第8章

第102話 女神見習い、釣りに挑戦する


 「あー、魚が食べたい……」

 「ん」


 というのも、アルさんのお土産で食べて以降久しぶりの魚に感動したことが原因。

 アルさんもそのお土産を最後に天界へ戻ってしまったので頼むこともできない。

 時々、神様は泊まりに来るけど、ほとんど顔を合わすことなく代金を置いていってしまう。

 アルさんやメルさんなら頼むこともできるけど、流石に顔も知らない神様に頼むのはおこがましいし……


 海は遠いらしく、街でも新鮮な魚は手に入りにくいという……どっかの海辺の街に瞬間移動すればいいんだろうけど、それはそれで面倒だな……



 「あ、そうだ!そこの湖でなんか釣れないかな?」


 そうと決まれば感謝ポイントで釣り道具セット【初級:作業服(撥水)、ブーツ(撥水)、竹の竿、バケツ、???の餌、ただの餌】を交換した。


 「よし、これでいける」


 作業服に着替えブーツを履いて手には竹の竿とバケツを持つ……目の前に湖があるのだ。とりあえずやってみよう……それがたとえ引きずり込まれそうな不気味な湖だとしても……


 「ん、一緒に行く」

 「ありがとう……ブラン念のため見張りよろしくね?」

 「ん、任せておけって」


 ブランが見張りをしてくれるなら釣りに集中できる。

 まずはただの餌をつけ糸を垂らす……待つこと数時間……


 「……まったく反応ないな」

 「……ん」

 「餌変えてみるかぁ」


 ???の餌につけかえ糸を垂らすと


 「うぉっ……かかった!」

 「ん、頑張って」


 餌を変えた途端にかかるなんて、ラッキー!


 「やばい……竿が……」


 竿が大きくしなり、判断を間違えればすぐに折れてしまいそうだ。それに竿にはリールなんかない。糸を手で手繰りよせようにも竿から手は離せないし、リディにさせるには危ない。糸を巻くかわりにじわじわと湖から離れる。


 格闘することしばらく……


 「つ、釣れた……」


 地面に上がってもまだビッタンビッタンと跳ねている。でも釣り上げてしばらくすると勝手に生き絶えた。

 ただ、竿が犠牲になってしまった。流石に重さに耐えきれず折れてしまった。


 「これ、魔物かな?」

 「ん、多分……」

 「食べられるかな?」

 「……ん、わかんない」


 案の定釣れたのは魔物。体長1メートル超えの大物だ。トゲトゲした背びれ、鋭い歯をしていて硬い鱗に覆われているみたい。この歯ガブリとされたらひとたまりもないだろうなぁ。

 でも……この湖にはもっと大きな魔物がいそうな気がする。

 解体は素材全部と食べられる部分に設定。

 大量の鱗と骨(歯含む)背びれと切り身ゲット。

 鑑定すると切り身は食用可となっていたけど、背びれは毒針になっているため取扱注意だな。


 「切り身は食べられるみたい。ユリスさんにお願いしよっか」

 「ん……楽しみ」


 リディのユリスさんへの信頼が厚い……切り身の色は紫がかってて不気味だというのにユリスさんなら美味しくしてくれると信じてる……え?わたし?料理に関してはまったく信用されていませんが何か。


 さすが生は怖いので火を通してもらった。料理代は鱗と骨でいいって……加工して使えるらしい。

 もちろん、キュリエルとユリスさんも一緒に食べたよ?

