第十八話

 夜、週末へ突入する金曜日で客入りが多く忙しい時間帯だった。一週間の労をねぎらう客たち、その喧騒の合間を縫って酒や料理を運んで行く。時折呼び止められて伝票に品物のメモを取るが、忙しさが災いして走り書きになってしまう。それで注文した品と違うという事を一度ならず二度までも犯してしまっては、気分も段々落ち込んでくるのだった。そんな状況下で店の奥から一本の電話が鳴ってしまったものだから、ついつい電話口での口調も荒々しくなってしまった。

「〈六番外の海賊ムーンドッグ〉です。マカロニピザのデリバリーなら掛け間違いですよ、最後の数字が8なんです。うちは0。またの機会にどうぞ」

『それは申し訳ありませんな、こちらとしても急ぎの用で。先日そちらにお伺いしたラビリンスク市警のルスです。その節はどうも』

 電話の主はこの間やって来た警部の名前を口にした。その途端、忙しさで熱くなっていた頭と体が急速に冷えていく感覚がした。警察とはこれ以上関わり合いたくなかった。ブルガーコフが殺害されてしまった以上、彼らが登場する時は決まって悪い報せを持ってくるに違いない。知る筈の無い事情を尋ねに来る時、知りたくもない情報を伝えに来る時、そして人が死んだ時だ。

「営業中なんです」

『失敬。実はあなたのご友人のスラーヴァさんについてなのですが』

「スラーヴァ?」

『ええ、スラーヴァさんです。一昨日未明、宿屋の部屋の中で死体で発見されましてね』

 やはり、悪い予感は的中した。だがそうなると犯人はやはりヴィズドムィになるのだろう、その予想が私を浮遊した感覚から舞い戻らせた。一昨日は私が定休日を使って彼の店へと訪問した次の日だった。いつものセットを注文して少々の会話を挟んだ後、ブルガーコフの死について話した。当然ながらその時の彼は生きていた。

「まさかスラーヴァまでも……彼は一体どうしたんですか」

『それもお伝えしなければなりません。セルゲイさん、閉店後そちらに伺うので、またお話を聞いてもよろしいですか』

「ええ、もちろんです」

『ご友人を立て続けに亡くされて心中穏やかではないかもしれません。ですがひとつよろしくお願いしますよ。では後ほど』

 手短な会話だったが言わんとする事は充分過ぎるほど伝わってきた。スラーヴァは何者かに殺害されその被疑者を警察は探している。つまり、お前に目星を付けてるから逃げようなどと思うなよ、という言外の圧力だ。拘留中のボリスに第二の殺人を犯せる訳が無く、二人の共通の友人、そして彼らを殺した被疑者として私の名前が浮上する事態は考えるまでもなく自明だ。だが、私が犯人でない事もまた自明なのだ。〈味彩軒〉から帰宅してから外出はしなかった。その次の日は通常通り開店し、来店客の対応もした。日中の空いた時間帯では材料として注文していた豆の宅配にも対応した。だから私が応対した彼らに当たれば犯行日とされる日の私の証拠は充分に立証できる。何よりスラーヴァを手に掛ける理由も動機も何一つ持ち合わせてはいなかった。

 考えられるのはヴィズドムィ、あいつだけだ。フェリクスの名を訊ねた時に刑事たちが惚けたのは決して私を揶揄うためではなかった。刑事たちはホームレス男の存在を怪しむ事すらせず、ましてやフェリクスの名を捜査線上に上げる事もしていない。そしてこの件について第三者とも言えるであろう彼のような存在をつゆとも疑おうとしていない。ヴィズドムィは「街で噂の名無しのホームレス」として知られているに過ぎないのだ。ブルガーコフが殺害された日から私の店に一向に現れないのは不可解な事実の一つだが、彼は私が早々に犯人だと見越してやって来ないのだろうか。

