第四章 ドワーフ国

01.次の屋台の試作をしよう!

 港町の外れにキャンプした翌日。港町に来たからには、とりあえず商工会議所だな。と、商工会議所まで自転車で出かける。


 何時ものように屋台の手続きをして犬獣人の受付から屋台を出して良い場所や観光名所など港町に関しての情報を仕入れる。


 昨日、仕入れた魚を料理して大体の傾向はつかめた。仕入れた中にタコがあったんだよね。本当に日本と同じタコかどうかはともかく味と食感はタコだった。


 屋台でタコと言えばたこ焼き!たこ飯とかもあるけれど俺の頭の中は既にたこ焼きで染まってしまった。たこ焼き用の鉄板もあるので作るのは問題無いのだ。


 ウニキャンに戻って、たこ焼きの試作を始める。薄力粉、出汁、たまご、水を加えて生地を作る。具のタコをぶつ切りにする。


 たこ焼き器を温めて食用油を引き、生地を鉄板の窪みに半分ほど流し込む。次に具材を入れていく、タコ、天かす、長ネギ、紅生姜。紅生姜は梅酢を見つけた時に作った手作り品だ。天かすは昨日、白身魚の天ぷらを作った時に本日分も作っておいた。


 ある程度焼けた所で具材が隠れるように生地を足して、ある程度焼けたらひっくり返す。焼けたら皿に盛り付けてソースをかけて青のりと鰹節をかけて完成だ。


 味見で食べてみたが表面がカリッとして中はトロっとしたたこ焼きが完成した。青のりと鰹節は日本の食材だが、後は現地調達で賄ってみた。今後も継続的にたこ焼きを売ろうと思ったらなるべく現地で調達したい。ウニキャン内にある日本の食材が常に復活するとしてもウニキャンの中なので量的にはそんなにあるわけではない。スペースも限られているから大量の荷物が載るわけでもないのだ。


 包装資材の店でタレが染み込まない紙製の箱を見つけたので売る時にはその箱に入れて売る予定だ。


 試作も終わったので息抜きに散歩しようとナツを連れて散歩する。秋田犬は運動好きなので十分な運動をさせないと拗ねてしまうので散歩は大事だ。あと人見知りしやすいので他人との接触させるための散歩でもある。だんだん大きくなってきたので念のためにリードは付けてある。


 まずは公園に向かって歩いていく。長さ三五〇メートル、幅は一二〇メートルぐらいの細長い公園でペット用のエリアが公園内にあるのだ。そこでナツを思う存分、気が済むまで走らせるのだ。


 解き放たれたナツは猛然と走っていく。一周しては俺の所に「ほめて!」と来るので撫ぜてやるとまた走りに行く。そんな事を繰り返しているナツを眺めるだけの簡単なお仕事だ。


 来る途中にフリッツ屋台で買ったフリッツとビールを飲みながら過ごす。フリッツと言うのはフライドポテトのことだ。フライドポテトはベルギー発祥と言われる食べ物で、アメリカでフレンチフライと言われていることにベルギー人は激怒しているとかしてないとか。


 この異世界にもフライドポテトがあったわけですがフリッツと呼ばれている様子からしてベルギー人でも転移しているのかもしれない。ちなみにフリッツは複数形で、フリットが単数形だ。


 フリッツにはマヨネーズという事で当然マヨネーズをかけて食べている。日本だとトマトケチャップをかけるイメージがあるかもしれないがベルギー人はマヨネーズなんだよね。個人的にはタルタルソースやサワークリーム&オニオンを付けて食べるのも好きだ。


 そんな感じでまったりしていると、十分に運動したのかナツが戻ってきたのでナツに水を飲ませて十分休憩してから公園を後にした。

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