらくは試合形式なのだろうが……には相変わらず真顔で応対するしか他はできないわけで。
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うううううん……性懲りもなくまたそれ類いのことかよぅ……んんんんでもやるしかねへぇっ!!
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