05.魔導車レース会場に行ってみよう!

 翌日は魔導車レースのスタート地点となる闘技場まで自転車で下見に出かける。武闘大会が中止になったのはこの大きい闘技場がレース会場として先に押さえられたのも原因だそうだ。


 闘技場の周辺は明日からレースだと言うのに人がいっぱいだ。祭りでもあるのかな?自転車で来て正解だった。街中となると自転車のほうが機動力がある。


 闘技場に着いてみて分かったが前日大会エントリーの受付に獣人達が集まっているようだ。事前出場を申し込んで本日はゼッケンの受け取りと参加費の支払いに来ているらしい。


 係員の人に言って屋台の受付はどこか聞いたら、そこに並んでくれと言われた。待っている間に大会チラシがあったので見てみると明日のレースはラリー形式で。登録順にスタートしてステージ毎にタイム計測してその合計タイムが少ないチームが優勝みたいだ。


 受付の順番が回ってきたようだ。


「明日のレースで屋台を出したいのだが」と俺。

「車種は?」と受付の栗鼠りす獣人さん。

「トラックですけれど」

「カミオンクラスですね。では参加費は二六〇クローナです」


 俺は必要事項を記入して出店料を払い。屋台登録ナンバーを貰ってその場を離れた。その時に色々と書類をもらったのでウニキャンに戻ってじっくり見ますか。


 帰り道、ホットドッグ屋があったのでホットドッグを買って帰る。六七クローナだった。太めの長いパンに縦に切れ目を入れてソーセージや生ハムやベーコンが載せてありその上にソースとマヨネーズがかけてある。そんなわけで見た目はお好み焼きに見える。とても口に入らないので食べるのは大変だが獣人国らしいワイルドで美味しかった。


 午後からは明日への仕込みを考える。市場に買い出しに出かける。もうすぐ冬なのに連日暑いのでやっぱりスパイシーなものが良いのだろうか?日本人的にはカレー味のものかなー。ていうか俺がカレーが好きなだけだが。昼に見た感じでは米料理とか良さそうなんだよね。米を見つけたら米料理にしよう。


 市場での買い出しも終わったので晩飯まで貰った書類を見る。レースのコース図も入っている。この都から出てぐるっと都の周りを三日かけて一周して戻ってくる感じみたいだ。一般道区間は安全運転でタイムアタック区間はレース車両以外は通行止めでレースをやるようだ。


 このレースを追いかけて屋台をやる感じになるのか。レースは直接見れないとは思うけれど面白そうだ。


 晩飯は適当に食べて食後は翌日の仕込みをして過ごす。


 仕込みも終わったのでシャワーを浴びて寝る。明日も早いからな。


 翌朝、手早く準備を済ませるとキャンプ場を引き払い集合時間の二の一時(朝六時)に間に合うように闘技場へ。闘技場には早くも魔導車が集まっている。


 なにかチェックをしてから闘技場内に入れているようだ。


 受付の順番が来たので昨日貰った登録ナンバーを受付の兎獣人さんに見せる。


「おはようございます、今から車検をしますね。ゼッケンは外から見えるように前後とドアの所に貼っておいてください」


 と言われたので登録ナンバーを貼り付ける。


 車検が終わったということなので闘技場の中に入っていく。


 闘技場の中はかなり広い。アリーナ部分だけで直径二〇〇メートルの円形の闘技場で客席も入れれば三〇〇メートルはあるだろうか。


 どこに行けばよいかとキョロキョロしていたら係員さんに呼ばれたので行ってみた。


「カミオンクラスのレース参加者はこちらで待機してください!」


「えっ!?」


 何時の間にか俺はレース参加者になっていた……!?

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