 そこで、しばし鳴っていなかった店のベルが鳴り来店を告げた。電話から離れ表へ出ると「ヴィズドムィ」扉の前に立ち尽くし襤褸を纏ったその姿に思わずその響きが漏れた。取り繕うように「フェリクス、どこで何をしてた。心配だったんだ」と驚いたふりをして彼に近付いた。

 雪混じりの雨が降っていたのだろう。彼のコートの肩口はしとどに濡れ、みぞれ状のそれが僅かに積もっていた。手で払った彼は暖炉に近いカウンター席の端の所を陣取った。周囲の客たちが好奇の目を向けながら声を潜めて話していた。私は素知らぬふうにして彼に注文を取った。

「外は寒かったろう。今日は気分がいいんだ。何でも奢ってやろうと思うが何がいい」

 気分などいい訳が無かった。しかし、ここでの彼に対しては一介の友人として、また客として振舞わなければならなかった。そしてそれは彼も同様だ。ヴィズドムィはここでは街で噂のホームレスとして振舞わなければならないのだ。

 彼は寒さに顔を顰め、体を縮こませながら言った。

「いや、安酒でいい。ただ我儘を言わせてもらうとかんにしてくれないか。ここの冬も雪も慣れやしなくてよ」

 私は言われた通りグリューワインを作り彼の前に差し出した。グラスを両手で包み込み、しばし冷たさに強ばった平を温めた。そのまま両手で口まで運ぶと彼は小さく一口を含んだ。細い溜め息で体の強張りも幾分和らいでいくのが見て取れる。一見すると一連の動作に不自然さは感じられなかった。確かに彼が犯人だと完全に断定できている訳ではないが、気を抜いてもいられないだろう。もしかすると、次に殺されるのは私かもしれないのだから。

「そういやこの時間に来るのは初めてだな」

「いつもは開店してすぐとか、閉店間際で人がいない時だった。それにしても何故一週間以上来なかったんだ。病気にでも罹って臥せているのかと思った」

 するとヴィズドムィはグラスを強く握りながら徐々に口元を震わせた。そしてしまいには大粒の涙を流し、声も無く泣き始めたのだった。

「大丈夫か」

「いや、何でもない。ただちょっと悪夢を見たんだ。酷い夢を」

「話せば楽になるかもしれない」

 そう言うとヴィズドムィはそうしてワインを一気に飲み下し、コートの袖で濡れた顔を拭った。着古して固くなってしまった繊維で強く拭ったせいか、その顔は擦り剥け赤くなってしまっていた。

「なに、悪夢ってのはこいつの事さ」

 ヴィズドムィは他の客に見えないように腹の辺りを慎重にたくし上げた。けた腹部には右のあばらから臍の辺りにかけて傷跡が這っていた。余りにも生々しく巨大なその傷跡は、何が原因で残ったものなのか皆目見当も付かなかった。

「前に話したろ。あの一件で国内は相当荒れた。色んなとこで刃傷沙汰やら発砲事件やら起きたんだ。平和な国であんな事が起きるもんなんだってみんなビビっちまった」

「つまり、その傷は」

 彼は口角を皮肉げに上げた。レゾンスキーによる自爆テロ未遂で一度は避けられた運命は数年後、別の爆破テロ事件によって精算されたらしい。民間人の死傷者は多数、警官仲間も帰らぬ人が出たその無差別爆破テロによって、爆弾を抱え込むようにして周囲の人々を守った彼は一命を取り留めたものの、一生癒えぬ傷を負ってしまった。

 確かにR国はレゾンスキーの自爆テロ未遂事件によって国内情勢が極端に不安定化していった過去がある。だがそれはあくまで内情としての問題だった。Я国間との緊張がそれによって増幅していた訳では無かった。つまるところ、それはアストリッド女史の言っていたスパイによるものだったのだろう。R国の内側から併合へと導こうとする一派の存在に違いない。

