♮185:排斥ですけど(あるいは、未来人間/承前承後)
とにもかくにも。
「……」
やってみないことには始まらないような様相を呈しているわけで。リング上で何と言うか戦意だか闘志だかを勝手に燃やしている傍らの翼を押し留めながら、僕もそのでんとした存在感を放つ「卓」の一辺につく。
<各自最初に『25,000点』相当の『点棒』が配布されます!! 最も評価ポイントの高かった対局者のDEPの出来によって『役』が決定され、それにより他3名から、『最高評価者』に点棒が支払われると、そういった仕組みです!!>
何と言うか麻雀側面が徐々に強まってきているように感じるのは僕だけだろうか。いや、それよりも「味方」からも点棒を巻き上げるという点に注意が必要なんじゃないだろうか。「0点」未満になったら……つまりトンだらどうなる?
<点棒の多寡が『ゼロ』を切った瞬間に、その対局者は失格となります。失格者を2名出したチームの敗退と、そこは何となく感覚で分かりますよね?>
実況少女はそんな押しつけがましさを徐々に出してきているけど、理で分かったことなんてこれまで一度も無かったから、まあそこはそう。感覚で分かってしまうのだけれど。同士討ち必至の状況に落とされるのであれば、必然、チームの片一方が「最高評価を得る」、つまりはアガり続けると、もう片一方をトバしてしまう。待てよ、「親」とか「子」もあるとかいうんじゃ……
<いちばん直近にアガった者が『親』の権利を持ち続けるというルールですっ!! 『親』は他の『子』にツモられると『2倍』の支払いが発生する反面、自らのアガリは『子』の『1.5倍』の点数となりますっ!! ほぼ麻雀と同じような感じですねっ!!>
と言うか、ほとんど同じな気がする。「ツモる」とか平気で用語を出してきているしね。いや、待て待て。
……チームの片一方が「親」の時にアガってしまうと、その「親」に2倍のダメージを与えてしまうことになる。相手チームの二人より先に、自チームが窮地に陥るという展開が、おそらく、少なからずあるはずだ。
であれば。交互にアガっていくというのがいちばん望ましいと思えるわけで。と、そんな風に思考を凝らしていく僕だったけど、これら諸々の要素が生かされる展開が果たしてあるのかと急に不安になっている自分も確かに感じている。そうだよねー、大体これ見よがしな細かいルール設定してる時に限って、大概な物理で殴る展開にいつの間にか陥っていること多々ありだからね……
<さらにッ!! 2枚3枚の『牌』の組み合わせによりッ!! 『牌役』もあるといった一発逆転のルールも取り揃えている……ッ!! 相手を完全にトバすまで、まったく気が抜けない怖ろしいルールなのだッ!!>
今回の実況少女のキャラはほんと掴めないな……とか思いながら、やべーどんどん複雑なルール盛りブッ込んでくるよ逆にやべーよ……みたいなことを真顔で考えているもう一方の自分を肌で感じている。
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