最強への第一歩



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    名前 レイ (16) 村人 レベル 1


   HP 10/10

   MP ∞/∞

   攻撃力 3

   防御力 2

   素早さ 5


   スキル



   アビリティ

  《生成Lv1》


            残りポイント1


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 普通にステータス画面が現れた上に、魔力がチートなんだが。


 攻撃魔法系のスキルがないのは謎だけど、なんかポイントあるみたいだしそれでなんとかなるでしょう。早速残りポイントととやらをタップする。



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   ▶︎ステータス

   スキル


            残りポイント1


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 ……。


 なんか、ゲーム画面みたいになった。とりあえずステータスをタッチ。




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   ▶︎ステータス

       ▶︎HP 0 ◁ 0 ▷

       MP MAX

       攻撃力 0 ◁ 0 ▷

       防御力 0 ◁ 0 ▷

       素早さ 0 ◁ 0 ▷


   スキル


            残りポイント1


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 おお、ステ振りが出来るみたいだ。これで自分の好きなジョブになれると。そういうことですね。わかります。そして、当然のように魔力はカンストしてるっと。


 スキルもタッチしてみよう。



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   ステータス


   ▶︎スキル

      ▶︎物理

      魔法

      補助

      

            残りポイント1

      

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 お、やっぱり魔法覚えられるじゃん。やったね。ここは迷わず魔法でしょ。



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   ステータス


   ▶︎スキル

      物理

      ▶︎魔法

       ▶︎火魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        水魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        風魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        土魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        光魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        闇魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        回復魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        付与魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        召喚魔法Lv1 0/50 ◁ 0 ▷


      補助


            残りポイント1


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 ……余裕でポイント足りないのだが。


 これ、ポイントってレベルアップで増やすんですかね?そうだとしたら今すぐにでも魔物狩りに行きたいんですけど?某ゲームのスライム的な存在を永遠と狩り続けたいんですけど?(ゴブリンとか、怖くて倒しに行けねぇ……)


 と言っても、魔物がどこにいるのかもわからないので、この話は一旦保留。聞こうにも会話が成立しないし。


 今は一つだけ持っているアビリティ《生成Lv1》とやらを使ってみようではないか(それより魔法が使いたかった)。


 さあ、生成の使い方よ!頭に浮かべ!


 ……あ、あるいは!体が勝手に使い方を覚えている!


 ……。


 うん。ピンとこないわ。全然使い方がわからん。とりま何かをイメージしてみるか。生成ってくらいだし、何か生まれるでしょ。


 くおおーーーーつ!何か!何か生まれろ!!!


 ……う、うおおおおおおおお!!!


 ……。


 うん。無理だわ。何もイメージしてないから何も生まれない。普通に石ころとか想像してみよ。


 石。石か。石って何だろう?砂の塊?砂が長年の圧力で固まった集合体?うーん。まあ、そんなところか?いけ!今だ!生成!


「……」


 うん。


 生まれなかったわ。


 何がいけなかったんだろうか?イメージ力?それとも生成理論?まさか、砂を生成する分子、いや、原子。或いは素粒子からとかじゃないよな?そんなん無理だ。どうしたらいいの?


 うーん。実物があればイメージ力は上がる気がするだけど、石なんて持ち歩いてねーし。手持ちにある物といえば、あれか。お金……とか?いやいやいや。それはマズイって。


 ま、マズイって。


 ま、まず……。


 ほう。これがこの世界の銅貨か。なるほどなぁ。10円玉と違って側面はツルツル。表面?にはこの国の王女様?の肖像画。裏面には剣と盾のマークがクロスすしたロゴが印刷されていると。外周にも何やら文字が書かれいるが、日本語でも英語でもない為に読むことは出来ない。ふむふむ。


 これをの脳内にインプットして……。左手で感覚を確かめつつ、右手に生成!いけたな(確信)。


「……」


 できてねぇ。


 当たり前だけど出来なかった。きっと気合が足りなかったのだ。僕の善意、心の天使(絶世美少年)が作ることを否定したんだ。だから銅貨は生まれなかった。そういうことにしておこう。


 そう考えるとあれだ。僕の嫁、手帳型ケース版ならば生成出来る気がするぞ。手元にもあるし、素材もまあ、大体。気合も十二分に存在しているし、増えるものなら無限に欲しいくらいである。


 うおおおおおおおお!!!増やすぞ!!!!


