02.海獣人さん達と話そう!
次の日、ウニキャンで広場まで出かけて屋台の出店。具材に馴染みのある蛸を使っているというのもあって売れ行きは割と良い。これなら暫くは、たこ焼きメインでやって行くかな?
一週間ほど、たこ焼きを売りまくって路銀を稼いでから次の街へ。冬の間は南の町から少しづつ西方にあるドワーフの国へと移動しながら進むことにしたのだ。
海岸沿いを走って、景色の良い所で休憩しよう。
ちょうど良い感じの場所に出たので街道を外れて海岸の方に止める。先ほどまで寝ていたナツも「散歩に行くの!?」と起きてこちらをキラキラした瞳で見つめられている。助手席側のドアを開けるとナツは尻尾をブンブン振ってウニキャンから飛び降りた。
こっちを見て「早く、早く」てな感じで尻尾を振っているのが、かわいいな!
そんな親バカ思考はとりあえず置いといて散歩をしよう。
海岸沿いを歩いていると海岸に座っている人々がいる。良く見ると海獣人の人達だ。海獣人は見かけはセイウチとかオットセイとかアザラシみたいな見かけだけれど鰭が振袖のようになっていて物を掴める手がある獣人だ。脚は鰭である。地球では人魚のモデルとなったとか言われているやつだ。
その海獣人さん達が焚き火を囲んで輪になって座って食事をしているようだ。避けて通るのも変なのでそのまま傍を通っていく。一応挨拶でもしてみるか。
「こんにちは」
「わん!」
「こんにちは、君は人族かい?」
「ええ、そうですよ」
「今、捕れたての魚を捌いて食べているんだが君も食べるかい?」
「食べても良いんですか?」
「構わないよ、ちょっと豊漁でね余りそうなんだ」
「では、遠慮なくいただきます」
海獣人さん達が座り位置を詰めて座る場所作ってくれたので、その場所に座る。アザラシさんから渡されたのは白身魚の刺身だ。海獣人さんて刺し身の文化あるんだ。
そう言えば出かける時に背負って来たメッセンジャーバッグに小分けにした醤油とわさびを入れているのを思い出した。日本人的にはこの二つが欲しくなるので海沿いを散歩する時には特に持ち歩いているのだ。
俺が刺身を醤油とわさびで食べていると「それは何かな?」と聞いてくるので、これは刺身に合う調味料ですよと言ったら、試してみたいということなので分けてあげた。
わさびの鼻にツーンと来る状況に少しアザラシさん達は身悶えていたが何時もと違う変わった味が気に入ったようでバクバク食べていた。何時も同じ味だと飽きるしね。
「良い調味料を教えてくれてありがとう」
「故郷から持ってきたものなので少ないですが、このボトルの醤油とチューブわさびはあげますよ」
「これは本当にありがとう」
手持ちの調味料をあげても深夜には復活するので問題はない。ちなみに海獣人の家は陸上にあるので調味料を渡しても問題ないようだ。
帰り際に魚を貰って海獣人さん達とは別れたのであった。
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