第12話 ホームへ。
2匹に名前を付けて僕と3人娘はホームへ向かいます。
「そういえば、マイさん達のアニマリートに名前は付けてないんですか?」
「ん?付けてるよ。私のはエメちゃんっていうの。」
「エメちゃん?」
「緑だから…なんだけどね。」
「見たことない鳥ですよね?」
「そうだね、ステータスで見たら、カカポっていう鳥らしいんだけど、メンテ中に調べたらニューズーランド固有種で珍しい鳥なんだって。」
「はぁ~、そんな動物までこのゲームは居るんですね。」
「ドラゴンが居る世界だからね…ドラゴンって動物なのかな不明だけどね。
この子は成長したら60センチの3~4キロになるらしいから、今でもそれなりの大きさなんだけど、何時まで私の肩にいられるか…私が耐えられるのかの方が心配なんだよね…。」
「私のはポン太。タヌ吉と迷ったんだけどね、ポン太にしたの♪」
「ストレートですね。」
「ポン太はね…ネコ目イヌ科タヌキ属でこの子だけで3度おいしいんだよ♪」
「猫と犬と狸で3度…ですか?」
「そうそう♪」
何処が3度おいしいのか分かりませんが、アネラさんが嬉しそうなので良しとしときましょう。
小さい頃の孫を思い出します。変な所で喜ぶ当たりとか…。
「私のはモア。」
「モア…もしかして、アンゴルモアからですか?」
「よく分かった。この子がフレンチ・アンゴラだから、そこから。」
アンゴラからアンゴルモアへと、そこからモアですか…。
「皆さん色々名前を付けるのに考えてるんですね…。」
「まあね♪」
いや、ポン太は例外…まあいいや。
「そろそろ到着します。近づくとフィールドが変わると思います。」
ホームに到着してすぐに品評会が行われます。
当然500Gで購入した安い物件なので、3人が思ってるような立派なホームではありません。
ありませんけど…。
「うっわ、凄いね。」
「これが一番安いホーム…なんだよね?」
「ホームじゃなくて物置小屋?」
「もう少しお金貯めてから次のやつ購入しよう。」
「その方が…いいかな?」
「でも、アニマリートを増やすならホームが必要。」
「だよね~、なるっぱでホーム欲しいけど、これは…ちょっとね~。」
「ちょっと酷いですよ!で?なるっぱってなんですか?」
「あっ、ごめん、ごめん。なるっぱはね…なるべく手早くって感じ。」
「ごめんね♪クラウドくんが一緒の時は使わないように気を付けてるんだけどね。」
「ごめんなさい。」
「いえ、500Gですからね…僕も最初に見たときは「うっわ!」と思いましたよ。」
「だよね、だよね♪」
「でもクラウドくんは500Gだけど、これが5000Gなんだよね…。」
「これでアニマリートがどのくらい飼えるの?」
「説明では10匹だそうですよ。」
「これで10匹か~。」
「それでも2匹よりは…。」
「だよね…アニマリートって人から譲ってもらうことって出来たっけ?」
「出来たはずだよ?」
「それなら…。」
一斉に3人の視線が僕に集中しましたよ?
