第17話イブニング・アセンブリー
高校入学してからもう一ヶ月は経つ。一年生である抱く未知の校内なども見慣れていく時期に、上級生のナンパが増加傾向。一年生がすこぶる可愛いからかナンパに生き甲斐とするのか推論に至るほど情報が少ない。
(誰かが裏で扇動しているのか。
だとしたら目的は?する理由は、どうしてナンパをしようと決意させたのか・・・・・それとも僕の
自称進学校と名乗る実際はそこそこ偏差値だけと管理的なカリキュラムとルールの進学校ではない。
この
(一体なにが、どうなっているんだ。まったく理解できない)
「おはよう仁科くん。今日もいい天気だよね」
いつもの席に一年一組の窓際で座っていれば今出川菫が挨拶した。想定内だから、このまま考察して挨拶しよう。
「そうだな。おはよう」
「え!?」
「ゴホッ、ゴホ!風かな?」
僕の挨拶に今出川は身体ごと驚いていたことに怪訝に思ったが、思考の妨げになると判断してスルー。咳き込む真田信綱を耳に入り一瞥すると、僕の対応が素だとことに気づいた。
「あっ!ああぁぁーー、今出川さんだ!?
こんな僕に声を掛けていただき大変に望外であります!」
失念していた。僕は劣等生という立場を振る舞っていることを。
素の挨拶に対応したことで目を見開く生徒は僕のしどろもどろ全力に不快な表情、侮蔑を向ける。
「ま、またユーモアな言葉で」
今出川は呆れて苦笑する。
「そ、そうだね。あはは」
くっ、気を緩んでいたか。今出川は他の人に挨拶を周る。勘がいい人に僕を刺すような視線を感じる。バツが悪い感情は授業が終わった放課後まで感じた。
「仁科くん。それじゃあ行こうか!」
今出川は僕の裾をつかんで離さないと言わんばかりの笑み。フム、こやつ逃がさないと目が怒っているではないか!
年頃の女の子の気持ちはわからん。・・・って同い年だから、おかしいか。
「そ、その恥ずかしいので離してくれないかな」
「・・・だ、だって先日はどこかにいなくなるし、こうしないと
離れていくんだから」
よし、ストップだ今出川。
その恥じらいと涙目を付属した上目遣いは周囲の反感がスゴイ。
ここにいたり僕は授業で感じた疑惑の眼差しが
「と、とりあえず廊下に行こうか」
「そうだね。行こう、行こう!」
フム、恥じらいの変化が早すぎる。やっぱり演技じゃねぇか!
桜色の頬と満面な笑みをしているが。二人で教室を出ると廊下で呉羽と遭遇した。
「あっ!タイガーお疲れ様」
「あ、ああ。お疲れ様?」
疑問符を入れないと周囲に勘繰りされるため
目立つから人気が少ない所で話せといたんだが、どうして同級生が多い、この廊下で。
「に、仁科くんこの人は?」
強く裾を
それに目が据わっていないか今出川の奴。
「え、えーと・・・・・」
「ぼくはタイガーの・・・か、彼女の師走呉羽と言います。
えへへ、よろしくね」
ふん、つまらない嘘を。こんな
「仁科くんの・・・・・か、彼女・・・」
「今出川さん!?どうして泣いているんですか!!」
僕の問い掛けに今出川は泣いていることに指で確認して分かると、深く
「わあぁ!ごめん、ごめん。
今のは嘘だから気にしないで!」
まさか、
「・・・ぐすっ、ほ、本当なの仁科くん」
「本当、本当。呉羽とは・・・」
注目されている中で答えるべきか
「ただの知り合いだから。
なんにもないよ」
呉羽はそう言ってうまく答えた。
「そ、そうなんですね。よかった」
「タイガーは少し、ぼくと来てもらっていいかな?」
呉羽の言葉に従い今出川を連れて屋上へと足を向ける。よりによって、ここか。屋上に入ると山本晴幸ら三人がすでに来ていた。
「遅かったなぁ虎繁」
「わるぃ遅くなってしまったのは色々とあってなぁ」
「久し振り・・・じゃないか」
呉羽は相変わらずの知的メガネキャラを壊した明るい表情と軽快な言葉。
「一昨日の報告に生徒会に寄ったからなぁ。ともかく呉羽がいるのは構わぬが邪魔はするなよ」
「むぅー、晴幸のくせに偉そうだぞ」
不機嫌の二人に僕は嘆息する。
どうして幼馴染どうし仲良くなれないのか。僕も呉羽にあしらうから人のことを言えないが。
「な、何ていうか元気な人だよね師走さん」
「そういう奴だからなぁ」
「あぁー!タイガーに気軽に話を掛けるの気になったんだよ。
ねぇ、タイガーこの美少女とは付き合っているの?」
「ふぇ!?」
やめろ今出川。僕のように仮面を被るお前に呉羽は知らないんだ。
勘違いさせることは、やめろ。
「つ、付き合ってはいない」
「・・・・・」
露骨に落ち込むな演技はやめろ今出川。「怪しい・・・」と呉羽はまだ要領の得ていないようだ。
「はっはは、面白くなってきたよ。いわゆるハーレムだな」
「だな
何かを勘違いして、愉快そうにする尾田政治。雑に答えるのは真田信綱。ハーレムに見えるのかこれを?
「さあタイガー!」
「だあぁーー!分かった。
かなり
本当に経緯とか説明せず呉羽に今出川を今出川には呉羽を簡単な説明をした。
「まさか師走さんとは幼馴染なんて・・・手強い」
「その反応からして・・・学園一の美少女を手強い」
「なにが手強いんだ?」
僕の問いには、二人は苦笑するだけ。なんなんだ一体。
「ともかく事情は分かったよ。
心の支えになってねぇ今出川さん」
「ふーん、心の支えですか。
なんだか含みがある言い方です」
呉羽は明るい笑顔で手を差し伸べる。今出川は何故か不快そうな表情で握手をする。それにしても今出川は何が不満なんだ?
「ううん、裏とかそんな余裕の意味じゃなく本当に支えになってほしいんだ。ぼくには難しいからね」
寂しげにする儚く笑う呉羽・・・・・。
「は、はい師走さん!」
さすがに真摯な言葉を感じ取った今出川も真摯に答える。
「ニャハハ、ぼくの事は呉羽って呼んでよ。師走なんてかわいくないでしょう」
「はい、分かりました呉羽さん。私の事も菫って呼んでください」
「分かったよ、すみれ」
仲良くなったは、いいが呉羽よ生徒室に向かわないといけないじゃないか。
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