12.港町に行こう!

 翌日、キャンプを片付けて都までひたすら走る。


 都でみんなとは解散して、何時ものキャンプ場に行く。一息ついてソファに寝転びながら今後のことを考えた。


 今回、海に行って思ったのは、海沿いを巡ってシーフード三昧するのも良いかもしれない。日本人的には海の魚も食べたいしな。冬の間は寒いので南の方に居たいので、暫く南の方を巡ろう。


 翌朝、自転車を出して町中へ買い出しに出かけて、ついでにラリー仲間に近々都を出ることを告げたり伝言したりした。あちこち気が向くまま行く予定だが、また会えることもあるだろう。


 まずは港町関係の旅行ガイドブック、道中の食材などを仕入れないとな。量が多いものは配達も頼まないとな。


 午前中に用事を済ませて昼飯に以前買ったホットドッグを買って帰る。午後はナツを散歩に連れて行って運動させる。それが終わったら港町の下調べ。そんな感じでその日は過ごした。


 翌日の朝、キャンプを畳むとキャンプ場を後にして南へと向かうのだ。とりあえずは先日行った港町に行こうと思う。道は覚えているしマッピング済みなので問題はないだろう。


 一時間ちょっと走った所で港町に着いた。入り江になった所に町が作られているようだ。街は丘とか無くて広い。日本だと海の後ろは直ぐに山という地形が多いので新鮮でもあるが変化に乏しいので自動車で走ると疲れる所でもある。


 とりあえず港に行ってみるか、港まで行けば海も見えるだろう。


 港まで行くと、沢山の船が泊まっている。ここは小型船が多いな。漁港と言うよりマリーナて感じがするな。高級そうな船はクルーザータイプというやつだ。双胴船タイプや普通の小型船や帆船もある。港の入口に駐車場があったので、ナツを連れて散歩する。


 キャンピングカーも良いけれどクルーザーで船旅というのにも憧れはある。船が買えるほど稼げたら船を買うのも良いかもしれない。この世界にも宝くじはあるのだろうかと思うのは貧乏性ゆえかな。


 豪華クルーザー巡りで目の保養を終えて引き返す。観光地図を見ると幾つかの川の河口があるので入り江が複雑に形成されていて、さらに大きな湾になっているようだ。港もこの湾の中に沢山あるようであった。


 湾の中には港だけではなく造船所などの工業施設に軍港。塩田とか養殖場とかリゾート施設など色々あるみたいだな。


 とにかく、まずは魚市場を見に行こう。魚市場というか大きなマーケットだ。大きな三角屋根の長屋が連なっている感じの建物で中は広い工場や倉庫みたいだ。その中に所狭しと店舗が並んでいてマーケットを形成している。


 リゾート地もあるぐらいなので観光客もいるようで市場の中は祭りでもやっているかのように人で賑わっている。中を歩くのも大変だ。


 魚だけではなく野菜や果物に乳製品や肉など食品全般も扱っているが、場所的に魚介類を扱っている店舗が多い。目移りするよ。魚も切り身の状態で売っているので捌けなくても大丈夫だな。買っている人も店の人に捌いて貰っているのを見かける。


 よし、適当な魚介類を買い漁ろう。とは言え日持ちはしないので自重はするけれどな。


 奥の方にはバーがある。魚介類を使った軽食があるので食べていこう。酒は運転するから飲めないのが残念無念であるが海外だとグラスビール一杯とかグラスワイン一杯とかウィスキーワンショットまでなら飲酒OKな国もあるけれど西洋人と日本人ではアルコールに対する強さは違うので俺は駄目だな。この時ばかりはキャンピングカー旅行の欠点だと思った。


 そんな感じで港町を大いに楽しんだ。

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