コックリさん

 昨日から、コロナについて書き、コロナのニュースを見て、コロナの番組を見ていたら、さすがにもうウンザリしてきた。

 というわけで、ちよっと違った話を書こうと思う。


 コックリさんという遊び(?)をご存知の方は多いだろう。私も中学生くらいの時、よくやった記憶がある。

 B4くらいの画用紙にあいうえお、から、わをん、までを丸く、画用紙の中心を囲むように書き、中心に10円玉を置いてその上に2人以上で人さし指を置くと、10円玉が勝手に動き出して言葉を紡ぐ、というものだ。


 大抵は皆が適当に力を入れて10円玉を動かしていたのだと思うのだが、一度だけ不思議なことがあった。


 どういうわけか、W君と2人だけでコックリさんをやった時のことである。

 私は人さし指に力を入れ、10円玉を適当に動かそうとしたが、全く思う通りに動かず、10円玉は勝手な方へ行って勝手な平仮名の上で止まる。私はW君が動かしてるのだと内心思ったが、それにしては何て指の力が強いんだろうと驚いていた。そもそもW君は体も小柄で、私より腕相撲もずっと弱い。

 10円玉は、き、た、き、ゆ、と私の思ってもいないところで止まり、次第にそれが言葉になっていき、結局「きたきゅうしゆう ばくはつ」となった。

「北九州、爆発?かな? なんだろね」


 私とW君は何を気にするでもなく、それで遊びは一段落した。


 問題はその晩のことである。

 その日の夕方、北九州市の駅のコインロッカーに仕掛けられた爆弾が爆発し、けが人も出たというニュースを聞いた時、「えっ?」と思ったのは言うまでもない。ちょっとゾッとしてしまったのである。

 勿論W君とは翌日、その話題でしばらくは止まらなかった。コックリさんって、本当にあるんだね、と。


 読者の方々はこの話をどう思われるだろうか?

 私は未だに、この世には人知で計り知れない不思議なことがあるのだと思っている次第なのだ。

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