 嫁の好きなところ!まず!かわいい!顔が幼い感じで最高だ!くすりと笑う笑顔も!三日月型に歪む笑顔も!大好きだ!!!普段は病んでいるが!心は優しいそのギャップが好きだ!ツインテール最高!おさげ最高!オッドアイ最高!黒髪ーーーーっ最高!!!


「……」


 出来たわ。


 ケースのことなんて考えてなかったのに出来てしまったわ。普通に嫁の顔と好きなところしか想像してなかったのに、出来てしまったわ。寧ろ、生成そのものを忘れてた節あるわ。


 まあ、何はともあれ。新品のスマホケースがゲット出来て素直に嬉しい。ありがとう。我が能力。


 よーし。この調子で今度は銅貨を増やすぞ〜!



 ◆◇◆◇◆



 その後。お金とお腹、そして何より心に余裕が出来ていた僕は、遊び半分で硬貨の生成を試み続ける。


 が、世界はとても優しく、嬉しいことに硬貨は増える気配がない。


 やはり僕の心が清らかだから、心の片隅くらいでは作ることを否定しているんだ。だからお金は生成できない。そういうことなんだろう(……生成のレベル上がったら再チャレンジしよう)。


 さ、さーて。せっかく生成とかいうアビリティを持ってるし?どうせならアビリティレベル?上げてみたいよな〜。僕、レベリング大好きだしね!


 うんうん。と、一人で相槌を打ち、どうせならあれだ。短剣?ナイフ?よくわかんないけど、パクってきたあれを生成出来ないか試してみよう(出来たら売る)。そんな感じで今度は短剣を片手に装備。


 ハアァァァアァアアアーーー!!!


 と気合を込めて。


 トレース……オン!!!


「……」


 できねぇ〜んだよなぁ〜。



 ◆◇◆◇◆



 必死になって金儲けを企てていると、気づいた頃には夕方。腹の虫が鳴りそうな程にお腹が空いていることを自覚して、そういえばここ、異世界で確定なんだなぁ〜。と、そんなことを考える。


 ん?待てよ?生きる上では魔法より先に言葉を優先するべきでは?というか、言葉を覚えてウェイトレスさんとお話ししたい。そんなスキルはないのかね?


 確か、スキルの中に補助ってのがあったはず……



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   ステータス


   ▶︎スキル

      物理

      魔法

      ▶︎補助

       ▶︎家事Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        鍛冶Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        鑑定Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        交渉Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        演算Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        調合Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        錬金Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        探知Lv1 0/50 ◁ 0 ▷

        隠蔽Lv1 0/50 ◁ 0 ▷


            :

            :

            :

      

      

            残りポイント1


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 おい。家事スキルに50ポイント使うぞ。高すぎねぇか?ていうか、全部50ポイント固定なんだが?


 うーん。スクロールして見ていったが、それっぽいスキルとしては解析辺りしか見当たらない。取得するには50ポイント使うし、覚えることは不可能そうだ。全くもって使えない。


 ……しょうがない。下の食堂でご飯を食べながら他人の話に耳を傾けてみるか。何か変わるとは思わんけれど。


 一応鍵を掛けて一階へと降りると、食堂は大繁盛していた。昼前にいたウェイトレスさんは大忙しで、店内を駆け回っている。


 一瞬だけ視線が合うとにっこりと笑ってくれて、思わず嬉しい気持ちになった。


 嫁がいなければ、恋に落ちていたな。


 と、見栄を張って空いている席に腰を下ろす。


 残念ながらカウンター席しか空いていなかった為、今回はここで我慢する。


 早速店内で1番大きい声の団体へと耳を傾けてみるが、全くもって話を理解出来ない。というか、話している言葉が日本語に近すぎて日本語にしか聞こえない。どうしたらええねん。


