第10話第二世界:平行線上のアリア②
「あれ、ここどこだ。私、確か、あーちゃんと遊びに行って………。ん?あーちゃんて誰だ?」
目覚めた私は辺りを見合わす。そして、木の上で休んでいた事を思い出す。
「あー、アルビンと合流しないとだった。どこだっけ合流地。」
私はAR表記の地図を画面に出し、ポイント検索をする為にログを検索する。
「あ、あった。z3_S2、よし。……検索……照合。ここか。」
私はポイント検索で地図に光点が点滅してるのを確認して安堵する。アルビンのマーカーもその位置に存在していた。
「さて、と、直ぐに合流してもいいけど、今のうちに出来る事はやっておかなきゃだね。」
そう言うと、アリアは木の上で次元空間から装備品の補修と補充の為の機器を取りだし整備を始める。
「うーん。マインド・フィラメントの保有容量が大分、少ないなー。早いうちに窮老師に会っとかないと、私、この世界で確実に逝けるなぁー。…………うん。これ、ヤバい未来しか見えないよ!」
「うーん。どうしよう。」等と、ぼやきながらもナックル用のバーストブリッド弾にマインド・フィラメントを込めてゆく。
「くっ!なんか思い出したら腹立ってきた。確かに私の最終試験の為なんだけども!この世界に来るまでに色々面倒も見てくれたけども!「突然フラグを立てに行ってくる!」とか訳わからん事言って、いきなし置いてきぼりにすんなしー!面倒見るなら最後まで見ろしー!フラグってなんじゃい!窮老師の阿保ぉー!」
「はあ。まあ、生き残る為の装備やアイテムは置いて行ってくれたから何とかなってるけど、本当に勘弁だよ!あのやんちゃ老師!」
「てか、私そろそろ本気で帰りたくなってきたんだけども!老師いつまで時間かけてんですか!老師ィ~!comeback!冗談は顔だけにしてくださいぃ~!」
「はーーーあ。ヤバい。一人だと独り言がマジヤバい。マジで。」
「……………………」
「うう、さみしーよ。あーちゃん。」
「……………………」
「だから!誰だよ!あーちゃん!」
◇◇◇
「………ア……リ……ア!…リア!」
「ふぇ!」
「リア!どーしたの!急に動かなくなったからビックリしたよ。」
「あー。うん?えーと、おはようございます?」
「はいはい。お日柄はとてもよろしいですよ。もう!本気で焦ったんだからね!」
「あー。うん。うん。ごめん。あーちゃん?だっけ?ちょっと待ってね。いま、ちょっと混乱してて。」
「本当に大丈夫?病院で診て貰う?」
「や、それは大丈夫です。えーと、なんだっけ?お尻の話だっけ?」
「いやいや、リアさんや。誰も尻の話なぞしてないぞ。(-_-)」
「えと、えと、あ、あーちゃん?」
「はいはい。あーちゃんでふよ。もう、食べられないよー。でふー。」
「……ぶふぅぅ。あーちゃ、アハハハハハ。もう、キャラ本当に定まらないんだから。はー。ごめん。うん。もう、本当に大丈夫。ありがとー。あーちゃん。お陰で戻ってこれた。」
「おや?私を置いてお出かけでしたか?じゃあ、貸し一つという事で、また、私に付き合ってもらわねばー。(^_-)≡★」
「もー。次は私に付き合ってくるんでしょ。」
「あやや、そうでござったかのぉー。(;_;)」
「もー。」
「🐄」
「牛乳美味しいよねー。」
「く、その胸部装甲は牛乳か!牛乳に相談したのか!」
「え?むしろ豆乳?」
「な!は、畑のお肉…だと!」
「ねえ、この話何処に向かってるの?」
「え?いや、しらんけど。」
「な、なに!落ちが無い…だと!」
「そんなんより、次行こー。ヘイヘイ、お嬢さん。あちしと、ウィンドウショッピングと洒落込もうぜい。ぜい。」
「うわ、胡散臭そー。」
「あはははは。(良かった、いつものリアだ。)」
「アハハ。じゃあ行こうか。(ごめん。あーちゃん。本当に最後になっちゃったよ。ごめんね。橘 阿莉亜。今までありがと。楽しかったよ。)」
この日を境に橘 阿莉亜はこの世界から消えた。
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