第13話 アルベルゴ計画



ユイさんの機嫌が戻ったようなので、僕たちは森の散策へと向かいます。


散歩中にリスを見かけたては、テイムしようと、ユイさんは駆け出しては逃げられて、落ち込むを繰り返してます。


少し落ち着いた方が良いと思うのですが、これもこのゲームを楽しむ上でのスパイスなんでしょう。

テイム出来たときの喜びを味わう為のスパイス、といえば、それっぽいですけど、リスならアニマリートショップでも購入可能です。

簡単に購入出来ますけど、やっぱり苦労してテイムした方が思い入れが違って来るんだろうと思います。


アネラさんとマイさんの2人は、そのことに気付いてるでしょう。

おそらくはユイさんも…。

でも2人はユイさんのそんな姿を笑いながら見守ってるので、僕も黙して見守ってます。

野暮なことはしません、分かっていても口を出さずに孫を見守る祖父というポジションです。



しばらく森を散策してホームに戻ります。



森にはリスを始めエナガやキバシリと言った鳥類、猪に熊なetc、etcが生息してました。

あ、熊はリアル熊です。

それを見たユイさんが落ち込んでました。

でも、子熊を見つけたユイさんは目を輝かせて、テイムしようと駆け出し、親熊に阻まれ、回れ右して戻って来て落ち込む、という場面もありました。


行動は野生の熊も同じだと思います。

攻撃もされますが、ゲームなので死ぬことはありません。

痛みは無く、衝撃が襲って来て、数秒動けなくなり、その間に動物は逃げるという仕様です。


因みに、テイムしているアニマリートが攻撃されると死ぬことがあるそうです。

なので、念の為でしたが、森の散策にルリとウラナミを連れて来てません。

ホームでお留守番中です。

3人も同じでアニマリートを連れて来てません。

このゲームの仕様は何処か変ですよね……。




ホームに戻ってルリとウラナミとじゃれていたら、ポン太に「お手。」「お代わり。」と躾?をしていたアネラさんが……、


「訓練所を作ってみない?」

「訓練所?」

「そう、訓練所。お手とかお代わりとかを教えるの♪」

「駄目でしょ。」

「駄目かな?」

「駄目というか…それって、訓練じゃなくて躾じゃない?」

「そっか~、それならそれで。」

「それでって…このゲームって躾の必要があるの?トイレとかしない仕様だよね?」

「でもポン太がお手してくれない…。」

「ポン太は狸!犬じゃないから!」

「でも、さっきは…。」


最初に僕が見たお手は偶々だったんでしょうか?それとも餌が無いから…とか?


「訓練所は良い案。」

「ユイ⁉」

「だよね、だよね♪」

「訓練所じゃなくて、ペットホテルとか?」

「ホテル?…ああ、3日餌をあげなかったら死ぬって言ってたもんね。」

「うん。3日は短すぎる。」

「そうね…3日以上イン出来ない人も出て来ると思うからね…。」

「クラウドくんはどう思う?」

「良いんじゃないですか?確かに3日イン出来なくなることはあると思いますし、特に仕事をされてる人には多いかも知れませんね。」


「それなら、その方向でホームを買おう♪」

「まあ、クラウドくんのお陰で、5000Gを使わなくて済みそうだしね…試しに良いんじゃない?失敗しても、私達で使えば良いことだし。」


「それなら宿屋…ペットホテル…なんか在り来たり?何か良い名前ない?」

「え?アルベルゴ…とか?」

「何それ⁈なんか恰好良い感じ♪」

「アルベルゴはイタリア語で宿のことだったと思います。」

「イタリア!ソレデ、イキマショ~♪」

「なんですか?…何でカタコト?」

「えへへ♪イタリア語を意識してみた。」

「いや、それ、喋り方がカタコトなだけで、日本語ですからね。」

「気にしない、気にしない♪」


気にしないって…マイさんとユイさんに視線を向けると、2人とも笑顔で首を横に振ります。

あ、うん。言っても意味が無いってことですね、分かりました。

ツッコまないようにします。



「それじゃあ、アルベルゴ計画をここに宣言しま~す。」

宣言されちゃいましたよ…。




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MMP~もふパラ~ 眠り過ぎる猫 @k1978

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