第19話
11機の兵隊さん達は一斉に空中に飛び上がると変形して壁を軸にして扇状にバラバラに飛んでいってしまった。
「はあ!空飛べるんだ。いいなー」
〈まあ、奈留も飛ぼうと思えば飛べますけど〉
「え?マジで!」
〈ただ、今は単独飛行は止めた方がいいですがね〉
「え?なんで?」
〈領域から出た瞬間に空飛ぶトカゲに齧られる確立90%〉
「え?マジで?兵隊さん達大丈夫なの?」
〈彼等は対抗手段もありますし、流石に調査するのですから光学迷彩位は使っているでしょう〉
「ああ、そうよね」
〈領域の上空だけでしたら垂直に飛んでみますか?〉
「え!やりたいやりたい!」
〈では、ストレージからレッド○ルを取り出して下さい〉
「いや、レッドブ○飲んでも空は飛べないから」
〈翼を授けるらしいですよ〉
「いや、あれはCMの謳い文句でしょうが!」
〈まあ、騙されたと思って〉
「本当でしょうね。たく」
レッ○ブルを手に出現させ、イッキ飲みしてみる。
「うう、炭酸キツイ。けぷ」
〈どうです?騙された気分は〉
「あんた、やっぱり最低だ!」
「な、奈留お姉ちゃん?」
「ああ、ごめんね、フィナちゃん。只の独り言だから気にしないで」
「う、うん」
ハア、本当に飛べたらフィナちゃんと空中散歩出来たかもなのに、残念。
「な、奈留お姉ちゃん!凄い!背中に羽が生えてる!お空飛べるなんて、やっぱり奈留お姉ちゃんは女神様なんだね!」
気落ちしているとフィナちゃんの興奮した声が聞こえる。
だけど、声は段々小さくなっていき……
「うわ!飛んでる!どうしてって高い高い!怖い!」
〈おや、無事〔妄想の現実〕が発動しましたね〉
「なんで?本当に○ッドブルって翼を授けちゃう効果があるの!?」
〈そんな事あるわけないでしょう。奈留のスキルが発動して、その効果がレ○ドブルに付与されただけですよ。
私はそうなるように、そのサポートをしただけです〉
「す、スキル?」
〈はい。スキルです。因みに〔妄想の現実〕は元々のスキルではなく、奈留のスキルの派生系でしょうか〉
「え?私の元々のスキルって何?」
〈それは……〉
「そ、それは?」
〈禁即事項です〉
「またそれぇ~!訳わからないよ!私のスキルでしょう!」
〈その為のサポーターです〉
「ハア、まあ、いいわ。兎に角下ろしてくれない」
〈奈留が降りよう思わなければ延々と上り続けますが〉
「え?ちょっと、どうやって降りるのよ!」
〈ですから、奈留が降りようと思えば降りれると〉
「……降りる。降りよう。降りるれば」
〈なんの三段活用ですか?〉
「だ、だって落ちるイメージしか……きゃあぁあぁあぁあ」
〈良かったですね。降りてますよ〉
「いぃいぃやーぁあぁあぁ、落ちるぅうぅうぅ」
〈あー。奈留、この落下速度ですとフィナ嬢が巻き込まれて死亡する確立85%〉
「だ!駄目ぇえぇ!stop!止まれぇえぇえ!」
地上30m付近で急停止した。
「ハアハア。ゆっくり、ゆっくり降りるよ」
胸の前で両手を握り目を閉じて集中しながら、ゆっくり降下する。
両足に地面の感触を感じ、安堵の息を吐き目を開けた。
「奈留お姉さま。マジエンジェル」
身体に強制力を行使したせいか身体がホンノリ発光していた。
そして、フィナちゃんが蕩けた顔を向けいる。
〈あれはもう信者の目ですね。おめでとうございます〉
「何がめでたいのよ!私はどちらかと言えば愛でていたかったわ」
〈愛撫くらいは受け入れてくれるのでは?〉
「私に悪魔の囁きを囁くなー!」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます