第5話 どきどきしちゃう!

 今日、初めてまともにスコちゃんを抱っこした。

 三回、だっこした。

 信じられないほど柔らかく、あたたかかった。


 スコちゃんが、私のお遊びに飽きちゃったとき、部屋の隅っこへいって丸くなってしまうのだが。

 それは嫌だったので、そうっとそうっとスコちゃんの体の下に両手を差し入れて、ゆっくりと持ち上げた。

 胸に抱くと、スコちゃんはきょーんっとした顔。


 でもごろごろいってて、抵抗せずにベッドに着地。

 穏やかなワールドであった。

 理由は三回とも別にあった。


 一回目は「スコちゃんがすねてるのかな」と思ったので、隅っこからベッドへ移した。

 二回目はまた隅っこへ行ってしまうので、ここにいていいんだよと言うためにだっこした。

 三回目は、お出かけするからベッドにいてというつもりでだっこした。


 帰宅はしたが、まだ部屋へ行っていない。

 母がイモを洗って干しておいたというから、とりこんだり、本心ではどうでもいいことに時間を使っていた。

 スコちゃんに早く会いたい。


 スコちゃんに逢いたい。

 逢いたい。

 逢いたい。


 これから食事だ。

 もう、食事の支度すらどうでもいい。

 神様へのお供えも、買ってきたけれど半分どうでもいい感じ。


 うそ。

 お祈りは大切だ。

 スコちゃんが元気に育ちますように。


 あと、家族が健康で長生きしますように。

 あとは、しあわせな執筆生活を送れますように。

 ずーっと、ずっと。





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