第14話【友達】
「おい、お前ら」
「澪!
どういうことだよ!?
貴様本当に同棲してんのか!?」
「ねぇ!
どんな子どんな子!?」
「いろいろ事情があるんだよ。
ちゃんと話すから場所変えるぞ」
「お前の家じゃダメなのか?」
「だからいろいろ事情があるっていってるだろ?」
「わかったよ。
じゃあ、その辺の喫茶店でも行くか」
「はーい」
「おう」
◆◇◆◇◆◇
「ご注意をどうぞ」
「珈琲、ブラックで」
「あ、俺も」
「私は、オレンジジュースとジャンボパフェで!」
「かしこまりました。
少々お待ちください」
「お前よく朝からそんなもん食えるな」
「甘いものはいつでもウェルカムなのだよ!」
「さいですか」
「で、彼女さんのこと教えてくれよ」
「だから彼女じゃないって言ってるだろ?
妹だ」
「え?
零くんって妹いなかったよね?」
「ああ、最近できた義妹だ」
「義妹だと!」
「颯太うるさい」
「あ、ああ。
悪い。
いいよなぁ〜義妹!
響きだけでなんかエロいし!」
「颯太キモイ」
「颯太くんキモイ」
「おいおいお前ら辛辣だな。
で、いろいろある事情ってのは?」
「それはな、、、」
◇◆◇◆◇◆
「本当にいろいろ事情があったな。
悪いな、こんな事情があるのに押しかけて」
「ごめんね」
「わかってくれたならいいよ。
もうちょっといろいろ落ち着いてきたらちゃんと紹介するから今は待っててくれ」
「おう!
俺らに出来ることがあったらなんでも言ってくれ」
「そうだよ。
私ってこう見えて役に立つ子なんだよ!」
「ありがとう。
何かあったら頼らせてもらうよ」
「まあ、今は無理だと思うが妹ちゃんが落ち着いたらまた遊びに誘えよ」
「私達楽しみに待ってるからね」
「ああ、また連絡する。
ありがとう」
本当に友達思いでいいやつらだ。
「じゃあ、俺は帰るわ。
編入試験終わるまで家事は俺がやることになってるから帰って昼飯作らねーと」
「おう、わかった。
俺らはもう少しここでゆっくりしとくわ」
「バイバイ」
「これ、お金」
俺はそう言って財布から二千円ほど机に置く。
「ん?
なんの金?
俺お前に金借りてないよな?
遥は?」
「私も借りてない、はずだよね?」
うん、貸してないよ。
遥はなんで不安そうなんだよ。
珈琲一杯しか飲んでないのでこの店での料金だとは受け取られなかったみたいだ。
「安心しろ、貸してないよ。
この店での料金だよ。
今回は俺の奢りだ」
「何考えてるか知らんが、奢るなら俺らだろ?
無理やり押しかけたんだから」
「うんうん」
「いや、そんなのは関係ない。
俺が奢りたいって思ったから奢るんだ。
それに義妹のことでこれから相談に乗ってもらったりするかもしれないからその報酬の前払いと思ってもらえればいいよ」
「お前がそう言うなら今回は甘えるか」
「ゴチです」
「だがよ、なんか困ったことがあったらちゃんと頼れよ?」
「おう、その時は頼むよ。
じゃあ、行くわ」
「おう、またな」
「またね〜」
俺は喫茶店を出てスーパーで軽く買い物してから帰った。
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