 切り身の色は紫がかってて不気味だったけどめちゃくちゃ美味しかった。いつか海鮮丼とか食べたい……お米はないけどね……はぁ。



 「はー、美味しかった!」

 「ん」

 「よかったです」

 「そうだ!ユリスさん、頑丈な釣り竿作れます?」

 「ええ、多分……専門ではないので試行錯誤するかもしれませんが」

 「さっきの釣りで竿折れちゃたんで、作ってくださいっ」

 「ん、お願い」

 「つまり、ユリスが竿を作らないと魚が食べられないってこと?」

 「そうなるね」


 じー……


 「わかりました。なるべく早く作りますね」

 「お願いしますっ。必要なものがあれば買ってください!お金は私が払うので!」

 「わかりました。頑張ります……一応折れた竿もお借りしていいですか?」

 「あ、どうぞどうそっ」

 「ねえねえ、エナ……もちろん釣ったらお裾分けしてくれるんだよね?」

 「そうだねー……料理作れるのユリスさんだけだし……」

 「ん、わたしも料理手伝うよ?」

 「そっか、そうだね!」

 「ということでお願いしますねー」

 「はい」

 

 数日後には手元に真新しい竿が届き、美味しいお魚に舌鼓を打つのであった。

 あ、やっぱりただの餌では釣れなかった。???の餌って魔物用ってことかな……竿も折れなかったし、ユリスさんに頼んでよかったー。



◆ ◆ ◆ 


【ステータス】 


 種族:女神(見習い)/人族

 氏名:エナ・ハヅキ

 状態:通常

 体力:400/400

 魔力:55500/55500

 運:75

 冒険者ランク:C

 商業ランク:☆


 スキル 

 ・火属性魔法レベル3

 ・水属性魔法レベル3

 ・風属性魔法レベル3

 ・地属性魔法レベル3

 ・光属性魔法レベル3

 ・回復魔法レベル3

 ・状態異常無効レベル4

 ・接触防衛レベル3

 ・火属性耐性レベル2

 ・水属性耐性レベル2

 ・風属性耐性レベル2

 ・地属性耐性レベル2

 ・光属性耐性レベル2

 ・闇属性耐性レベル2

 ・体力自動回復(中)

 ・魔力自動回復(大)

 ・成長経験値上昇(大)

 ・精霊魔法 レベル2

 ・瞬間移動 レベル3

 ・料理レベル2

 ・栽培レベル3

 ・解体レベル2

 ・修繕レベル3

 ・世界地図レベル3

 ・採掘レベル2


 特殊スキル

 ・女神の祝福レベル4

 ・女神の浄化レベル3

 ・女神の調合レベル3

 ・女神の心眼レベル4

 ・女神の聖域レベル4

 ・言語翻訳

 ・感謝ポイント〈90927ポイント〉累計〈127427ポイント〉


 ー称号ー

 巻き込まれし者・当選者・女神見習い・中堅冒険者・ギルド公認ポーション職人・神様の宿屋主人


 ー加護ー

 慈悲の女神フィラの加護・慈悲の女神の部下コルドの憐憫・大地神アルネルディの加護・愛の女神メルディーナの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの加護・鍛治の神ウルカスの加護



 その他機能【交信】【履歴】


◆ ◆ ◆


【ステータス】 


 種族:人族

 氏名:リディア

 状態:通常/忘我の呪い[942012]

 体力:400/400

 魔力:700/700

 運:5(ー62)

 冒険者ランク:E


スキル 

 ・火魔法レベル3

 ・水魔法レベル3

 ・風魔法レベル3

 ・闇魔法レベル1

 ・闇属性耐性レベル1

 ・隠密レベル3

 ・気配察知レベル3

 ・状態異常耐性レベル3


 ー称号ー

 呪われた少女・新人冒険者・神様の宿屋看板娘


 ー加護ー

 献身の騎士の守護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの加護・鍛治の神ウルカスの加護



◆ ◆ ◆


【ステータス】 


 種族:キラーバード

 氏名:ブラン/?????

 状態:通常

 体力:470/470 

 魔力:350/350

 運:28 


スキル 

 ・風魔法レベル3

 ・状態異常耐性レベル4

 ・隠密レベル5

 ・気配察知レベル3


 ー称号ー

 献身の騎士・リディの従魔・神様の宿屋用心棒


 ー加護ー

 ????の加護・慈悲の女神(見習い)の加護・大地神アルネルディの加護・精霊キュリエルの友誼・調和の神モニークの加護・秩序の神オルドルの加護・狩猟の神テミの興味・鍛治の神ウルカスの加護


◆ ◆ ◆

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