第6話 アナウンス
クラウドはじゃれていたパピヨンとお別れして街入り口に入ってすぐキョロキョロと辺りを見回してから、街の外に出ようとするが、次は見えない壁に邪魔されて外に出ることが出来ない。
「今度は外に出れないか…色々不備だらけなのか?取り敢えずギルドぶふぇ⁉」
とギルドに向かおうとして歩こうとすれば見えない壁に阻まれてギルドの方へ進めなくなっている。
「なんで?これ…大丈夫なんだろうか?」
不安になりながらも進める場所を手探りで探しながら少し進んで引き返そうとすると先程来た方向は見えない壁によって阻まれる。
「これは…嵌った?ヘルプ参照かな?」
ピムポムパムポ~ム♪
クラウドがヘルプを参照しようとしたら、何処か音程がおかしいお知らせ音が鳴り響き、
『これより30分後に緊急メンテナンスを行います。プレイヤーの皆さんにはご迷惑をおかけし申し訳ございません。』
『30分以内にログアウトすることをお願いします。』
『30分以内にログアウトされない場合は何が起こっても、当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
「何故そこだけ2度アナウンスする!」
『大事なことですので。』
「返答が返って来た⁉」
クラウドは返答が返って来たことに驚いて周囲を見回すが、特に反応を示した者は見当たらない。
このまま動けない状況とアナウンスを聞いてどうしたものかと考えながら、
フレンド欄を見てみると、先程の登録した女の子3人はまだログインしているようだった。
「さて…どうしようか…。」
『現在ログインされている方は116名です。
速やかなログアウトをお願いします。
ログアウトされない場合、
当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
「よっぽど大事な事なんだな…どんなアナウンスが流れるのか気になる。」
クラウドは好奇心でしばらくこの場に居ることを選択する。
8分後…
クラウドの下にフレンドメッセージが届く。
「私たちはこれからログアウトするけど、クラウドくんはまだログアウトしないの?」
とのマイからのメッセージであった。
「僕ももう少ししたらログアウトしますよ。」
クラウドが返事を送り返したら、
「分かった、またねノシ」
とすぐに返事を返してマイたちはログアウトしたようである。
その後直ぐに
『現在ログインされている方は14名です。
後20分以内でのログアウトお願いします、ログアウトされない場合、
当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
「もうそこまで少なくなってるのか…。」
クラウドが身動きできなくなってから、最初のアナウンスが流れて10分が過ぎたところで再びアナウンスが流れる。
更に10分後…
『現在ログインされている方は2名です。
後10分以内でのログアウトお願いします、ログアウトされない場合、
当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
「僕以外に後1人、アナウンスも同じか…。」
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
とその部分だけが繰り返しアナウンスされる。
「ちょ、怖い!そこだけ繰り返すの怖いから!」
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
『当方は一切の責任を負いかねますので御了承お願いします。』
「分かりました!ログアウトしますよ!」
クラウドの叫びに
『ご協力感謝致します。迅速なログアウトをお願いします。』
「また返答された⁉……後1人は誰だったんだろ?」
と思いながらクラウドはログアウトする…。
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