第5話警戒心と敬愛的
5月ともなれば
さすがに考えすぎか。
「あそこでいいか」
僕が指をさすのはベンチ。
廊下から遠い場所。
「あっ、うん。いいよ」
少し不思議そうにしながらも返答する。ベンチを座ると何故か右の近くに座る。こぶし一つ分程度の距離で。
「えーと、今日は雲一つもない。
いい天気ですよね」
「ハァー。お前、
「そうだよね。あっははは」
「チッ、なに作り笑いを浮かべてやがるんだよ」
「ご、ごめんなさい・・・・・」
膝に置いていたお弁当を開け箸を持ったままシュンとなる。
「いや、僕が悪かった。ごめん」
「・・・うん」
「今を言ったことは本性だけど
本気じゃねぇんだ。
僕ができる範囲があれば
なんでも言ってくれ」
下げていた顔を
睨んできた。
「でしたら、次も・・・私が満足するまでお昼に付き合ってください」
「確認だが、それは学校での中だよな?さすがに休日は無理だぞ」
悪態の一つでも吐くと決めつけた僕はその以外な言葉に用意した回答が出来ずに思ったことを素直に言葉にすることにした。
「うん。いいよ・・・えーと
「・・・・・どうした。顔が赤い上に落ち着かないようだが?」
この反応に好きでは無いかとバカな発想したが、
考えられる病状も思いつかず
直接本人に問う。
どうしたのか、質問を掛けると
肩が跳ねるように動き視線は向けたり逸らすのしどろもどろ。
「あ、あの・・・・・えーと
仁科くん休日ってなにをして
過ごしているの?
わ、私はねぇショピングとかなんだよ」
「あ、ああ・・・休日なぁ。
本を読んだり勉強ぐらいだな」
そんな当たり前の事を訊くのに
そんなに慌ててたのか。
本当に危険かもしれないなぁ。
「そ、そうなんだ・・・
私も本が好きなんだ。
以外かもしれないけどライトノベルも読むんだよ私」
「知らんな。なんだそれは?」
「えっ!?お、おかしいなぁ。
オタク
ライトノベルぐらい知っている。
前はけっこう読んでいた。
あの頃はラノベオタクと言っていいほどに。さて、質問は終わったようだし。
「話は終わりだ。僕は読書する」
ブレザーの懐から本を取り出し
片方は登校中コンビニで買ったコッペパンを食べる。パンのカスが落ちないよう気をつけて。
「えぇー!?仁科くんすごい
「・・・・・」
「仁科くん。聞こえている?」
「・・・・・」
「ま、マジですか」
何か隣で騒いでいるが、読書中に声を掛けるなどマナー違反にもある。シカトという失礼な返しにも不満そうにされる言われはないと思ったことが時間の浪費と判断して除外。
この読書スタンスは賛否両論あるだろう。
集中できないなど。それはともかく
この時代の人々だと猫の扱いが雑だったりする。現代人からすれば理解を苦しむ内容もあるが
昔の認識や行動など知り学べることもある。それを比較すると今は
改善していると実感もできる。
「・・・・・」
「・・・・・」
「・・・どうして、いるんだ?」
スマホを
「あー!やっと読み終わった。
信じられないんだから。
どれだけ声を掛けても無視するから!」
途中からちょっとご立腹となる。
いや、全力で怒らないのか。
「僕にまだ用があるのか?」
「あるよ!いっぱいだよ。
ねぇ、昨日どうして私を助けたの」
「お前のような美少女をカッコよく救えば
「なぁ・・・デリカシー無さすぎ!!そ、そう言うのは、もっと段取りと言うのかゆっくり愛を育んで使う言葉でしょう」
「冗談だから本気にするな。
他には?」
こういう言葉には慣れていると思ったが顔を赤くかなり戸惑っていた。うーん、リア充や昨日の告白などで余程のことじゃないと
赤くならないと思ったんだが。
「むぅ、答えてくれない・・・・・
話を促すなんてずるいよ。
ハァー、それじゃあクラスでは
「知っているか今では使うと混乱するから指摘しない方がいいが
斜に構える意味は、改まった姿勢で意味なんだ。バカに見下すような態度を取るのは
人差し指を左右に軽く振り説明する。受け流すのが、狙いで。
「残念でした。二度目は通用はしないわよ。それ嘘でしょう」
「・・・そうか。知らないのか」
斜に構えるのは真剣な態度の意味は本当なんだがなぁ。信用がないのは僕もそうだから仕方ないか。
「あ、あれ。もしかして・・・・・」
スマホを素早く操作する。
意味を知ったのだろう。ゆっくり視線を戻して苦笑を浮かべる。
「あ、あはは。語源も見たけど
剣道の中段の構えなんだね。
「ハァー、偏差値が一気に下がりそうな会話だな」
つい大きめな嘆息がこぼれる。
「ムッ、失礼なぁ。こう見えても私テストでは90点を出すんだよ」
「へぇー、そうか。スゴイなぁ」
「ぐっぬぬ」
煽るような返事になったが、奴は
唸りながら睨んで来る。
「ほら、行くぞ」
「・・・・・」
ベンチから腰を上げる。返事がなく何があったか気になり振り返ると、ポカンと放心していた。
「どうしたんだ。
「な、なんでもないよ。行こう」
ハッと意識を取り戻したような反応を示すと立ち上がり、言葉と
僕の横へ立つ。
ニコニコして何が気に入ったのか本当に解せないなぁ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます