マキちゃん日記

 今日は、大好きな靜おねーさんとお友達になった!


 おねーさんと一緒にいるとどきどきして、でもぽかぽかして、嬉しいような怖いような不思議な気持ちになる。


 不思議だなってお友達のアナンちゃんに話したら、私はおねーさんが好きなんだって言っていた。私がそうだよ、大好きなんだよって言ったら、なんだか難しい顔をして、そうじゃなくて、とぶつぶつ言って。それから「わたしを好きなのと、おねーさんを好きなのは違うでしょ?」って言われた。


 そう言われると、そんな気がする。アナンちゃんと一緒にいるのは楽しいし大好きだけど、おねーさんとおしゃべりする時みたいにドキドキはしない。そしたらアナンちゃんは「それは恋だよ」って。


 そっか、これが恋なんだ、って思ったら、なんだかとっても嬉しくなった。


 漫画やテレビの中で見ていたそれが私の胸をぽかぽかあったかくしているのは、自分がお話のキャラクターになったみたい。


 アナンちゃんは「でも、女の人を好きになるのは大変だよ」って言ってたけど、どうして大変なのかよくわからない。アナンちゃんは「やっぱりなんでもないよ」って言って教えてくれなかった。


 でも、大変でも、私はおねーさんを好きになってよかったって思う。


 だっておねーさんは私よりずっとおねーさんなのに、お母さんたちみたいに私の言うことを聞き流してしまわないんだ。そうだねーって言ったあとに何だっけって言うおかあさんとは違う。


 私が大好きだよって言ったら、そうなんだって顔をして、ちょっと困ったみたいに笑ってた。でも一回も私の言ったことを嘘だって言わなかった。そんな訳無いでしょって言わなかった。


 そんなおねーさんを好きになったことが、とても嬉しい。私が初めて、漫画やアニメに出てくる恋っていうのをした人が、このおねーさんだぞってみんなに自慢したいくらい。


 靜おねーさんは私の彼女にはなってくれなかったけど、お友達にはなってくれた。おねーさんは彼女っていうのは友達のもっと友達みたいな人がなるんだって、多分、そんなことを言ってたから、私はこれからおねーさんの彼女になれるように頑張らなくっちゃ。


 まずは今度のお出かけで、おねーさんにたくさん可愛いって思ってもらわないと! だって私が好きーって言うたびにちょっぴり恥ずかしそうにするおねーさんはとっても可愛いから、私も負けられないもん。


 おねーさんはお出かけって言ってたけど、二人きりで遊びにいくことをなんて言うか、私だって漫画でたくさん見たことあるから知ってる。


 今度のお出かけは、私とおねーさんの「初デート」なんだ。

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