(6)
「それにねぇ、ミュゼット」
と、リゼットがニヤニヤしながら続ける。
「良く考えてみればミュゼットもユウト様も男なんだからあ、裸を見られても別に恥ずかしくないはずじゃない?」
「あのさぁ、好みの男を見つけたら見境なしのリゼット姉さまと一緒にしないでよ!」
ミュゼットがムスッとして言い返す。
「確かにボクの性別はオスだけど、心の中は年頃の女の子なの!」
「二人とも、慎みなさい! お客様の前で下品すぎますよ!」
ロゼットが長女らしく、二人をピシリと叱りつける。
「それと常日頃言っているように、私たち兄弟はたとえどのような姿かたちをしていてもあくまで男。そのことを決して忘れないようにしましょう」
え、私たち……?
――いやいや、何かの聞き間違いだよな……?
「ウフフフ」
リゼットが動揺する僕を見て笑う。
「ユウト様ったらぁ、ハトが豆鉄砲食らったフェイスですよ」
「え? え? え?」
「ミュゼットが男の娘だって知ったぐらいで腰抜かすんだったら、私たち兄弟のヒミツを知ったらユウト様気絶しちゃうかなぁ?」
と、リゼットはいたずらっぽく笑いながら、姉のロゼットの背後に回り込んだ。
そしてロゼットの黒いメイドスカートを両手で持つと――
「せーの。えいっ!!!」
一気にスカートを上の方までめくったのだった。
当然、ロゼットの下半身すべてが丸見えになってしまう。
「うわっ!!」
ビビッて叫ぶ僕の目に飛び込んできたのは、ロゼットの白くほっそりとした二本の美しい足。
純白のショーツとガーターベルトとストッキング。
そして――
ミュゼットや僕のモノとは比較にならないくらいな大きい股間のふくらみ、だったのだ。
「ま、まさか……」
「まさかもなにも、見たまんまですよぉ。特にロゼット姉さまのはサイズがアレなんで一目瞭然でしょう!」
リゼットは可笑しくてしょうがなそうに叫んだ。
「ち・な・み・に――私も!」
自分のメイドスカートをたくし上げようとするリゼットを、僕は必死に止めた。
「わ、分かりましたから! もういいです。どうか勘弁してください!」
「あらぁユウト様、“勘弁してください”なんて人聞きの悪い。むしろむしろ
リゼットはそう言ってから、ついにこらえきれなくなり、腹を抱えて笑い出した。
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