「煙と土埃の切れ間から、結婚指輪を嵌めた指とか、ピアスの付いた耳の切れ端とか、あと破れた腹から、昼飯だったのかな。ピロシキが溶けかかってたのとか……ああ、それはおれが食ったんだっけ……とにかく色々なもんが見えたんだ。あの時の出来事は忘れたいんだ。でも何度も夢に出て来る、その度に参って」

 私はそれに何も言わず上等なスコッチを取り出してグラスに注ぎ彼の前に差し出した。彼もまた何も言わず受け取り一気に飲み下した。そして空のグラスをしげしげと眺めてから私を見た。

「へへ……話に華あ持たせるためかい」

「そういう訳ではないが」ヴィズドムィを饒舌にさせるには酒の力に頼るのが一番だ。それに閉店後まで居座ってあの刑事たちが来てしまっては警戒されてしまう。好きなだけ喋らせて情報を得たら、適当に言い繕って早々に出て行ってもらうのが得策だと分かっていた。「閉店まで好きなだけ飲むといい。その様子だと満足に眠る事もできていないんだろう」

 彼はしたり顔をするとグラスを突き出して多めに注ぐよう言った。友人ふたりの命に比べたら数万円の酒など安いくらいの代償だった。彼はまた一杯を勢いよく飲み干し、弱々しい声で再び語り始めた。

「みんなビビっちまってた、それはおれも同じさ。起きたら全身包帯でぐるぐる巻き、ちっと動かすだけで気絶するほど痛い。それですっかり肝を冷やして、入院中に警官を辞める署名をしたんだ。一文字一文字、文字通り気が遠くなるような作業だったな、あれは」

 それからヴィズドムィはいつ退院できるとも分からない時間を過ごした。肋から腹部にかけて負った裂傷は完治に三ヶ月、胃袋は全摘出され食道と小腸がひと繋ぎになってしまった。他に重度の火傷や骨折も含めて数回の手術が必要で、全治には半年以上掛かると医師から告げられた。それもまた途方の無い月日だと彼は思った。ベッドの上で身じろぎひとつ取れず、窓枠を通りすがる太陽や月や雲を見送るだけの時間など彼は経験した事が無かった。徹底的に破天荒でそれが功を奏し警察官としても名を上げた彼にとって、それを思いもしなかった負の感情によって自ら手放す事になろうとはつゆとも思っていなかった。そうして二ヶ月はただただ事件に巻き込まれた瞬間を再生する悪夢にうなされ、目が覚めては痛みと自責の念に苛まれる毎日を送っていった。

 陰鬱とした日常に転機が訪れたのは些細な出来事がきっかけだった。いつものように悪夢によって定まらない時分に飛び起きた彼は、窓際にガラスのフラワーベースが置かれているのを見つけた。紫色の花の房がたおやかに項垂れ甘く安らぐ香気を放ち月明かりに佇むその花を彼は見た事が無く、また誰が置いていったものなのかも分からなかった。兄弟に花を愛でる人はいなかったからその人たちではない。ささやかな興味を持ちつつしばらくして香りに平静を取り戻した彼は、落ちていくように眠りに着いた。

 次に目覚めたのは抗生剤を投与するために来た看護士が彼を起こした時だった。ヴィズドムィは看護士に訊ねた。あの花は誰が持ってきたものなのか──それは当院非常勤のセラピストがテロに巻き込まれた患者へ向けて慰安で持って来たものです──看護士は答えた。彼が運び込まれたのはゼィルヴィル国立病院という名前だった。R国内随一の高度な医療を施すその病院に運び込まれたテロ被害者は数百人以上に上った。負傷度が特に酷い人たちから運び込まれたが、病室に対し患者超過のため数十人以上が他の病院への収容となった。その中でヴィズドムィは重傷病者として運ばれたものの驚異的な生命力により一般病棟へと移され、一般病棟に入院する事になったテロ被害者に贈られたのがその花という訳だった。花を贈られてからというもの、彼は悪夢を日に日に見なくなっていった。ヴィズドムィは花の贈り主にお礼が言いたいと思った。運命の出会いは、そのさらに一ヶ月後に訪れた。

