章末次回予告 第一章『南方次元流通拠点都市ミナウス』

 ピンポンパンポーン(アナウンス音・開)


 本次回予告は章末次回予告につき本編主人公の【次回予告】スキルには収録されません。

 今回も特別ゲストを……同じ人なんであまり特別感がないですがお招きしてお送りします。

 また、次回予告のみでお送りする為、本編と文体が異なる場合があります。

 ご了承ください。


 ピンポンパンポーン(アナウンス音・閉)




キーナ

 やっほー! 好奇神キーナ・ルーだよ!

 今回も本編主人公のソラを呼んで次回予告をしていくよ! えい!


効果音

 キラキラと星が流れるイメージの音からの煙がボンッと湧く音


ソラ

 うわ!? 何処だ此処? あ、お前は……お前は……よっちゃん?


キーナ

 違うよ!? おっかしいな〜前回の記憶が残ってないのかな? バグっちゃってるのかな。


ソラ

 で、誰? あ、モジヨムン様!

 加護ありがとうございます! 文字覚えるのにかなり役立ちました。


キーナ

 カンペ出してるヨムンが分かるなら、僕の事も分かっていいはずなのに……


ソラ

 うん?


キーナ

 ……特典映像。


ソラ

 あー、見たの半年近く前だからな。

 覚えてない。いや、待てもう一人……もう一柱映ってたな。確か名前が……名前が……思い出せない……


キーナ

 キーナ。キーナ・ルー。

 僕だよ……


ソラ

 あ……うん。その、ごめん?

 よし、次回! 南方——


キーナ

 って、待ったぁぁぁ!!

 勝手に締めようとしないで!?

 数少ない僕の出番なんだから!


ソラ

 だってカンペに……

 あれ? なんか似たやり取りをしたような気が……いや、気のせいだな。


キーナ

 いや、したよ!?

 似たようなってか、ほぼ同じやり取りをしたからね!? 


ソラ

 ——……ん〜あ、思い出したキーなんとか。


キーナ

 キーナ! キーナ・ルー! んとか、が要らない!


ソラ

 そうか、キーナ・ルーだな。覚えた。

 よし、そんなわけで次回南——


キーナ

 だから、待てぃ!

 茶々っと終わらそうとしないで!

 章末なんだから少しくらい振り返った話をしようよ。あと、絶対覚える気無いよね?


ソラ

 え、でもカンペに……


キーナ

 ヨムンはさっさと終わらせて地球のネット小説を読みたいだけだから無視して。


ソラ

 ネット小説読んでんだ。


キーナ

 書籍は入手手段が無いからね。僕らがアクセスできるのはネットだけだし。


ソラ

 カンペ放っぽり出して読み始めた分厚い本は違うのか?


キーナ

 その辺は特典映像で触れたと思うんだけど、あれはキーナの神器だよ。地球のネットにも繋がる本型のタブレットPCみたいなモノとでも思っておけば良いよ。いつもあれでネットサーフィンしてるから。


ソラ

 へ〜。


キーナ

 興味無さそうだね。まぁいいや。

 じゃあトラッヘンで過ごした日々を振り返って何かない?


ソラ

 いや、質問漠然としすぎだろ。

 直近だと……ライドラの密林の事を思い返すと体がふ、震っ、震えええて、く、く——


キーナ

 よーし、その話題は止めようか! その一つ前、命恵の森で気になる事はあったかな?


ソラ

 あ、ああ。命恵の森で気になる事か。

 気になる……

 気にな……る?

 あ、キーナの名前の由来って——


キーナ

 うん、ほぼ正解だけど一旦置いとこうか。

 

ソラ

 う〜ん……あ、そうだ。


キーナ

 何かな?


ソラ

 命恵の森での最終戦、俺が戦った香草狼牛ハーヴルフ風の魔物ってか化物がいたじゃん? あれって何だったのかなって。

 

ヨムン

 アレは『侵スモノインヴェルフ

 香草狼牛の成れの果て。

 体表が香草に覆われた後、植物化が身体全体へと広がるのが香草狼牛の生態。

 香草狼牛に生える香草は高品質。それ故に共喰いが起こりやすく、同族に食われない為に香草を育てるようになったとされる。しかし自身が育てた香草より自身に生える香草の方が質が良く、体表が全て香草に覆われる前に同族に生える香草を食べられてしまうので全身が香草に覆われるに至る事は極々稀。

 ただし、ミントのように生命力の逞しい香草を偏食する種は別。その香草の生命力故に体表の植物化侵食が早く、その生命力由来の特性を獲得して繁殖力が著しく高い。その為、香草狼牛のミント種は特殊災害指定魔物とされる。

 見かけたら即、狩るべし。


キーナ

 いきなりだね、ヨムン。


ヨムン

 ん。解説は私の担当。

 キーナの担当は賑やかし。


キーナ

 いやいや、担当は進行だよ!?


