第3話
「て!周囲の安全確認してないやん。もうどないしよ。誰か助けてー」
ふう。と言っても私1人しかいないので、しょうがない。
そこら辺をてくてくと見回ってみる。
湖の周りは全て壁に囲まれていて繋がっているとしても水の中だろうか?
でも、水は上から滴っているぽいのだよ。
さっき程から一ヶ所だけに、ぽちゃ、ぽちゃと水滴が落ち水面に波紋を広げている。
水晶と鉱石のある方には道っぽいものが続いている。ならば向こうを探索するべきか。
少し歩いてみる。
足元は水晶と鉱石でゴツゴツしている。
うん。靴が出来てくれて良かったよ。
流石にこれは感謝かな。
下着も早く欲しいが。
うう。股下がスースーする。
マントのおかげでお尻は寒くないが、マントが微妙にさわさわして、くすぐったい。
このマイクロミニ、歩くと直ぐに捲れるので、手で押さえながら歩く事になり、もしも誰か見られたら、誘っている痴女にしか見えない。
早く人に会って状況確認と情報収集したいところだが、このままだと情報を持ち帰る前に私が誰かにお持ち帰りされてしまう。
実際、私は自分の姿を見てお持ち帰りしたかった。
とにかく、早めに安全確保しなければ。
この洞窟の安全確認は急務だ。
とりあえず、この状況で誰かに出会っても問題無いように身ばれ避けに仮面を被ってみる。
真っ暗で何も見えない。
「使えへんやん!」
思わず叫ぶと〈エンチャントしますか?〉真っ暗な仮面内に白文字で表示された。
どゆこと?
「なに?エンチャントって?何が出来んの?」
すると、そこには
①モニター画面
②感知スキル全般
③マップ表記
④ステルス機能全般
⑤危機管理モード
⑥状態異常緩和
⑦思考誘導強化
⑧自己強化促進
⑨回復力強化
⑩浄化
⑪錬成物成功率・極アップ
⑫錬成物効果・極アップ
「んと?なんか様分からんけど全部で」
いきなり周りが開けたような感覚に陥り、若干頭がくらくらした。
それでも、何となくこの地下洞窟は安全であることが解る。
地上へのルートは一本だけのようだし、それほど広くはないようだ。
因みに生物は私以外居ないぽい。
これも感覚的なものなのでそうとしか言いようがない。
「おおう」
思わず声が漏れる。
何かいきなり情報優位者になった感じだ。
けれども、これで安心して休める。
「せやけど、せめて敷物でもないと尻が痛とうてかなわんなぁ」
ごくっと生唾を飲み、もう一度だけ物を生成してみる。
人を駄目にするソファーベットが出来た。
「おおお?敷物?しかし休むのに最適やな。お尻にも優しいし。しかし、ソファーか?これは近いんか?もしかして、これ来とるんかな?」
こ、これはもしかしなくとも、もしかしてより理想のイメージに近づいてる?これは下着いけんるちゃう?
「下着来い!下着!」
トライしてみた。
ブラが出来た。
「おおー!来たでー!遂に来おった!つ、次や次!」
リトライしてみた。
キャミソールが出来た。
「おおー!いいやん!いいやん!次次!」
更にリトライしてみた。
ブラが出来た。
「ま、まあ予備は必要さかい!次行こ!次!」
リトライしてみた。
靴下が出来た。
「いや!まあ、予備!うんうん。靴下も予備必要やな!もちろんやで!つ、次!次行こうな!」
リトライしてみた。
ウルトラスリムなあいつが出来た。
「いーやー!だーかーらー!相方!相方をおくれー!」
とにかくリトライしてみた。
ショルダーポーチが出来た。
ガクッ。
「なんね!なんなんね!なあ!お願いします!お願いですから、ショーツ下さい!」
リトライして……
すると、〈錬成固定化は以降ランダム錬成が出来なくなります。よろしいですか?〉とモニター表記された。
「え?どゆこと?」
〈以降はショーツ以外は錬成出来なくなります。よろしいですか? yes・no〉
「え?それは嫌やな。noで」
〈ランダム錬成を開始します。〉
〈生成しました。〉
ショーツが出来た。
「あああ。ようやくや、ようやく。ううぅグスン。大事に、大事に使うからな。うちの処来てくれてありがとーな。グスン」
パンツ抱き締めて泣いてるノーパン女は端から見るとえげつないな。とか思いつつ、いそいそと履いてみる。
「はあー、安心するわーこのフィット感。何かこれ履いてるだけで守られてる感半端ないわー」
安心したら眠くなったので、人を駄目にするソファーベットに座って休むことにする。
「お休み。いい夢観れそうや……で……すうすう」
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