第14話 悪魔使いオジサンと初デート?(1)

僕は寝ないで考えた。

32歳独身魔法騎士と17歳街娘。

この二人を盛り上げるデートコースを考えるのは、敵要塞攻略作戦の立案より難しい。


やはり知的なルシャちゃんを喜ばすのは観劇…いや、大佐が爆睡するのは100パーセント確実だ。デカイから後ろの観客にも迷惑をかける。


おいしいものを食べ歩くのが無難なところか?

確かお祭やってたな。イベント系でウロウロして、二人それぞれ好きなものを食べ、ルシャちゃんにプレゼントを買い、早めに基地へ帰還。


こんな感じかな?


***



朝食の後、ジョイさんが声をかけてくれた。

「ルシャちゃん!今日は外へ遊びに行こうよ。気晴らしにね。」


「ジョイさん、ありがとうございます。

でも、遊びに行かなくていいから、一度教会に戻らせてください。

お給料も今までの分をください。」


「えぇーーーー!?」


「強欲なガキだ。」

イチがものすごく無愛想に言った。

ともかく朝は苦手なようで機嫌が悪い。


「本当にお給料をくださるか、怪しいですから。」

ちゃんとお金をもらって教会に届けたかった。

子供たちとシスターの様子も気になる。


「せっかくデートコースを考えたのに!」

ジョイさんは残念そうだけど、オジサンと遊びに行くなんてありえない。


「私、デートしたくありません!」


「俺だってしたくない!!」


***


結局、教会に少しだけ帰らせてもらえることになった。


でも普段着がほぼ戦闘服であるイチと手をつないで帰ったら…。

シスターたちの心臓が止まりかねない。


「イチさん、もう少しまともなカッコしてください。教会に行くのに戦闘服ではみんなビックリします。市民らしくしてください。」


「うーん、イチ大佐がどう頑張っても市民には見えませんね。」


「俺は善良な市民だ!」


「じゃぁ軍人でもいいですから、なんていうかシスターたちが安心しそうな…ジョイさんっぽい感じになりませんか?」


「そんな服持ってない。」


「じゃぁ買いに行きましょう!お買い物デートに変更!」


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