ヨムン

 補足。

 香草狼牛ミント種が特殊災害指定魔物なのは余り知られていないが故に起きた事態。

 駆逐せずに放置しておくと命恵の森そのものが『侵スモノ』となり、食糧危機に陥っていたトラッヘンに致命的な事態を発生させた可能性が高い。


キーナ

 よし、他の話題にしよう!

 結婚おめでとう!


ソラ

 いや、急だな。それにまだ婚約だから。


キーナ

 遅いか早いかの問題だから良いんだよ。

 お嫁さんが二人に、子種が欲しい娘が多数とか……そのうち刺されるんじゃないかな。


ソラ

 怖い事言うなよ。

 あ、トラッヘンは関係無いんだけど気になってた事があった。


キーナ

 何かな!? 何かな!?


ソラ

 【次回予告】スキルにちっとも『次回予告』が追加されない件について。


キーナ

 あ〜、それ聞いちゃう?


ソラ

 聞けるのなら。


キーナ

 本来なら君は轢かれずにティアナちゃんと出会うはずだつたんだよ。そうなればトントン拍子でティアナちゃんと旅に出る事になってウナちゃんと会うのはずっと先になる予定だったらしいんだよね。


ソラ

 えっと……つまり?


キーナ

 君が初っ端から想定外の行動を起こした結果【次回予告】スキルが動作不良を起こした感じかな?


ソラ

 え゛……スキルって動作不良起こすの!?


キーナ

 いや起こさないよ。ただ【次回予告】スキルは事情が特殊でね。これ以上は深刻なネタバレになるかもしれないから言えないかな〜。


ソラ

 なにそれ、すっごい気になるんですけど。


キーナ

 ふふん。僕は好奇神だからね。


ソラ

 あ、これ言う気無いな。

 そういや、次回予告って言えば漫画の巻末とかにある偽次回予告とか好きだったな。某やり込み系ゲームの破茶滅茶な次回予告とかも。


キーナ

 やってあげようか?


ソラ

 良いの!? 頼むわ。


キーナ

 おほん。

 あーあーボイステス、ボイステス。よし!

「え!? 悪の組織『イエスタデイ』 最後の幹部の正体は憧れのあの人だったの!?

 どうしよう私、戦えない。

 ううんダメよ、地球の未来は私達の手に託されてるんだから! 

 繰り返される時の中で私、明日香だけが辿り着いた真実。この真実が有れば繰り返される時の牢獄を打ち破れるかもしれない。でも、そうすると幸せなこの時間は消え去ってしまう。

 

 次回

 未来少女フューチャー・レディー

 第三十八話

 『お隣のお兄さんは敵幹部!?』」


 ふぅ……どうだ!


ソラ

 あ〜ネタバレ系次回予告か、ネタとして挟むのなら俺的にはアリかな。


キーナ

 どうだい、好奇神の力は!


ソラ

 さて、そろそろ次回予告をしてしまおう。

 次回——


キーナ

 待って待って待って! 無視しないで!?


ソラ

 つっても、そろそろ締める時間だぜ?


キーナ

 分かってるよ。

 僕が次回予告するから、その後に次回予告のタイトルを読み上げてくれる?


ソラ

 了解。


キーナ

 はい、これカンペ。じゃあいくよ。


「ようやく……ようやく、トラッヘンを旅立つ主人公一行。

 一行が向かうは大海域マリン・グランデ大空域スカイ・グランデとの特殊な流通がある南方次元流通拠点都市ミナウス。

 一行には多くの出会いがある事だろう。

 主人公は新たなスキルを、武器を手に入れる事になる。

 だが、旅は常に順風満帆であるはずはない。

 予期せぬ遭遇、事件にも巻き込まれる。

 一行はそれを乗り越えて行かねばならない。

 

 【次回予告】が見せる未来。

 彼らの瞳に映る未来は一体何を告げるのか」


 最後は三人で締めるよ!

 せ〜の!


ソラ&キーナ&ヨムン

 次回!

 第一章『南方次元流通拠点都市ミナウス』








効果音

 紙をめくる音


ソラ

 へ〜、この後がプロローグに繋がるのか。


キーナ

 あ、ちょっとまだ回ってるから!


ソラ

 え?

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