第100話大団円
ダイマオウ・マオウの謝罪に聞く耳を持たない
「もうよい。わしは怒ってしまったぞ。怒ってしまったから、舞台の本番中にマオウちゃんを後ろから攻撃してやる。『なにを人間相手にもたもたしておるのじゃ。ええい、邪魔だ。死ぬがよい。人間の相手はわしみずからがおこなう』なんてね」
マオウ・ダイマオウの言葉にうろたえる
「ダイマオウ様。それって、台本の話ですよね。本当にわたしを殺すんじゃあありませんよね」
ダイマオウ・マオウの質問に不機嫌そうに答える
「何を言っておるのじゃ、マオウちゃん。わしもそのくらい心得とるわ。それとも、本当に殺されたいのか?」
マオウ・ダイマオウの質問にブンブンと首を振る
「とんでもありません、ダイマオウ様。それで、わたしが台本で殺された後、ストーリーはどうなるんですか?」
ダイマオウ・マオウの問いかけをマッドドクターに振る
「マッドドクターちゃん、お前の愛しいマオウちゃんがわしに殺されちゃうんだよ。マオウちゃんと夫婦であるマッドドクターちゃんはどうするのかね」
マッドドクター・ダイマオウの質問されるも、ダイマオウの真意がよくわからない
「それは……僕のマオウちゃんがいなくなってしまうなんて考えたくもないですが……」
ダイマオウ・マッドドクターの言葉に満足そうにうなずく
「それでいいんだ、マッドドクターちゃん。マオウちゃんを殺したわしを存分に恨むがいい。人間を滅ぼそうとしている人間であるマッドドクターちゃんが、人間の宿敵であるこのわしに立ち向かう。これこそクライマックスではないか」
マッドドクター・ダイマオウの言いたいことを理解する
「ああ、そういうことですか、ダイマオウさん。でも、僕一人でダイマオウさんと戦うんですか?」
ダイマオウ・マッドドクターの言葉を否定する
「そうは言っておらん、マッドドクターちゃん。まずはわしが殺したマオウちゃんを蘇生させんとな。それにはうってつけのレトロゲームセカイの新入りがいるではないか」
シンカン・ダイマオウの意を受けて登場する
「わたしがマオウさんを蘇生させればいいんですね。モンスターであるマオウさんを蘇生させるなんてドキドキします。ですが、教会を廃業した身。それも良いでしょう」
ダイマオウ・シンカンの言葉を満足げに聞く
「しかし、今まで人間の蘇生をしてきたシンカンちゃんのことだから、マオウちゃんの蘇生には時間がかかるかもしれないなあ。となると、時間稼ぎの役どころが必要になるな」
モンスターマスター・ダイマオウの言葉に続いて登場する
「その役どころが……」
リュウキシ・モンスタマスターの言葉に続く
「自分たちと言うわけですな」
ダイマオウ・モンスターマスターとリュウキシを交互に見比べる
「わしの攻撃は激しいぞ。モンスターマスターちゃんとリュウキシちゃんとは言え、耐え切れるかのう。なにせ、わしの攻撃は魔法やブレスばかりではないからの」
モンスターマスター・ダイマオウに言い放つ
「ダイマオウさんの攻撃を耐えるのはわたしではありませんわ。わたしの仲間のモンスターさんです」
リュウキシ・ダイマオウに告げる
「自分は、相棒のドラゴンがいれば耐えてみせます」
ダイマオウ・高らかに宣言する
「そうかそうか。それでは、最高の悪役を演じるとするかな。それでテレビを見ている人間がわしを憎み抜けば、その負の感情はさぞや美味であろうからなあ。これならば、わしの部下のモンスターが無闇に人間を殺す必要もなくなるかもな」
マオウ・ダイマオウの言葉を聞いて複雑な気持ちになる
(そうか、テレビの視聴者がダイマオウ様の悪役っぷりに本気でダイマオウ様を殺したくなるほど憎たらしいと思えば、その負の感情でダイマオウ様は生きていけるのかもしれない。そうすれば、ダイマオウ様のわたしへの仕事の丸投げもなくなるかも……それはないな。現にここレトロゲームセカイの運営はこれからも続くんだし)
ダイマオウ・ユウシャにふとした質問をする
「それで、ユウシャちゃん。この舞台のタイトルはなんと言うのじゃ?」
ユウシャ・ダイマオウの質問にあたふたする
「え、タイトルですか……それはその……」
ダイマオウ・右往左往するユウシャに呆れる
「なんじゃ、タイトルも考えておらんかったのか。ダイマオウであるこのわしを筆頭に、これだけの豪華メンツが勢ぞろいした舞台なのじゃぞ。それらしいタイトルを考えんか!」
ユウシャ・頭をひねる
「えっと、タイトルは……これからも続くわけだから……」
そして でんせつが はじまった!
あとがき
これで一区切りとさせてもらいます。
続編として、『ユウシャちゃんねる』を投稿しますのでよろしくおねがいします。
昔ながらのゲームキャラクターに居場所はないのですか @rakugohanakosan
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