第21話 スカーレット
「あなたたち!? それでも悪魔か!?」
朝一番にセーラ姫の怒鳴り声が魔王の城に響き渡る。
「ぐえええ~。頭に響くから大声を出さないでくれ!?」
悪魔たちは二日酔いでグデグデしていた。
「ロザリー、ツンツン。」
「ギャア!? 嬉しいけど、私に触れるな!?」
悪魔たちは身動きがとれないくらい隊長を崩して弱っていた。
「どうするんだ? 道案内は?」
「私が案内してあげましょう。」
俺たちが魔界と冥界の境への行く方法が分からないで困っていると、道案内をしてくれる女の声がした。
「スカーレットだ!」
「アロア、知り合いなの?」
「スカーレットは私と同じ上級天使だよ。」
「上級天使!?」
現れたのはアロアと同じく、天界の唯一無二の絶対神ルシファーの神の使途、上級天使のスカーレットだった。
「あなたもゴロゴロ・フレンドなの!?」
「どうしてそうなるのよ!?」
アロア=ゴロゴロなのである。
「魔界と冥界の境に行きたいんでしょ? 私なら案内してあげられるわよ。」
「スカーレット、よろしくお願いね」
「いいわよ。こちらこそよろしく。」
俺たちは、二日酔いのロザリーとおまけのアロアを城に残し、上級天使のスカーレットを仲間に加えて、魔界と冥界の境を目指すことにした。
「私もいますよ。」
「ヘスティアー、あなたも残って、ゴロゴロしていていいのよ?」
「酔っ払いの相手って、意外に大変なんですよ。」
ヘスティアーの基準は、第一にゴロゴロ。第二に面倒臭いことが嫌いである。
「それでは、ご先祖様に会いに、レッツ・ゴー!」
「おお! ・・・・・・でいいのかな?」
道中、新しく仲間になったスカーレットに色々質問してみた。
「スカーレットはアロアやロザリーと同じ上級天使なのよね。」
「そうよ。ルシファー様に使える天使よ。でも、ルシファー様が天界から姿を消したので、魔界に避難したつもりだったんだけど、新しい悪魔が魔王城を攻めて来るし、全然、避難にならなかったわ。」
ルシファーが天界から姿を消して、スカーレットの戦闘力もアロア、ロザリーと同様に下がっている上級天使は弱体化していた。
「あ、サタンが言っていたけど、ルシファーって人、人間界にいるんだって。」
「人間界? あの人間をゴミとしか思っていないルシファー様が?」
「ゴミって・・・・・・。」
「いったいルシファー様は天界の神の座よりも何が他に大切なんだろう?」
スカーレットには、偉大なる神ルシファーの考えが分からなかった。
つづく。
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