第7話 考えない経営者ってどんなもんだよ

 どだい、君たちといったら、なっていないわけだ。


 壇上に立つなり社員一人一人が社長になったつもりで、なぞとぶつ。社長はおまえじゃないか、おまえは考えたくはないのか、社員が社長なら、おまえはなんなのだ。いらないのじゃないかと、私は思うわけだ。


 株主総会でのだらしなさといったら目も当てられないよ、厳しい質問で、ちびらないようにオムツつける馬鹿もいるというじゃないか、そんなヤツがえらそうにするんじゃない、自分で考えよ、責任だってとれ、昔の城主は腹を切ったが、おまえたちは真っ先に逃げをうつくせしやがって。


 なってない、と、私が思うのは、君たちの諸先輩方が、例えば、Sとかいう立派な会社を作った方がだよ、「愉快ゆかいにして闊達かったつなる会社を目指し」とか、あの貧乏くさい、というより、本当に貧乏で何にもない日本で言っていたのに、目先のカネだけ集めることばかり考えやがって。


 その癖に、「新たな考えのひとつもないのかね、君たちは」なんぞと言うから、私が新たな計略を語ったりすると、「世界に前例がない、そんなものは許さない」なぞと言い出す。前例がないから、やるんだろうが。阿呆かオマエは。二番煎じしてればいいと思ってるところが貧乏くさい。


 次は逃げることしか頭にない。そのくせ、一人前に、女共のいるキャバクラなる卑猥な飲食店にて、余計なカネ使って、そんな暇あるなら、自分で考えよ。


 目先のカネ集める目的も実に醜い、要するに株主から、キャッシュフローがとかいわれると、またちびってしまうから、ちびらないようにしてるだけだろ、この馬鹿者が。


 組織がカネためる理由なんて、一つだけだろうが、次に食えるネタに投資するために、カネあるかどうか、それが問われてるのに、おまえたちは、数字ゲームを披露するのに利用してる。悪党といってよい。


 悪党なら悪党らしく、堂々と言ったらどうだ、おれたちは考えないと、そう白状しろ、口先で言ってることと、やってることがまるで違うじゃないか。


 だいたいだ、人を会社なる組織に縛り付け、四六時中考えさせ、自分はどことやらの外国にご出張だ、無駄遣いしてるのはおまえだろうが、反省せよ。最近、若い女性が自死してからは、もう、責任回避したくてしかたがなくて、何が働き方改革だ。おまえの働き方こそ改革せよ。


 まずは脳みその改革も必要かもしれないが、多少の改造ではすまぬであろうから、ちっとは心を入れ替えよ。雑誌なんぞで持論を最もらしくぶってる場合か、おまえの部屋でそういうことをノートにでも書いておけ、卑劣なことばかり、自室で考えてるから、見栄ばかり張るようになるんだ。


 どこまで堕ちれば気が済むのか知れないが、諸外国殿の、会社なるものの長は、普段は雑誌に出てしゃあしゃあと持論をぶったりはしない。そんなことを君は知ってるだろうが、人の前に出て、自分の考えを、自分の口で、大衆に向かって言ってみよ。


 知ってるよ、考えてないから、言うことなんぞありはしないってね、ああ、モチロン知ってるわけだが、こういうのをみると皮肉の一つもいってやらねば、と私は思うわけだ。


 自分で起業したどこかの阿呆も、何が教育だ、まずはおまえの教育が必要だが、カネもってるんだから、自分でまともな教室にでも行け、能なしのくせして、運だけでのし上がりやがって、偉そうに人が死ぬまでこき使うか、この鬼畜きちくが。


 いやまったくもって、可哀想だと思うのは、そういう民間ではないが、北の方の政治家で、真面目で、いらいらをためながら、一生懸命考えて、精神が弱ってしまって、しまいには、酒びたりで、それでも頑張って、死んでしまった人とかだよ。


 そういう人が、ホントはえらくならなくちゃいけないのじゃないか、そう思うわけだが、どういうわけか馬鹿者がヘンテコな地位についてしまって、考えないは責任はとらないは、逃げるは、なにやってるんだ、昔ならとっくに牢にでもぶち込まれていたはずのことやって、まだしぶとく食い潰そうとしてるところは、もはや惨劇ではあるが、真実であって、実に汚らしい。


 汚らしいと、自分でおもってないとこがまた、さらに汚らしい。堂々と告白せよ、反省した言葉の一つでも述べよ、すみませんと。そうしたら、「世間」とやらの常識もかわるかもしれぬ。


 まったくもって、この文章書くのは疲れる、もういやだ。



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