第6話 常時遊びたいらしい。

 スコちゃんは、部屋のドアを開ければ猛ダッシュで玄関へ行く。

 今日は廊下の角やげた箱の影やらを、身を隠す障壁にして、ジグザクに疾走してたから、成長したんだなあと、ほとほと感心した。

 しかし、蜂ぶんぶんで息を切らすほど遊んだ後だと、ドアダッシュはしない。


 ということは、彼女、遊びたいばっかりに、あちこち駆け回っていたのだ。

 私が追いかけないでいると、戻ってきて階段へダッシュかけるのも、追いかけっこのつもりなのだな、きっと。

 今日は蜂ぶんぶんと、ドリームキャッチャーのネックレスで遊び倒して、トンネル型のボックスの中で気だるく、頭と前脚だけ出して、くてーっとしていた。


 私、邪魔なのかなと思って部屋を出たら、エサを持って行ったとき、熱烈歓迎された。

 猫って気分が変わりやすい。

 きっと、さきほどはちょっと眠かったんだろう。


 で、またネックレスにじゃれつくから、もう、それはスコちゃんのおもちゃとしてあげることにした。

 ベッドの上で、噛み噛みして羽の部分をなめている。

 ここのところ、ネックレスがみすぼらしくなってきたと思っていたら、私がいないときにも、遊んでいたんだ……きっと。


 トンネル型ボックスは、何度もひっくり返され、スコちゃんのお気に入りの場所になっていて、蜂ぶんぶんをそこにかざすと、いち早く飛びついてくる。

 うちにスコちゃんをお迎えするときに、ショップで用意してくれた段ボールの「キャリー&ハウス」の箱の上もよく、潜ったり、上に体をのばしたり、している。



 今日は遊び倒したスコちゃんのために、部屋を明け渡して、リビングで寝る予定。



 余談だけれど、ベッドに腰かけて、蜂ぶんぶんを正面にたらしてゆらゆらさせていると、スコちゃんが釣れる。

 私の膝に前脚と全身でもって抱き着いてくる形になる。

 べつに狙っているわけではないけれど……スキンシップがうれしいな。


 しかし、スコちゃん、獲物の捕らえ方が、うまくなってきた。

 セミならすでにかみ殺されているにちがいない。

 急所を押えてる。



 本能なのかな、わからない。






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