第20話
「ちゃうよ!違っ、違うからね!ほら、そう私、妹いるし!織姫ちゃんていう可愛い妹!その子みたいな感じ!」
〈ハア、ではそういう事にしておきます〉
「奈留お姉さま。妹様もいらっしゃるのですか?」
「うえ?お姉さま?お姉ちゃんじゃなくなったの?」
「女神様にタメ口なんてとんでもないです。ああ、でも妹様。奈留お姉さまと同じく神々しいのでしょうね」
〈いやー。付け入る隙が両手を広げてwelcomeしちゃってますね。もう諦めて手込めにしたらいいんじゃないですか?〉
「ヤーメーテー!お願いだから私の最後の良心を殺しにかからないでー!」
「お姉さま?どうされました?私に出来ることなら何でも致しますよ」
〈ほら、この子もこう言っていることですし、据え膳食わぬは女の恥っていいますし〉
「いや、言わねーよ!大体フィナちゃんはそういう意味で言ってる訳じゃないでしょうが!」
「お姉さま?」
首を傾けて上目遣いで覗いてくるフィナ。
ぐう!可愛いい!
〈ほらほら、連れ込みましょう。どうせデータ収集もマップ製作も今日中には終わりませんし、フィナさん救出の代価と思って、お食事の後は一緒にお風呂からのベッドでシッポリGOですよ〉
「止めろー!ジョッカー!ブッ飛ばすぞー!」
〈あ、仮○ノリダーですか?懐かしいですね〉
「皆さんのおかげです!!」
〈ちょっと待ったコールとか覚えてますよ。いや、懐かしい〉
「いや、それはちょっと古すぎない?」
「おねえ……さま?」
「ああ、フィ、フィナちゃん、ごめんね。お家に入ろうか。調べるのに時間掛るって。その間に一緒にご飯食べて、一緒にお風呂入って、一緒に寝ようか」
パアッと嬉しそうに満面の笑顔を向けるフィナ。
「はい!お姉さま!お背中お流ししますね!」
「ふぁ!」
◇
・
・
・
◇
〈チュンチュン〉
〈チュンチュン〉
〈朝チュンなう〉
気が付くと産まれたままの姿で二人抱き合ってベッドにいた。
「うーん。むにゃむにゃ。お姉さまぁ。大好きです。すうすう」
「ななななななななあ」
〈叫ばれるとフィナさんが起きてしまいますよ〉
「むぐっ」
ま、まさか。
やってしまったのか?私。
〈はい。受け入れられた喜びに、私を外す事も忘れて大分激しくイチャこらしておられましたね〉
がああああ!マジか!私!
何故その記憶が無い!
リピート映像プリーズ!!
〈え?再生しますか?〉
「あるの!」
〈ですからフィナ嬢が起きてしまいますよ〉
ああ、そうだった。
私の胸に顔を埋めてくるフィナちゃんを軽く抱きしめ頭を優しく撫でる。
そうだ。
責任を取ろう。
〈このまま京都へ行く感じの気軽さがMAXですね。チャラ感が半端ないです〉
責任取るからチャラくない。
兎に角、早くフィナちゃんのご両親を見つけてご挨拶&娘さんを下さい宣言しなければ。
〈そうですね。どちらにせよ急いだ方が良いのは確かですね〉
あれ?突然の真面目モード?
なんかあった?
〈フィナ嬢の一族の集まっている結界が何ヵ所か破られているそうです。そこにフィナ嬢の両親がいたかは、わかりませんが〉
「なんですって!」
「ふあ!」
「あ、ご、ごめんなさいフィナちゃん」
「え?え?」
〈武力介入しますか?〉
「yesよ!絶対に救いだして」
〈ラージ。
発令:武力介入許可。
フィナ嬢の一族、トルティーヤの民の救出が最優先〉
《ラージ。
武力介入許可受諾。
中隊長各位は現在の確認が取れているエリアの結界ポイントに各一個小隊を派遣。
中隊長はエリア情報の確認とマップ製作を継続。
オーバー》
《第一中隊了解。目標を捕捉》
《第二中隊了解。目標を駆逐する》
《第三中隊了解。狙い撃つぜ!!》
《第四中隊了解。介入行動に入る》
《第五中隊了解。目標を破壊する》
《第六中隊了解。目標を消滅させる!》
《第七中隊了解。圧倒させてもらうぜ!》
《第八中隊了解。フローティングモードへ》
《第九中隊了解。俺が、ガン○ムだ!》
《第十中隊了解。貴様はガ○ダムではない!》
《……各隊の検討を祈る。オーバー》
「……み、皆お願いね?」
〈台無しですね〉
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます