第95話打ち合わせ

センシ、ソウリョ、マホウツカイ、ナイト、モンク、シロマドウシ、クロマドウシがユウシャの部屋に入ってくる。


センシ・ユウシャにいち早く駆け寄る

「ユウシャちゃん、水臭いよ。お芝居をするつもりなら、なんで早く言ってくれないの。どのセリフを誰が言うか文章にしたらわかりにくいなんて悩んでたみたいだけど、そんなの直接わたしとユウシャちゃんで話せば済むことじゃん。『このセリフはセンシちゃんのセリフだからね』なんて言えばいいじゃん。わたしは、ユウシャちゃんのためなら時間いくらでもさくんだから、ユウシャちゃんのお芝居のイメージを口で説明してくればいいんだよ」


ソウリョ・ユウシャに冷静に文句を言う

「そういうことだな、ユウシャちゃん。そりゃあ、時間に限りがあるとか、メンバー全員が集まる機会を作りにくいならともかく、僕たちは時間はいくらでもあるし、いくらでも集まって話ができるんだ。それなら、ユウシャちゃんが『こんなお芝居やりたいんだけど……』なんて僕たちを一同に集めて説明すれば済む話じゃないか」


マホウツカイ・ユウシャをからかいつつしっかり不満は伝える

「ユウシャちゃんは最近リーダーがどうのこうの悩んどったみたいやからなあ。一人でなにもかもしょいこみすぎとったみたいやな。ちょっと背伸びしすぎなんと違う? せやけど、こんな面白そうな話をうち抜きで進めとったのは気に入らんな。ユウシャちゃんは自分以外を自分の舞台づくりの駒としか思っとらん大監督にでもなったつもりなんか? 『役者は監督に従っていればいいんだ。セリフは一言一句変えるな。アドリブなんて断じて許可しない』なんてな?」


ユウシャ・センシ、ソウリョ、マホウツカイの三人に謝罪する

「それは……ごめんなさい、みんな。最近いろいろあって考えすぎちゃったみたい」


センシ・謝ったユウシャに驚いて自分も謝る

「い、いや、違うよ。わたしはユウシャちゃんに謝って欲しいんじゃないんだよ。ただ、ユウシャちゃんが何か悩んでるなら、わたしもいっしょに悩みたくって……ソウリョちゃん、マホウツカイちゃん、二人がごちゃごちゃ言うからユウシャちゃんがこんな風になっちゃったじゃない」


ソウリョ・自分とマホウツカイに罪をなすりつけるセンシに呆れつつユウシャに謝る

「センシちゃん、そもそも、僕たちをここに連れてきたのはセンシちゃんじゃないか。『ユウシャちゃんがなんか悩んでるみたい! みんなはひとりのためにだよ』なんて言ってさ、そりゃあ、センシちゃんはユウシャちゃんのためなら火の中水の中だろうけどさ……まあ、ユウシャちゃん、顔を上げてくれ。僕も言いすぎた」


マホウツカイ・しどろもどろなセンシを面白がりつつユウシャに謝る

「なんや、センシちゃん。さっきまで『まったくユウシャちゃんったら、パーティーの絆をなんだと思ってるのさ。わたしたちは子供の頃からの付き合いじゃない』なんてプリプリ怒ってたくせにさ。変わり身の早いやっちゃな。けどもうちも言いすぎたわ。ごめん、堪忍してえな、ユウシャちゃん」


ナイト・モンスターマスターに質問する

「それはそうと、モンスターマスターさん。どうしてその会話文の前に名前を書いておくシステムのことをユウシャさんにだけ話したんだい? 誰がどの会話をしているか読んでいる人にうまく伝えられなくて悩んでるのはわたしだって同じだったのに」


モンスターマスター・ナイトに質問にうふふと笑って答える

「だって、ナイトさんったら悩みに悩んじゃって、無言で仁王立ちになっていらっしゃられてたんですもの。あんなふうに、『わたしの後ろの味方はどんなダメージを通させん』なんて立ちはだかられては、とても話しかけられる雰囲気ではありませんもの。その点、ユウシャさんはああでもないこうでもないと、いっぱい独り言をおっしゃられながらお悩みになっておられるので、話しかけやすいんですのよ」


ユウシャ・モンスターマスターの言葉に複雑な表情をしながら内心つぶやく

「(それって、あたしが頼りないってことですか、モンスターマスターちゃん)」


モンク・ユウシャをかばいつつ、ナイトに不満を言う

「たしかに、わたしたちパーティーのリーダーは孤高の騎士って感じで、じっとパーティー全員分の攻撃を一身に受けているところはすこし馴染みがない人には話しかけづらく感じられるかもしれないね。話してみると気さくなところもあるんだけれどね。自分のことが書かれた本を照れたりしながら読んでるところなんか特にね。ユウシャさんもそういう親しみやすいところは美徳だとわたしは思うね。それにしても、ナイトちゃん。わたしだって、ナイトちゃんに不満はあるんだよ。パーティー全員分の台本を一人で考えようとするなんてさ。そこまで『かばう』特技を発動させる必要はないんだよ」



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