うん、今後の展開が読めました。
「「「クラウドくんお願い!」」」
はい。予想どおりです。
「別に良いですよ?でも…4人で10匹だと割り切れませんよ?」
「そうだよね~。」
「クラウドくんのホームだからクラウドくんが多いのは良いとして…。」
「それなら、クラウドくんは3で、私達は状況で残りの1枠を共有ということで。」
「それが良いかな?」
「だね~。そうしようか?」
「それでいいかな?」
「別に良いですよ?5000Gありますから、増築しようかとも考えてましたから。」
「あ、そっか、あの5000Gがあるんだった…。」
「レンタル料を払わないとだね。」
「そうだね。」
「いくらぐらい?」
「お金は別にいいですよ⁉」
「それだとね…。」
「そうだよね~。ゲームでもその辺はちゃんとしておかないとだね。」
「それなら…この場合っていくらぐらいが妥当なんでしょうね?」
「適正価格ってやつだね♪分かんない♪」
「分かんないって…。」
「その手の情報はまだ上がってないからね。」
「一番安いアニマリートで500Gだから…半額の250Gぐらい?」
「レンタルショップを基準にしてみたらどうですか?」
「それなら1週間200Gで。」
「そうですね、それじゃあその金額で。」
「もう一層のこと、このホームを共同で管理しちゃわない?」
「え?いくら何でも…ねぇ?」
「僕は別に構いませんけど…最大で100匹ですから4人で25匹しかテイム出来ませんよ?しかも100万G以上は必要でしょうから…。」
「アニマリートの方は、余裕が出来たら、もう一軒ホームを購入して増やしていけばいいんだよ♪」
「それも有だけど…指輪を合わせて27匹もアニマリートって必要なの?」
「必要!兎にリスにリスに兎に。出来れば熊。」
「熊⁉」
「うん♪でもリアル熊は遠慮したい。」
「リアル熊って…。」
「ユイは垂れ熊とか箱熊みたいな可愛い熊は好きだけど、リアルの熊は怖いから嫌いなんだよ。」
「そうなんですね。」
このゲーム、その手の動物はいないんじゃないかな?リアル熊…熊の子供ぐらいなら大丈夫か?でも育てばリアル熊…っと。
「あ~、うん。熊は兎も角、ユイは同種を大量に飼うんだね。私はそのんなに…4、5匹を可愛がりたいかな?」
「それも有。でも沢山可愛いのはむっは~♡ってなる。」
「気持ちは分かる。分かるけど…。」
「それなら4人で2万Gありますから、戻ってどれくらいの規模になるか確認してから決めましょうか。」
「ん~、それは明日にして、今日は少し森を散歩しようよ、ね?」
「そうですね、餌は育ってましたから、種植えて行きましょうか?」
「だね♪」
「あっ♡リス。」
ユイさんの顔が輝いてます。
今、ホームの屋根の上にリスが2匹ちょろちょろと動き回ってますね。
「テイムしたいけど…距離が問題。」
そう、テイム出来る距離はテイムレベルによって変わります。
レベル1で一応1メートル、レベル2で2メートルとレベルを1上げるごとに1メートルずつ距離が伸びます。
僕で現在3メートル、テイムレベルは最高レベルが10なので10メートルが最大になります。
動物によって違いますが、近づけば警戒、逃走するので、このテイムの距離はかなり大事になります。
なので罠等の捕獲道具が売られているという訳です。
現在ユイさん達はテイムレベル2、2メートルが範囲です。
ユイさんはそ~っとリスの方に近づきますが、5メートルぐらいで、動き回っていたリスが動きを止めこちらを警戒してます。
この距離は今の僕でも無理です。
レベル5にするにはTPがたぶん36000ポイント必要です。
何故36000ポイントなのかというとですね、
レベル2に必要なポイントは1000、次のレベル3は3000、レベル4が9000必要なので
次のレベルになるのに前回のポイントの3倍が必要になると僕は推測してます。
ユイさんが更に1歩近づいた瞬間にリスたちは逃げて行ってしまいました。
「残念…。」
心底ガッカリした表情をしてます。
こればかりは仕方ありません、その内テイム出来るようになります。
「さっき畑で出来た餌です、丁度5つありますから、アニマリートに食べさせて上がて下さい。」
そう言って、3人に1枚ずつさっき収穫したビスケットを1枚ずつ渡します。
「え?良いの?」
マイさんは遠慮しながらも「ありがとう。」といってくれて受け取り、エメちゃんの口元にビスケットを近づけて食べさせてます。
「ありがとう♪ポン太、お手。」
イヌ科だからってお手って…。
そう思ってたら、ポン太がアネラさんにお手をしてます。ビックリです。
このゲームどんな設定にしてるんでしょうか?
「あり、が…とう。」
ユイさんはリスのショックが抜けてないのか、ぎこちなくお礼を言って受け取って、モアに与えてます。
しばらくモアの食べる姿を眺めていたら、復活したようです。
モアの食べる姿を見ながら、顔がだらしなくとろけてますね…。
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