第6話 大先生とやらに言いたい
私には、まだ言いたいことがある。
ヤメロと言われようが、この場で止めるものなぞいないわけで、まあこの文章もそれほど多くの人は見ていないだろうから、あえて言う。
私はいつも思うわけだ、あの大先生とやら、いや寛容な大先生なら私は別に構わない、あの
私が大先生「とやら」、というからには、私は大先生だとはちっとも思ってないわけで、そのあたりは勘違いしてもらっては困る。
ご自分の世界のことなら、やたらと深い砂漠の井戸みたいに掘り返してるくせに、他のこととなったら、無関心もいいところ、それでたまに蛸壺に入ったら、もうこいつの偉ぶるオカシナ姿が見られるわけだ。
君にはわからないだろうが、などとまずは、一言偉ぶってから、ご専門とやらをご披露なされ、ほかの分野のことなぞ知りもしないくせに馬鹿にする。
なんたる
それは、その、こんな小さな世界ではそうかもしれないし、君は第一人者かもしれないが、君の前で発表している人物の方がよほどいろんなことを知っていて、その一つの観点として、君の前で、自分なりの説を披露しているに過ぎない。それは君は蛸壺に引き込みたくて仕方がないし、取り巻きもいるだろうから、いったん、引き込んでしまえばそれこそタコ殴りに殴るわけだ。
まったくもって不遜であり卑怯であり、
もう少し勉強せよ、
役人をたぶらかし、何に使うんだか分からない研究費なるものを引っ張り出し、頑張ってる人物に罵声を浴びせ、お前それでも第一人者として人格的にどうかと思うよ。すこしは大人になれ、周りを知れ、思ったほどの大人物じゃないってことを自覚せよ。まるで、若い芽をつぶして歩いてる、畑荒らしみたいだよ、そう思わないのか。
自覚をすこしは持った方がいいのじゃあるまいか。お前の考えなんか、なかなか潰せないのは、その世界が狭すぎて、本当の大先生たちが注目しないからだよ、分かってるのか、いや分かってはおるまい。だいたい、君がそこまで、おんなじことをやってこれたのは、君を支えてくれた大人物や、周りの人たちのおかげだろうが、自覚せよ。
君が周りについて、無知だということは、君の原著なるものを見たときに思ったが、声に出していうことさえ、その蛸壺のなかではできないようになっている。妙な仕掛けばかり作りやがって、全くもってなってない。
じゃあ、他の人の声は、なんてことは、君の自負が許さないんだろう。私は実は知っているよ、君が自分は無知だと自覚しつつあり、ひそかに沈痛なる思いをしていることを。それはいいことかもしれない、少なくとも君にとっては。であるなら、あの不遜な態度をすぐさまやめよ、と私は言いたい。
ああ、こういう文章を書くのは自分にはあまりにも疲れすぎる、読んでいる方だっていやに違いないから今日はここまでにする。
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