第5話 3人の女の子



パピヨンをテイムしながらじゃれていると、街の入口から兎、名前を知らない鳥、狸を連れた3人の女の子がこちらに向かって歩いて来る。

その内1人、名前が分からない鳥を肩に乗せている女の子がグラウドに声をかけて来る。


「ねえ、きみ。」

「え?」

「プレイヤーさんかな?」

「そうですけど…。」


クラウドは何故この女の子が子供に話しかけるような喋り方なのか疑問に思って

不思議に思っていると、今の自分の姿が10歳だったことを思い出す。


「楽しそうにじゃれてるけど、その子がきみのアニマリート?」

「アニマリート?」

「アニマリートはテイムした動物のことなんだけど…チュートリアルは終了してるんだよね?」

「え?さぁ?まだテイムした動物は持ってませんよ?」


「「「え?」」」


「チュートリアルって強制的に最後まで進んだよね?」

「私はそうだったけど?」

「だよね。」

「え~っとね、テイムの講習は受けた?」

「講習?」

「うん、なんか部屋に通されてテイムについて講義というか説明があったんだけど…。」

「いえ、講習は受けてません。」

「あれ?何で?」

「どうやって街の外に出られたの?チュートリアルが終わるまで街の外には出れなかったはずだけど…。」

「ホームに案内されて外に出ましたけど?」

「え⁉ホーム購入したの⁉」

「はい…駄目だったんですか?」

「あ、ごめんね。駄目って訳じゃなくてね、購入するのに結構な金額が必要だったでしょ?」

「結構な?500Gで物置小屋みなのを購入しましたけど?500Gって高かったんですか?」


「「「え?…。」」」


「何それ!」

「それ何処で購入できたの⁉」

「え?ミッションで最初のテイムを終わらせて、強制的に犬を買い取られた後、テイムをLv2にしたら受付さんから500Gで買いませんか?って言われましたけど…。」

「ああ…あれはきつかったよね。」

「だよね~、私は猫だったけど、懐いてくれて可愛かったのにギルドに戻ったら、強制的に没収されちゃったもんね。」

「私泣きました…。」

「文句を言ってもスルーされて進んじゃったもんね、あの受付の人嫌い。」

「仕様なんだろうけどね…ちょっとカチンときちゃったもんね。」


「それで講習って言うのは何ですか?」

「あ、ごめんね。テイムレベル上げたところなら…その後に卵のミッションがあって、孵化させてる間に次のミッション講習を受けようっていうのがあるの、そこでテイムが出来るようになるアイテムを取りに行かなきゃいけないんだけどね…。」

「あれ順番間違ってるよね、テイムした後に講習で、テイム出来るようになるアイテムだもん。」

「絶対おかしいよね。」

「ね~。」

「それならチュートリアルの続きをしないとですね。」


「うん、そうだね…私はマイって言う名前でプレイしてるから、良かったらフレンド登録しない?」

「あ、すいません。」

「マイがフラれた~♪」

「うっさい!そう…残念だけど…。」

「ごめんなさい、フレンド登録を断った訳じゃなくて、自己紹介してなかったことを謝ったんです。」

「あっ、そっち…。」

「わ…僕はクラウドという名前でプレイしてます、よろしくお願いします。」

クラウドはニッコリと笑って自己紹介をする。


「あ…うん♪よろしくね。」

「マイ、ズルい私はアネラでプレイしてるの、私ともフレンド登録しよ♪」

「私も…ユイでプレイしてる、よろしく。」

「はい、マイさんアネラさんにユイさんですね、こちらこそよろしくです♪」

「「「キャー♪」」」


見た目と性別が同じではないと知ってるとは思うんだけど…何だろ?

クラウドは不思議に思いながら、チュートリアルの続きをする為に3人とフレンド登録をして別れ、街へと入って行く。






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