これが私の火かき棒!
「さあ、これがあなたの相棒です! さあ、装備してください! さあ!」
「わかったわよ……。はい、装備!」
AIが急かしてくるので、火かき棒を装備してみた。
……って、なんじゃこれ!?
―――――――――――――――――――――――
火かき棒
クラス:ウルトラレア
種別:魔剣
元は、暖炉やストーブから灰、燃えかすなどを掻き出すための棒
だが、この武器はそれをモチーフとした魔剣である
超強いよ!!
物理攻撃力:100
魔法攻撃力:150
耐久値:300/300
特殊効果
煉獄の焔
火かき棒の先から強力な火炎を放出する
攻撃属性:魔法
特性:魔法防御貫通
―――――――――――――――――――――――
「ねえ、AIさん。このゲームの初期装備って攻撃力どれくらいなの?」
「うーん、一般的なコモンで3から5、アンコモンで8から15かな?」
私の攻撃力、20倍くらいあるんですけど!?
そうか、これがウルトラレアか!
「ちなみにブラストM82の攻撃力は物理攻撃力800だったよ!」
あ、やっぱりあれも壊れ武器なんですね。
「さて、相棒は決まったわけだけど、あなたの成長タイプはどうするの?」
あ、そういえば、成長タイプをまだ決めてなかった。
「成長タイプかぁ。なにがいいかな?」
「うーん、火かき棒だったら、【オールラウンダー】か【魔法剣士】かなー?」
「ほうほう。それはどうして?」
「どっちを選んでも、物理攻撃力と魔法攻撃力が上がるからだよー。ほかのタイプだと、どちらかしか成長しないからねー。似たような成長タイプに【魔法騎士】もあるんだけど……」
「【魔法騎士】はダメなの?」
「【魔法騎士】って素早さと器用さが壊滅的なんだよねー。火かき棒だと上手く戦えないよー?」
なるほど。
つまりさっきの二種類が私にぴったりだと。
「……ちなみに、火かき棒を使って戦闘訓練とかはできないの?」
「訓練をしたいならできるよー?」
「じゃあ、お願いね」
「はーい」
AIが手を振ると、土が人の形に盛り上がった。
これが的ってわけね。
「……火かき棒の攻撃方法ってどうすればいいんだろう?」
私の火かき棒は、先端が少し尖っていて、そこからフックのようなものが飛び出している形をしている。
これでの攻撃方法は……フックに引っかけて殴るとか、突き刺すとか?
「とりあえず、まずは突っついて……って!?」
的を思いっきり突き刺したら、貫通して穴が開いた。
物理攻撃力100は伊達じゃないね!?
「今度はフックに引っかけて……」
復活した的に対して、フックが引っかかるように調整してぶん殴る。
そしたら、フックが引っかかったところから、引き裂くように的がズタズタになった。
切り裂いたというより、引き裂いたという表現がぴったりな傷跡だった。
こっちも強いよ!?
「最後はこの特殊効果を試してみよう。穴が開かない程度に突き刺して【煉獄の焔】発動!」
的に火かき棒を突き刺して【煉獄の焔】を使ってみた。
そうしたら、先端からものすごい勢いで焔が吹き出して、的を
もう、驚くにも疲れた……。
「って、あれ?」
なんだか体に力がはいらないよ?
「あー、MP切れだねー。MPが少なくなると、体に力がはいらなくなるんだよー」
「……そういうことは早く教えてよね。これって、放っておいたら治るの?」
「治るけど、あなたの場合、回復まですごい時間がかかるよー? いまのMPは-250だし」
「-250って……」
MPの初期値は50だから【煉獄の焔】のMP消費は300ってこと?
それじゃあ、しばらくの間は使えないじゃない!
「まあ、MPがマイナスになっても死にはしないから安心してね。体に力がはいらないけど」
「それって、あまり意味ないよね!?」
とりあえず、MPを回復してもらって立ち上がる。
これは、ゲームが始まったらMPを回復するアイテムを集めておかないと……。
「それで、成長タイプはどうするのー?」
「……【魔法剣士】でお願いします」
「りょうかーい」
【オールラウンダー】はその名の通り、すべてのステータスが上がりやすいタイプ。
【魔法剣士】は、オールラウンダーに比べて魔法攻撃力とMPが上がりやすいけど、物理防御と魔法防御が伸びにくいタイプ。
MPを上げるのが急務な私にとっては、【魔法剣士】一択だよね!
「さて、それじゃあ、ゲームを開始する準備は完了だねー。それじゃあ、ゲームの説明をするよー」
AIさんから話を聞いて、このゲームの基本的なルールは理解できたと思う。
気をつけなくちゃいけないのは、プレイヤーキル……つまり、他のプレイヤーから攻撃されることもあるらしいので、油断できないってことかな。
まあ、プレイヤーキルをする人たち……プレイヤーキラーには、相応のペナルティが発生するらしいんだけどね。
あとは、各種ステータスの説明だとか、メニューの使い方だとかを習った。
この辺はなんとなーく覚えておけば大丈夫だよね?
「それじゃあ、〈バディ・ウェポン・オンライン〉を始めます。がんばってねー」
「はーい。ありがとーAIの人ー」
ゆっくりとあたりが真っ白になっていって、気がついたときには街の中にいた。
ここが〈バディ・ウェポン・オンライン〉の世界だね!
さて、友達を探して合流するかー。
あっちのプレイヤー名は事前に聞いてるし。
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