第9話 暗闇

 魔力が切れかけていたので睡眠をとって回復させていた。

 おそらく5時間程寝ていただろう。俺は起き上がり、同じく寝ていたアクトを揺らして起こす。


「ふぁ~」

「さぁ準備しろ。暗闇に入るんだ。モンスターも活発に動いているかもしれない」


 俺は薄々気付いていたのだが、先程のサケビクジラはゲームで見たことがある。つまり、このロストホール最深部は現実世界と繋がっているのではないかと思った。しかし、今はアクトを送り届けるのが先だ。

 武器を装備して、ランタンをアクトに持たせて先を急ぐ。

 暗闇は辺りが全く見えないが、ランタンのおかげで足元位は見える。


「グオォォォォォオオオ!」


 鳴き声的に熊に近いモンスターだろう。周りに注意して進んでいくと、AR表示が現れた。


「前方にキラーベア。攻撃しだしたら俺が反撃する。アクトは後ろを頼む」

「りょ、了解」


 グオォォォォォオオオと言う鳴き声と共に、鋭い爪が襲ってくる。剣で弾いて真っ直ぐ突き刺す。それでは死ななかった為、引き抜いて斬撃を連続で食らわせる。赤い血がバシャバシャと辺りに散らかった。

 キラーベアが絶命すると、その匂いに誘われて多くのモンスターがやって来る。


「アクト!目をふさげ!」

「うん!」

「ライトプラズマ!」


 俺はとてつもない光を眩しく発光させた。暗かった場所は明るく照らされ、光に反応した太陽結晶は明るく輝いて、光を取りも出した。


「走るぞ!」

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