第20話 ベルフェゴール

「ええー!? 私のご先祖様!?」

 セーラ姫は魔王ネロと王妃カトリーヌが自分の曽祖父と曾祖母と知った。

「そうだ。そんなことも知らなかったのか。」

「はい。知りません。アハッ。」

 開き直るセーラ姫。

「私のご先祖様は生きてるんですか?」

「それは分からない。」

「分からんのかい!」

 正確なことには魔王のサタンにも分からない。

「私が聞いたことがある噂は、魔王ネロ様たちは魔界と冥界の境に住んでいると。」

「ということは、結局、冥界の方へ進んで行くのね。」

 セーラ姫はアーサーを生き返らせるために魔界と冥界の境に行くことを決めた。

「まあ、私の城でゆっくりして、疲れを取ってから進むがいい。」

「ありがとうございます。」

 形だけだが姫の礼節で感謝を述べるセーラ姫たちは魔王の間から出ていく。


「とりあえず今日はベットでグッスリ眠れそうね。」

「ええー!? 一緒に!?」

 アーサーはセーラ姫の発言にドキッとする。

「それは無理。結婚するまで許しません。」

 セーラ姫は処女信仰者である。

「偉い! セーラ姫! それでこそ淑女だ!」

 元女神ヘスティアーは処女女神である。

「あ! アロア!」

 そこに悪魔が現れた。

「ベルフェゴール! わ~い! 久しぶり!」

「知り合いの悪魔なの?」

 現れたのは怠惰のベルフェゴールだった。

「アロアのゴロゴロ友達だ。」

「ゴロゴロ~。」

 アロアとベルフェゴールは床を転がりだす。

「私も! ゴロゴロ~。」

 元女神のヘスティアーもゴロゴロしだす。

「こいつらを見てると世界は平和だな。」

「そうね。」

 元人間の上級天使と元女神と悪魔が仲良く一緒にゴロゴロしている。

「今夜は私とアスモデウス、それとベルフェゴールは久しぶりに飲み会を元祖、魔王7将軍で飲み明かす。アロアはヘスティアーに面倒を見てもらおう。」

 久々の魔界を満喫するレヴィアタンのロザリー。

「任せてください。アロアさんとゴロゴロしてます。」

「私もゴロゴロする。」

「こらー! ベルフェゴール! 貴様は私と来るんだよ!」

「ギャア!? 助けて!? 殺される!?」

 悪魔の3人は去って行った。

「今、思えばここは魔界なのよね。よく来たものだわ。」

「そうだな。普通に考えれば生きているのも不思議だ。あ、俺、死んでるんだった!?」

「私のご先祖様って、いったいどんな人なんだろう。」

 つづく。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る