 花の香りのおかげで安心して寝入る事ができた彼は悪夢からすっかり立ち直る事ができた。不安定だった睡眠時間も平常を取り戻しつつあり、食欲も回復、見舞いや介護のために病室に来る兄弟や看護士たちに茶々を入れられるまでに生気を取り戻していた。ある日、兄弟たちが帰ってからヴィズドムィはふと窓際を見た。ガラスのフラワーベースに差されていた紫色の花はすっかり枯れてしまい、もうずっと前に処分してから見舞いとして持ち込まれる花束の幾輪かを差して目の保養にしていた。そんな折、彼の病棟に一人の人影が近付いてきた。遮蔽カーテンの向こう側でスカートのようなシルエットをゆらゆらさせるその姿に、彼は不審感を抱いて言った。「誰だ?」

 その人影はびっくりしたように肩を震わせた。「ごめんなさい。起こしてしまいましたか?」

「いや、起きてたよ」どうやら影の主は女性らしい。彼女は恐る恐るカーテンを捲り顔を覗かせた。長い黒髪を肩口から自然と垂らしたその姿は紫色の花房と同様たおやかで、しかも花の良い香りがした。手にはあの花を持っていた。「もしかして紫の花をくれたのはあんたか」

 女性は言った。「覚えてらっしゃったんですか」彼女はそう言いながら手に持っていた花をフラワーベースに差した。心なしか花の香りが一層増したように感じられた。「お辛い思いをされた患者さんに不定期で花の差し入れを持って来てるんです。お気に障ったなら申し訳ありません」

「いやいや、その花のおかげで心が落ち着いてよく眠れたんだ。むしろ感謝したいと思ってた。その花、何て言うんだい?」

「ウィステリアと言います」

 そこで彼女は何かに気付いたように目を軽く見開くと、次には申し訳無さそうに呟いた。「わたしったら、花の名前を先に紹介してしまうなんて。失礼致しました。わたしの名前はヤナと言います」

「ああ悪かった、おれも自己紹介を……」

「存じております。身を呈して爆弾からみんなを守った英雄だと新聞にもテレビにも大きく取り上げられていましたから」

「そんなに有名になっちまったんだな。実感無いが」

「ここに来てからずっとベッドの上ですもの。それに、警察がメディアの病院への立ち入りを禁止しているので仕方無いかと」

 そう言ってヤナは小さく笑んで窓際に花を戻した。その場面を想像して私は背筋に嫌な汗が伝うのを感じた。彼女の名前をヴィズドムィが知っている。「どう? 驚いた?」

 突然聴こえてきた彼女の声に心臓が飛び跳ねて思わずそちらを向いて後ずさる。だがそこには何もいなかった。目を向けたカウンター奥には段ボール箱が幾つか積み上げられているばかりだった。ヴィズドムィの不審げな声が横から聴こえた。「突然どうした、セルゲイ?」

「何でも無い。虫が飛んでいてどこかに行ったみたいだ。飲食店で虫なんてまかりならないから気になって」

「なるほど、そいつは」

 咄嗟に吐いた嘘にヴィズドムィは呵呵かかと笑った。それでな、と彼は何事も無かったように話を続けた。

 それからヤナは彼の元にしばしば花を持ってやって来るようになった。代わる代わる違う花を持って来る彼女に彼は訊ねた。花屋でもしてんのか、すると彼女は、大叔父が植物学者で、とはにかんだように答えた、この国に知らない人はいないくらいなんですよ、と。そうして出会うたび、彼は彼女の不思議な雰囲気とあどけない性格に段々と惹かれていった。最初は昼間の面会時間だけだったが、一ヶ月もそうしていると知り合いとして認識されるようになり、二ヶ月後には友人に、退院を目前に控えた頃に二人の逢瀬は兄弟にも知られる処となり、やがて互いに男女としての関係を意識するようになった。二人は退院を機に周囲に婚約の話を切り出した。

