第1回想―あの頃のクリスマス
中学生一年になった僕は、同い年の学校では知らない人はいない美少女と家にいる。
「フーン、フーン♪」
つややかなロングーヘアの黒髪。
可愛いサンタ衣装を袖を通した実の妹の
「優衣えーと、僕なんか一緒クリスマスなんていいのか?」
飾り物の鈴を落とす優衣は、世界が終わるラグナロクを神託で知った表情で振り返る。
「お、お兄ちゃんは・・・わたしなんかいて迷惑だった」
「なっ、そんなことない!
優衣が居なかったクリスマスなんてリア充を憎悪のクリスマスになっていたんだから」
「それは、どうかと思うけど。
どうしてそんな事を訊くの?」
首を傾げる優衣、か、可愛い。
「・・・優衣ってモテるだろ。
だから誰かと付き合っているのかなって」
「えへへ、もしかして
イタズラな質問しているのに、そんな明るい笑顔で言うなよ。ドキッとするじゃないか。
「は、はぁ!?違う・・・誰かと付き合っていたら嫌だけなんだからなぁ」
「・・・う、うん。そうなんだね」
や、やめろ!?涙目で上目遣いなんて卑怯すぎるだろ。もじもじする優衣はどう思ったんだ。
「と、とりあえず。早く片付けるぞ」
「う、うん。早く終わらせよう」
クリスマスイブは装飾。その
夕食の食卓はいつもより豪華で食欲が旺盛の原因の一端が優衣の手作り料理だ。
「うわぁー!すげえぇーー!」
「えへへ、お兄ちゃんと中学での記念の初クリスマスだからねぇ。 気合を入れ過ぎたよ」
二人しかいないのに量が十人分ほど並べている品の数々。
ケーキ、ローストチキン、からあげの山積み、フイッシュアンドチップス、ポテトサラダなど。
これをたくさん食べないといけないなぁ。
「気合の入れ過ぎだよ。
でも、美味しそうだし理想郷が見えるぞ!」
「えへへ、まだ食べる前なのに」
微笑を浮かべる優衣に僕も声を出し笑う。全部は食べれないが可能限り食べないといけないなぁ。
お互いの定位置にイスを座り向かいに優衣。
「お兄ちゃん。ハッピクリスマス!」
「優衣。ハッピクリスマス!」
その日は去年の小学最後のクリスマスよりもよそよそしく甘い空気が広がっているリビングは二人で
少し大人に近づいた過ごした。
クリスマスは2度ある。いやぁー幸せだなぁ。25日、中学の帰り道に優衣と隣り合って歩く。
こうすると、まるで恋人みたいだ。
「お兄ちゃんまた勉強中に居眠りしてノート移していないよね」
「ぐっ!だ、だってよ。
中学に上がってから授業が難しいくなっているんだぜ」
優衣は容姿端麗という難しい四字熟語を教えてくれた。意味は顔が整ってキレイな女の子に使うと。
イケメンの場合はびもくしゅんれい?かな・・・そう言っていた。
そんな優衣は勉強が優れていて
運動神経もいい疑いもない完璧美少女。それに引き換え兄は成績は悪く運動神経もわるい。
「お兄ちゃんはやる気がないだけなんだから本気を出せば、わたしよりも上にいくんだからね」
「その期待に絶対に添えないと思う・・・と、ともかく僕も優衣と肩を並べるようにしないとなぁ」
高校受験で優衣とは別々の学校になるか慈悲深い女神ユイが下天の高校に通う僕と同じに入学するか、どちらも嫌だし認めない。
対等に迷惑をかけないように優衣と高校も隣にいるために。
「わ、わたしと肩を並べる・・・」
「ゆ、優衣?顔が赤いけど大丈夫か。風か?」
「違うよ、そんなことよりも
勉強クイズだよ。病院の英語は?」
「え、えーとホスピ」
「ブッー、ブッーだよお兄ちゃん。答えはホスピタルなんだよ」
「ぐっ、さぁ来い!
こうなったら優衣クイズを答えてみせるぜぇ」
「うん、いい気合だね。それじゃあリンゴの生産量一位の都道府県は?」
「長野県!」
「惜しいよ。2位が長野県で正解は青森県だよ」
帰り道は優衣が僕のためにクイズを出題して知識が増えて勉強につなかる。そう言えば苦手の食べ物も克服できたのも優衣のおかげだし。頭が上がらない。リビングに入って優衣は料理を作り1時間の間は僕は勉強をする。
「お兄ちゃん出来たよ!」
「うん、分かった」
返事して部屋を出てリビングに入ると昨日とは違う料理が並べられていた。
ブッシュ・ド・ノエル、七面鳥の丸焼き、
「もしかして全部を作ったの優衣?」
「うん。出費はパパが多めに買って貰ったからねぇ。
お兄ちゃん嬉しいかな?」
「嬉しい以外なんてないよ。
優衣の手作りか・・・どんな味かダンスしたくなる。見よ僕のダンスを」
「お兄ちゃんはしゃぎ過ぎだよ。えっへへ」
ついテンションが上がりすぎた僕を微笑む優衣。
「バカなことはこれぐらいにしてと。優衣ハッピクリスマス」
「うん。ハッピクリスマスお兄ちゃん」
もう一度あの体験をとハッピクリスマスを伝えると昨日と違っていた。今日は上手く話せている。
きっと大事な思い出として高校生になって大人になっても思い出して優衣と笑っているだろう――
僕は2度とあの頃のクリスマスが訪れない夢を見ていたようだ。
「・・・・・どうしてあの頃の夢を見たんだ僕は」
3年前のクリスマス。高校生一年になった僕は本当の孤独を知った。
「優衣・・・・・」
だけしか流していない。
名作の映画やマンガを見ても流れなくなった。
「必ず優衣の夢を継いでみせる」
僕は優衣の夢だった人を助ける。
漠然としていて荒唐無稽だと現実に打ちひしがれる。だけど絶対に
やってみせる。
「お兄ちゃん朝だよ!」
「
優衣が亡くなってから父親は再婚してその娘である瑠香だ。
この瑠香を妹として見ていない。
気を本当に許してもいない。
「お兄ちゃん泣いているの?」
「・・・少し悪い夢を見てね。ともかく今日は珍しく早いね」
いつもは僕より起きるのが遅いのだが、どうしたのか。
「えーと、誰かの声がしてお兄ちゃんを支えてて頼まれたんだ」
「・・・頼まれた?」
「あぁー、今のは忘れて。
ほら起きてお兄ちゃん」
「それを瑠香が言うのか」
「むぅ、わたしだって
でも知らない人が鮮明で可愛い女の子が夢で驚いたなぁわたし」
瑠香は、よく分からない言葉を呟きが気になって仕方なかった。
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