第17話【生徒会室】
コンコンコン
「どうぞ」
生徒会室の前に立ち、扉を三度ノックすると麗華先輩の綺麗な声で部屋に入るように促される。
お、良かった。
麗華先輩来てたんだ。
今日会う約束をしていたわけではないのでいた事に安堵した。
「失礼します」
そう言ってから扉をゆっくりと空け中に入る。
「いらっしゃい」
中には麗華先輩しかおらず入って正面にある大きな机の椅子に座っている。
「今日は麗華先輩一人なんですか?」
「そうよ。
今日は生徒会の仕事は無いもの」
そう言って麗華先輩は椅子から立ち上がりゆっくりとこっちに歩いてくる。
「じゃあ、なんで麗華先輩は学校にいるんですか?」
「それはねぇ〜」
カチャ
あれ?
今、この人鍵閉めたよね?
「あなたが会いに来てくれるって思ったからよ」
麗華先輩はそう言いながら後ろから抱きついてきた。
「へぇー凄いですね。
なんでわかったんですか?」
麗華先輩が後ろから抱きついてくるのはいつもの事なのでそのことに対して特に反応せず話を続ける。
「そんなのは簡単よ。
あなたの義妹がここ学校の編入試験を受けるのにも関わらずこの学校に訪れてたという情報はなかった。恐らくあなたも義妹も他のことに意識がいってすっかり忘れていたのね。それで、あなたの性格を考えると場所の地図を描いて渡したり口頭での説明で終わらせるとは考えられない。絶対に案内のために一緒に学校に来るでしょう。その上であなたは私が会いに来て欲しいと言ったことを覚えているだろうと推測しただけさ。君が本当に覚えててくれてとても嬉しいよ」
そう言って麗華先輩は抱きしめる力を強くする。
「ま、まあ、忘れてたら何されるかわかりませんからね」
照れ隠しでそんなことを言う。
「そんな変なことはしないわ」
「するにはするんですね。
で、何する予定だったんですか?」
「私と二人りっきりでお泊まり会」
「却下!!!」
そんなことしたら、西園寺家に抹殺される!
「大丈夫よ、家じゃなくてホテルでするから家の人達にはバレないって」
「いや、絶対にバレやつでしょ!?
俺まだ死にたくない!」
「大丈夫!
あなたは私が守るから!
あなたを殺そうとするやつはたとえ親だとしても殺してみせるわ!」
この人名言っぽいセリフ好きだよなぁー。
でも、言葉だけじゃなくて本当にこの人ならやりかねない危なさがある。
「それに、男女二人でホテルって襲われても文句言えませんよ」
「文句言わないもの」
麗華先輩が耳元で囁いてくる。
「いいから離れてください」
これ以上されると抑えられないので無理やり先輩を引き離した。
「あーれー」
先輩はそう言いながらも素直に離れる。
なんで麗華先輩は俺にだけこんなに好意?執着?みたいなものを見せているかの皆さん疑問に思っていると思うので軽く説明をしよう。
あれは数ヶ月前の俺の入学式の時の話だ。
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