 そんな話をすっかり機嫌の取り戻したヴィズドムィが続けるものだから、さすがの私も呆れてしまっていた。

「最初の濡れた猫みたいな姿とは大違いだ」

「いや、悪夢は忘れたいだろ。楽しい話をするのも悪くない、だろ?」

「確かにそうだが」

 そんな筈は無い。呆れていると同時に、相変わらず私の背中には気持ちの悪い汗が伝っていた。ヴィズドムィが過去に彼女と関係を持っていた事もそうだが、何より悪夢を見るという話の筋で彼女の話を持ち出してくるのは明らかにおかしかった。あれ程までに深刻な表情をして涙すら流していた非力な男が酒の力だけでこんなに上機嫌になってしまうのは、やはり、どこかしら頭がおかしいか演技でなければ辻褄が合わない。私は、恐ろしい人間を相手にしているのではないか。

 それに、そうだとしても彼女は──。

「なあセルゲイ、聞いてるか」

「あ、ああ」

「さっきからどうした。虫見てびびったり、ぼーっとしたりして」

「済まない。私も最近は疲れていて」

「ん、そうかい。なあ酒、もう一杯くれよ。強いのもう一杯くれたら今日はもう帰るからさ」

 つっても帰る場所なんて無いんだがね、と彼は空のグラスを中空で力無く振りながら付け足した。時計を見ると時刻は二三時を過ぎようとしていた。いつの間にか店内の客も一組が残るばかりになっており、各テーブルには空のグラスや食べかけの料理が残されたままになっていた。残っていた客の一人が私の様子に気づき言った。

 あんたが呼んでも来ないから怒って殆ど帰っちゃったよ、全く堪え性が無いねえ。でも勘定置いてってるだけありがてえか。俺も今日は帰るよ。また来るから安心しなよ。じゃあな。

「悪りいな、おれの話に付き合わせちまって」

「いや……いいさ。おかげで出せるものもある」

 私は彼の要求通り強い酒を店の奥から持って来た。ドンフリオのレアル、客がすっかりいなくなった店内でなければ出せない高級品だった。案の定、驚きと輝きの目でヴィズドムィは酒に釘付けになった。

「そんなお高えの、おれあ飲めねえよ」

「いいんだ。飲んでくれ。よしみだよ」

 よもやこの男に店でも最高級品のひとつの酒を開ける事になろうとは思っていなかった。だが、この男からはもっと多くの話を聞き出しておきたい。ともすれば彼の目的は仲間や私の殺害ではなくもっと別の部分にあるのかもしれなかった。でなければ、こんな話はしないのだから。

 グラスになみなみと注がれたテキーラが彼の喉へと吸い込まれた。恍惚とした表情で気持ち良さそうに溜め息を吐く彼は「ごちそうさん、ありがとよ」満足げに立ち上がった。出入り口への振り向きざま、私は彼を呼び止めた。

「フェリクス」

「ん」

「来週の月曜日、次の定休日だ。私の店に来てくれないか」

 ヴィズドムィはあからさまに訝しむ表情で聞き返した。「なんでえ」

「フェリクスが良ければだが」その毛むくじゃらのベールを取り除いて彼の顔を白日の下に曝してやる。この男は何者だ。「店の二階を一日だけ理髪店として開店してやろうと思ってね。オープン記念で先着一名、無料理髪キャンペーンを実施する予定だ」

 彼は伸びきった顎髭を触りながら変わらぬ白い歯を見せた。「いいのか、そりゃ嬉しいな。こいつもいい加減うっとおしくなってきてたんだ。朝一で来るぜ、頼むよ」

 出入り口のベルを盛大に鳴らし彼は上機嫌な様子で店を後にした。

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