『ベーター卿の日常』 後編

 『こ、これは、生ではないですかあ〰️〰️〰️〰️‼️』


 コワイ中佐が声を上げた。


 あきらかに、大変なものを食してしまった。


 と、いう後悔の念が爆発していた。


 もちろん、その前に、当然起こるべき事態は

きちんと発生していた。


『こ、これは、何を用いて、食すので、ありますか?』


『あらあ、あなた、大幹部候補のくせに、お箸の使い方もご存知ない?なさけなあ! この先、苦労なさいますわ。わたくしが、教えて差し上げましょう。』


 第1王女様が、中佐の後ろに回って、大きな胸をぐいぐいと押し付けながら、その手をとったのである。


『おわ〰️〰️〰️〰️‼️ あの、王女さま、自分も、分かりませんがな。』


 大将が、あっさりと言ったのである。


『はい、はい、後でお教えいたします。』


『ご、ごほん!』


 ハンダース・ベーター卿が咳払いをした。


 まあ、そんなことが、あったのである。



『宇宙広しと言えど、このような、純粋にして、完璧なお料理というものは、ございません。だから、日本合衆国を、壊滅させては、なりません、と、申し上げております。』


『王女さまのご意向は、よく、承知しております。』


『まあ、ベーター卿は、日本合衆国のご出身ですから。よろしくね‼️』


『仰せのままに。』


 しかし、実は、ベーター卿が生まれたのは、あの、反乱の第9惑星である。


 その後、地球に強制連行され、優秀だったので、王家の親戚筋に、養子に取られた。


 帝国の、発祥の地であり、帝国精神の固まりなので、ある。


 王女様たちは、肉体こそ地球産だが、中身が何者なのかは、誰もしらない。


 はるかな、深宇宙である、とも言われているし、別の宇宙とも、うわさされる。


 ベーター卿は、王女様たちを、恨んでいたのである。


『おわ! ぎぇ! く、くるしい‼️』


 中佐が、叫んだ。


『どうした?』


 戸惑った大将も、すぐ、同じ苦痛に襲われた。


 ふたりは、あっという間に、息絶えたのである。


『な、な、なんと。』


 ベーター卿が、呻いた。


『ふん、ふん。おかしな策略をするからよ。あなたがあの、配達のバイトさんをちょうりゃくしておったことなど、わしには、見え見えじゃ。毒の成分は、分離して、この、ふたりの、お寿司に、入れてやったわ。……………さて、あなたは、どうしようかなあ。』


 ハンダース・ベーターは、危機に陥っていた。


『ほら、お食べなさい。さあ、お食べ‼️』


 第1王女様が、迫った。


『む、む、む、無念❗』


 ハンダース・ベーター卿は、自ら、宇宙服なしのまま、緊急脱出口に飛び込み、宇宙船内から、大宇宙に、身を投げたのである。



『お姉さま、良いのですか?』


 第2王女様が、尋ねた。


『ばーか。ちゃんと、助けるわ。二度と、反乱できないように、してさしあげますわ。ほら、あなたたちは、ゾンビになって、生き返りなさい。ほら、ルイーザさま(第2王女様)は、お寿司、頂きなさい。』


『え❔』


 第2王女様は、唸った。


 侍従長は、何も言わなかったのである。




 ・・・・・・・・・・・・・・🛸


          おしまい。



 


             





 


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『ベーター卿の日常』  やましん(テンパー) @yamashin-2

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