HAND1-05
「勝負は
「なるほど、わかりました。これがチップですかぁ。けっこう重い」
緑色のラシャが
「……っていうか
と、一人で
「
結論。初歩ではなかったが、二歩目くらいからの説明が必要なようだ。
「半分正解ってとこかな。それはファイブドローポーカー。たしかにそれもポーカーの一種だけど、今、全国の小学生たちが高校野球に
「えっ? ポーカーのルールって一つじゃないんですか?」
「
「のーりみっと、てきさすほーるでむ……。な、なんだか難しそうですね……」
「そうでもない。ルール自体は簡単だ」
そう、ルール自体は、な。
ポーカーは覚えるのに
「そうなんですね、安心しました」
「まず、一番の
「えっ? 二枚しかもらえない? それじゃ、役はペアだけ……?」
「もちろんそんなことはない。手札が二枚しかない代わりに、コミュニティカードというものがあるんだ。……ここから先は、手札をオープンにしながら実際にゲームの流れを見てもらった方がいいかな。まずは二人とも、場代を
言われたとおりにする二人。ちなみに今回は
「この段階からもう
「フォールドと、レイズと、コール。見た感じ、私の方が強そうですよね……」
「今のところはな。それと、本番は相手のカード見えないから」
「あ、そうでしたね。そういえば」
「今回は説明の
「わかりました」
「説明の回ということですので、従います」
二人とも言う通りにしてくれたので、さっそく
「裏返しで出した最初の一枚のことは気にしないでくれ。イカサマ防止の捨て札みたいなものだから。注目するのは表向きで並んだ三枚のカード」
「えっと。♣Jと、♥Aと、♣6ですね」
「だな。それで、この三枚のコミュニティカードと、自分の二枚の手札。その五枚で役ができているかどうかを
対して
「じゃあ、私はJのワンペアで……」
「
「現状……ということは、まだ私の勝ちは決まってないんですか?」
「その通り。この後、ファイブドローでいうところのカードチェンジに当たる進行があるんだけど……またここで
「あ、さっきみたいにですか?」
「そう。今回の
そして、その逆も
「なるほど。私は今、ワンペアがあって、
「くどいようだが、
「はい。でもワンペアができてるなら……ベットします!」
そう言って
本来であればかなり強気だ。なぜなら場にAが落ちているから。Jはワンペアの中で最強とは限らない。相手の手に一枚Aが入っていればそちらのワンペアの方が強い。
一方、ヘッズアップではペアができたらもう勝負に出るべき、というのもひとつの戦法だったりする。例えば九人もいる中での勝負なら全体の手札の数自体が九つに増えるから、
「
「レイズ」
「えっ……!?」
そもそも本来の
さらに付け足しておくなら、ここからの
「レイズ……
「えっと、これ……負けそうなんですか私?」
「いや、はっきり言ってかなり有利だよ。ただ、もし
「景色、ですか?」
「フロップ──開かれた三枚のカードを見て、もし
「あ、Aです……ね」
「その通り。もし
「でも実際は持っていない」
「だからこのレイズはブラフだ。いかにも強い手を持っているように
「…………」
じっと場を見つめ、固まる
「ポーカー、おもしろい……」
それからぽろりと、そんな言葉を
早くもそこに気付けたか。少しだけ、
「さて、どうする?」
「コールします」
「
「これは四枚目のコミュニティカード。ターンカードという」
「先生。手札と合わせて、カードが六枚になっちゃいましたけど……?」
「そうだな。でも必要なカードは五枚だけ。だから、その六枚の中で最も強い役になる組み合わせを探して選ぶんだ。それが現時点での手札になる」
「えっと……。♣7が入るとなると……」
「
「ラグカード、ですか。
「どうかしら?」
たおやかに
なぜなら現時点で
「先生、コミュニティカードはあと何枚出るんですか?」
「次のリバーカードで最後だ。場に五枚、手札に二枚。合計七枚のカードの中から五枚選んで役を作る。それが
この、手札が二枚だけ、全員で共通して使うカードが五枚という
「…………あ、そっか! ……フラッシュ」
かなりの長考の末、
「どうする、
「…………チェックで」
チェックは悪手。ここは
「私もチェックで」
これが本来の勝負だったら、
「
最後の一枚を開いた。
落ちたのは♥J。
「あっ」
思わず声を出したのは
「おめでとうございます。セット完成ですね」
「結果、
「………………う、うーん」
勝ったのに
「どうだ、
「おもしろいです!」
ルールと流れはだいたいわかったか、という意の質問だったのだが、
そうか。となると、今後ますます
本気になった
それでももはや、
「それじゃさっそく本番に移ろう、と言いたいところだが。
「そ、それが……。実は何ヶ所か
「じゃあ手役表がいるな。……この部室にあったかなぁ?」
辺りを
「そーゆー流れになると思って書いといたっスよん」
「おお。さすが。人の顔色
「なんか
「いやいや本気で感謝してるよ。助かる」

「よし、始めるか。
「よろしくお願いしますっ!」
立ち上がり、勢いよくお
「こちらこそ」
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