「げねるれぇなむぉうえさごあゎ?」


 突然話しかけられ、そちらに顔を向ける。すると、例のウェイトレスさんが笑顔を向けてくれていた。


 相変わらず意味不明な言葉だが、疑問形で終えたところを見るに、ご注文はお決まりでしょうか?的なことを言っている気がする。ここで、どうしたんですか?なんて聞くウェイトレスはいないだろう。


 このまま何も頼まずにいるのは申し訳ないので、適当な人の料理を指差して、そのまま指を一本立ててみた。意味合い的には、あれを1つください。である。


 ウェイトレスさんは、一度だけ頷く。


「ぉーんゆーゅんをなめほきを、てはゎちりほ……ゆゅをほわねぅー!」


 恐らく注文を通したであろうその声は、昼前と変わらない元気なもの。


「げれかほごぶれゎほねえほきこさえあ!」


 そう言って差し出されたおててには、銅貨を一枚を置いてみる。すると、特に抵抗もなく受け取り、他のお客さんの所へと駆けていった。


 自分が指差ししたテーブルには、オートミールと燻製肉、それからワインが置かれており、昼前に頂いたあの食事に比べると、些か貧相な食べ物たちである。


 あれだけの食事で銅貨1枚。明らかにぼったくりである(知ったかぶり)。いや、まあ、果物式物価割り出し算によるとあれくらいの食事が妥当な気はするのだが、前回と比べてしまうとやはりぼったくり以外の何物でもない。


 考えごとをしながら他人の話に耳を傾けている為、聞こえてくる話は右から左へ。全くもって記憶に残らない。いかんな。と思い直し、言葉自体に意識を向ける。向けたからといって、何かが変わる訳ではないのだが。



 ◆◇◆◇◆



 食事もそこそこに(あまり美味しくなく、食が進まない)他人の会話なんかを聞いていて覚えた言葉が1つある。それは。


 ほちわへつほえめ。


 これは、恐らくだが、いらっしゃいませ。と、言う言葉。ウェイトレスさんが客入りのたびにそう言うから、何となく覚えてしまった(ずっと見ていたとか、そんなことはないんだからね)。


 ただし、覚えたからといって何かに使える訳ではない。使う機会なんてバイト始めた時くらいだろう。そのバイトにしても、その時にはほぼ全ての言葉を覚えなければいけないのだ。何の役にも立ちはしない。けれど、ウェイトレスさんが元気な声で言うものだから、ついつい耳に入ってしまうのだ。しょうがないね(……そのうち、全メニューを覚えそう)。


 まあ、今日のお勉強はこの辺で。


 塩っ辛いだけの燻製肉とグズグズのお粥みたいなオートミールを口いっぱいに放り込み、ぬるいミルク(何故かワインではなかった)で流し込む。


 ごちそうさまでした。と口にした後に自室へと戻った。


 ベッドに腰掛け、一応明日の予定を考えてみる。


 明日は、そうだなぁ。また食堂に入り浸るか?言葉を覚えるためにはそれくらいしないとダメだろうし……(一日中ウェイトレスさんを眺められるゾ)。


 うん。まあ、それが妥当そうだな。言葉を覚えないことにはどうにも出来ねぇし。しょうがないね。ぐへへ。


 あ、でも。寝る前と起きて直ぐは生成で何が出来るか試していこうかな。ついでに短剣の素振りでも初めてみるか(ウェイトレスさんにモテるかも)。


 よし、素振りは早朝の庭先でするとして、夕食後、つまりはこの時間からは生成の研究だな。朝は早起きしないといけないし、一、二時間したら終わりにしよう。明日は四時起きだ!


 その後、無茶苦茶爆睡した。

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