電車

あの頃 いつも

電車の夜をうつした窓を

よぎる街のあかり

瞳にやきつけて


同じ空の下にいるはずの

遠い遠い あなたを想っていた


こんなに猛スピードで

流れる星のように 移動していても

あなたの元へいくには

何時間もかかってしまうの


今 電車が向かうのは逆方向

私の家の方

私はあなたに会うためじゃなくて

家に帰るために 乗っているの


あなたに会えるのは いつなのかしら

次のお休みはいつになるの?


大丈夫、待てるわ

聖なる夜の鐘 たったひとりで聞いても

あなたと心は隣同士

夢見ていれば 怖くない


いつかはきっと 逆向きの電車に乗って

あなたに会いにいくから


白い息 張り詰めた空気に消えても

あなたと繋いだ手のひらの温もり

思い出していれば 寂しくない

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