第181話 2020/04/17/金 花の香がする!

 いえね、スコちゃんは私が触ると、直後に毛づくろいをするのです。

 触られるのが嫌なのかな……と、いつも見守っていたけれど、今日はニュースで「世間的隔絶」「家庭的隔絶」「社会的隔絶」???ということを言っていたので、私はスコちゃんに抱き着いて、「スコちゃんとゼロ距離ならいいんだモーン」とやっていたんですけれども。

 彼女が毛づくろいしたばっかりのしっとりした背中に、顔をばふーってうずめたら。



 なにか、いい匂いがする……



 えー? 猫ってこんなにいい匂いをさせてるもんなの?

 スコちゃんにテレパシーを送ってみると、



『わたしはメスだから。オスより臭腺が小さいの』



 というお言葉でした。



「で、なんでそんなに熱心に毛づくろいしてるの?」



 って聞くと、



『あなたが抱き着いてくるからよ』



 と鼻の頭をなめてくれました。

 シャオちゃんのお口は、ちゅーるの微かな匂いと、少し埃の匂いがした。

 結構、狭いところに入りこんでいるからなあと思いいたる。


 それでもスコちゃんをかわいく思っていると、毛づくろいがますますヒートアップ!

 私は、ゼロ距離はストレスなのかなと思って、また距離をとった。

 すると、ピンクのタオル地ベッドから、お気に入りのソファへのぼっていってしまう。



「ねえ、匂い嗅いでいい? ばふーっと」



 するとスコちゃん、



「だめー」



 って一度は言ったけれど、毛づくろいが終わったころに、またおねだりしたら。



「いいわよー」



 っていうから、思う存分もふもふした。

 後ろ脚で蹴られても(ずいぶん無遠慮にのしかかってもふもふしていた)、しっぽで顔をパタパタされても、うれしいの。

 ゼロ距離最高。


 そしてね、肝心なのは……スコちゃん、花の香りがするってこと。

 えー? どうしてー? 与えるエサがいいのかなー? パッケージをよく読むと、緑茶カテキン配合? みたいなことがかいてある。

 便もあまりにおわなくって、掃除するタイミングがずれてしまったりする。



 こんなにかわいいスコちゃんなのだから、おいしい食事をあげたいよね。

 室内飼いの猫ちゃんのストレス軽減のパウチ食品をダースで買ってきた。

 母にもチャオチュールを買ってもらった。


 これで、明日の食事は充実しますよ、今まで以上にね!

 猫草も、ベッドももう一つ買ってきたから、つかってくれるとうれしい。

 今はリビングのソファにのびっと横たわっているけれど、姿を見ているだけで安心するし、胸がうきうきします。






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