第13話あの気持ちは恋煩い
「送ってくれてありがとう真田くん」
私を家の前まで護衛役と名乗りを上げた真田くんに頭を下げて真心を込め感謝します。
「どういたしまして今出川さん。
でも虎繁くんじゃなくて申し訳なかったけど」
「な、なんでそこで!? 」
真田くんは教室内での高いステータス相応しい青春映画ようなイケメンスマイルで言ってきた。
仁科くんと帰れなかったのは残念だけど、悪魔で!人として気になっているからでカッコいいなぁと思っているが恋心ような意味はない。
「はは、虎繁くんも光栄だろうね。それよりも今出川さんの自宅が想像通りすぎて
「よく言われますけど想像通りですか?」
「うん。ラノベやマンガの美少女キャラではよく立派な家っていう事が多いんだよね」
「な、なるほど?」
「はは、今出川さん
マンガは読みますけど、らのべ?というものは知らない単語ですね。彼が思う美少女の理想像である概念的なものに個人によるものじゃないか思う。そうだとしても事実によく似合う家など何度も言われてる。
「それじゃあ、バイバイ真田くん」
「ああ、また明日」
来た道を戻って行く彼は後姿で手を振る。かなり様になっていてカッコイイけど不思議と仁科くんほどカッコイイよくないと思えるのは。どちらが、カッコイイなんて
真田くんだって一目瞭然なのに。
(急に落ち着かなくなってきた。
どうしていつも仁科くんの事を考えるとこんな気持ちになるの)
モヤモヤした気分のままドアノブを開けると、我が家に
「ニャー」「にゃー」
「えへへ、ただいま。
ニャータン、ニャーゴロ♪」
モヤモヤ感は完全に消え、私の一日の疲れは2匹の愛くるしさに元気が湧いてきます。
「よし、よし。おいて、おいで」
「ニャー」「にゃー」
くうぅー、かわいいすぎます。
ニャータンは
ニャーゴロの種類はベンガルで
私が中学生の頃に拾った。どちらも子猫のときに運命の出会いをした大事な家族です。
「おかえりなさい
「うん。ただいま、ママ」
今日もドラマを観ていたのか片手にはお菓子を持ってやって来たママ。リビングに入り冷蔵庫から牛乳をコップに入れて白ソファーに座り夕方のニュースを頭を空っぽして観る。
「ニャー」
私の膝にニャータンがジャンプして来てくれました。ついて来てここが定位置だと言わんばかりの行動に私はメロメロ。
「ニャータン。かわいいよーー」
「ニイィヤ・・・・・」
ニャータンの頭を優しく
「えへへへ」
「菫たらまたスゴイ顔をしているわよ」
「そうかな」
「そうよ。小さい頃はニャータン、ゴロ、みたいにママに甘えてくれたのに」
「うん、何度も聞いたよそれ。 過去を掘り返しても私はママに甘えらないんだから」
コップを傾きゆっくり流れていき
乾いた喉に優しい味が満たされていく。うん、
「ふふ、それは残念ね」
「あー、はい、そうだね。
ほらニャーゴロ、ナデナデだよ」
「にゃー・・・」
ニャーゴロあご下にナデナデ。
ニャー、にゃー。
「ニャー、にゃー」
存分に癒やされた後は入浴。
もちろんニャー達も一緒に。
ニャータンとニャーゴロは小さなバスタブに浸かる。小さなバスタブはお
「にあゃー。えへへ」
広いバスタブに各種のシャンプなどキレイに整理していて真っ白な壁と床。これが至福の時間と言うでしょうね。
「ねぇ、聞いて。今日も仁科くんが冷たいんだよ。最初はふりだと思ったけど違っくて本当に
興味もなくて、こんな人がいるんだって・・・あれ?前の話をしている?」
うーん、仁科くん。インパクトがあるから不満はいっぱいあるんだけど、ミステリーな所がある。
そこが魅力だけど。
「私って学園一の美少女と呼ばれているから容姿には自信があるんだけど、テングだって実感したんだよ。仁科くんといると色々と学べるんだよねぇ」
「ニャーニャー」
ニャータンは可愛く鳴いてくれます。相槌を打っているかも。
「夕方会議っていう屋上でやっているんだけどねぇ。それが報告や解決案とかあるんだけど、ほとんどの活動が掃除とかごみ拾いとか荷物とか運んだりして、思ったより楽しいんだよね」
よく思春期がなる
言葉は乱暴なのに優しさが隠れていて、成績が悪いと言って置きながら言動はかけ離れている。
「結論、
「ニャーニャー」「にゃーにゃー」
合唱のようにかわかわ鳴き声。
「えへへ、応援かな?私がんばるよ」
何を頑張るか決めていないけど。
お風呂を上がりバスタオルで拭く。タオルで体を隠してからドライヤーを掛ける。長い髪だと時間が掛かって億劫だけど仁科くんが見惚れるようになるなら努力は怠らない。
「なんだか楽しいなぁ」
美意識は前よりもやる気にあふれている私。時間が掛かり過ぎてもそう思えなくなるのは、あの人を仁科くんが反応を想像したら
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